【はぐらかす】と【ごまかす】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「はぐらかす」と「ごまかす」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「はぐらかす」と「ごまかす」という言葉は、どちらも本当のことを言わないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「はぐらかす」と「ごまかす」の違い

「はぐらかす」と「ごまかす」の意味の違い

「はぐらかす」と「ごまかす」の違いを分かりやすく言うと、「はぐらかす」は言葉にしか使わない、「ごまかす」は言葉以外にも使えるという違いです。

「はぐらかす」と「ごまかす」の使い方の違い

一つ目の「はぐらかす」を使った分かりやすい例としては、「はぐらかさずに本当のことを言ってください」「その政治家は記者の質問をはぐらかそうとしました」「会議で問題点を指摘されたが部長は話をはぐらかして答えなかった」「彼は話題を変えてその質問をはぐらかす」などがあります。

二つ目の「ごまかす」を使った分かりやすい例としては、「彼女は昨夜どこにいたかを両親にごまかした」「子どもが宿題をやったふりをしてごまかそうとした」「彼は他人のせいにして自分のミスをごまかそうとしました」などがあります。

「はぐらかす」と「ごまかす」の使い分け方

「はぐらかす」と「ごまかす」はどちらも本当のことを言わないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「はぐらかす」は相手の追及を逃れようとして話の焦点をぼかすことを意味しており、「彼に好きな人がいるか聞いたけどうまくはぐらかされた」のように、会話などの言葉に対してのみ使うことができます。そのため、「お金の使い道をはぐらかす」のような使い方はしません。

一方、「ごまかす」は本心を見やぶられないように話をそらすことや人目を欺いて不正をすることを意味しており、「お金の使い道をごまかしたらバレてしまいました」のように、会話のような言葉以外に対しても使うことができるというのが違いです。

「はぐらかす」と「ごまかす」の英語表記の違い

「はぐらかす」を英語にすると「evade」「sidestep」「dodge」となり、例えば上記の「彼は話題を変えてその質問をはぐらかす」を英語にすると「He dodged the question by changing the subject」となります。

一方、「ごまかす」を英語にすると「deceive」「fool」「cover up」となり、例えば上記の「彼は他人のせいにして自分のミスをごまかそうとしました」を英語にすると「He tried to cover up his mistake by blaming someone else」となります。

「はぐらかす」の意味

「はぐらかす」とは

「はぐらかす」とは、相手の追及を逃れようとして話の焦点をぼかすことを意味しています。

「はぐらかす」の使い方

「はぐらかす」を使った分かりやすい例としては、「上司に給料のことを聞いたら話をはぐらかされました」「彼に好きな人がいるか聞いたけど笑ってはぐらかされた」「大事なところではぐらかすのは信用を失う原因になると思います」などがあります。

「はぐらかす」は相手の追及を逃れようとして話の焦点をぼかすことを意味する動詞です。

「はぐらかす」の特徴

「はぐらかす」は「彼女に好きな人がいるか聞いたけどうまくはぐらかされた」のように、会話などの言葉に対してのみ使うことができます。そのため、「税金の使い道をはぐらかす」のような使い方はしません。

「はぐらかす」はあいまいにしてかわすというニュアンスで、軽いことややや冗談ぽいニュアンスで使うことも可能です。

「はぐらかす」の類語

「はぐらかす」の類語・類義語としては、はっきりさせず曖昧にして問題を処理しないままにしてしまうことを意味する「うやむやにする」があります。

「ごまかす」の意味

「ごまかす」とは

「ごまかす」とは、本心を見やぶられないように話をそらすことを意味しています。その他にも、人目を欺いて不正をすることの意味も持っています。

「ごまかす」の漢字表記

「ごまかす」を漢字にすると、「誤魔化す」と表記することができます。

「ごまかす」の使い方

「童顔なので年をごまかしてもバレないだろう」「彼は動揺していたが笑ってごまかすことに成功したらしい」などの文中で使われている「ごまかす」は、「本心を見やぶられないように話をそらすこと」の意味で使われています。

一方、「不良品をごまかして売るなんて酷い奴だ」「店の売上をごまかして差額を懐に入れていたらしいです」などの文中で使われている「ごまかす」は、「人目を欺いて不正をすること」の意味で使われています。

「ごまかす」は本心を見やぶられないように話をそらすことと、人目を欺いて不正をすることの二つの意味を持つ動詞です。

「ごまかす」の特徴

「ごまかす」は「彼女は本当のことをごまかす」のように言葉だけではなく、「店の売り上げをごまかす」のように、人の目につかぬように不正を行うという言葉以外に対しても使うことができます。

そのため、「ごまかす」はやや悪意のある行為に対して使うことが多いので、基本的にマイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「ごまかす」の類語

「ごまかす」の類語・類義語としては、うそを言って本当でないことを本当であると思い込ませることを意味する「騙す」、言葉巧みにうそを言って相手に本当だと思わせることを意味する「欺く」などがあります。

「はぐらかす」の例文

1.子どもは怒られそうになると、すぐに別の話題ではぐらかそうとするのを知っています。
2.彼女は都合の悪いことを聞かれるといつも話をはぐらかすので、みんなからあまり信用されていません。
3.問題の本質をはぐらかさずに、しっかり向き合って話し合う必要があると思います。
4.真剣な話をしているのに彼は冗談ではぐらかすので、とても困っています。
5.彼は質問に正面から答えずはぐらかしてばかりなので、誠意が全く伝わりません。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の追及を逃れようとして話の焦点をぼかすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「はぐらかす」は言葉に対して使うのが一般的です。

「ごまかす」の例文

1.上司に怒られるのが嫌で、適当な言い訳でごまかそうとしました。
2.本心を知られたくなくて態度でごまかしたけれど、彼には見破られていたらしいです。
3.税金をごまかすために経費を水増ししたのがバレて、彼は逮捕されました。
4.数をごまかすようなやり方を続けていては、いずれ信用を失うだけだと思います。
5.商品の不良をごまかして出荷したことがバレて、世間で大騒ぎになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、本心を見やぶられないように話をそらすことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、人目を欺いて不正をすることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は本心を見やぶられないように話をそらすこと、例文3から例文5は人目を欺いて不正をすることの意味で使っています。

「はぐらかす」と「ごまかす」はどちらも本当のことを言わないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、言葉にしか使わないのが「はぐらかす」、言葉以外にも使えるのが「ごまかす」と覚えておきましょう。

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