似た意味を持つ「見越す」(読み方:みこす)と「見据える」(読み方:みすえる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「見越す」と「見据える」という言葉は、どちらも今後を見通すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「見越す」と「見据える」の違い
「見越す」と「見据える」の意味の違い
「見越す」と「見据える」の違いを分かりやすく言うと、「見越す」は隔てている物の上を越して見るという意味でも使う、「見据える」はじっと見つめるという意味でも使うという違いです。
「見越す」と「見据える」の使い方の違い
一つ目の「見越す」を使った分かりやすい例としては、「景気の動向を見越す」「混雑を見越して早めに家を出る」「株の安値を見越す」「高騰を見越して買っておく」「利率が上がるの見越す」「株の高値を見越す」などがあります。
二つ目の「見据える」を使った分かりやすい例としては、「この先の戦いを見据えてエースを温存する」「彼は私の顔をぴったりと見据える」「将来を見据えた計画を立てるのはとても大事なことです」などがあります。
「見越す」と「見据える」の使い分け方
「見越す」と「見据える」はどちらも今後を見通すことを意味している言葉で、将来を予測するというニュアンスで使う場合には違いはありません。そのため、基本的にはどちらを使っても問題ないでしょう。
では、「見越す」と「見据える」の違いは何かというと、「見越す」は隔てている物の上を越して見るという意味を持っているのに対して、「見据える」はじっと見つめるという意味を持っているというのが違いです。
「見越す」と「見据える」の英語表記の違い
「見越す」も「見据える」も英語にすると「foresee」「expect」となり、例えば上記の「株の高値を見越す」を英語にすると「foresee higher stock prices」となります。
「見越す」の意味
「見越す」とは
「見越す」とは、将来のことを推し量ることを意味しています。その他にも、隔てている物の上を越して見ることの意味も持っています。
表現方法は「先を見越す」「将来を見越す」
「先を見越す」「将来を見越す」などが、「見越す」を使った一般的な言い回しになります。
「見越す」の使い方
「値上がりを見越して買い占めることにしました」「一年先を見越すことは難しいです」などの文中で使われている「見越す」は、「将来のことを推し量ること」の意味で使われています。
一方、「畑を見越して海を望む」「塀を見越して花火を見る」などの文中で使われている「見越す」は、「隔てている物の上を越して見ること」の意味で使われています。
「見越す」は将来のことを推し量ること、隔てている物の上を越して見ることの二つの意味を持つ動詞です。
「見越す」は将来起こることを予測する場合に使い、多くはその立てた予測に対して、あらかじめなんらかの対策を取る場合に用いられます。
隔てている物の上を越して見ることの意味は、予測を立てるという抽象的ではなく、実際に見るという具体的なな使い方をする意味です。
「見越す」の類語
「見越す」の類語・類義語としては、類似の事実を当てはめてみて見当をつけることを意味する「推し量る」、物事の事情などを事実などを推し量ってそれと知ることを意味する「察する」などがあります。
「見据える」の意味
「見据える」とは
「見据える」とは、本質や真相などを見定めることを意味しています。その他にも、じっと見つめることの意味も持っています。
表現方法は「先を見据える」「相手を見据える」
「先を見据える」「相手を見据える」などが、「見据える」を使った一般的な言い回しになります。
「見据える」の使い方
「将来を見据えて英語の勉強をする」「現実を見据えることは大切です」などの文中で使われている「見据える」は、「質や真相などを見定めること」の意味で使われています。
一方、「対戦相手を見据える」「標的を見据えることは大切です」などの文中で使われている「見据える」は、「じっと見つめること」の意味で使われています。
「見据える」は本質や真相などを見定めることと、じっと見つめることの二つの意味を持つ動詞です。
本質や真相などを見定めることの意味は、分析的な目でよく見るというニュアンスで使います。
じっと見つめることの意味はただ見つめるのではなく、対象を威圧するように鋭く見るというニュアンスで使うと覚えておきましょう。
「見据える」の類語
「見据える」の類語・類義語としては、物の真偽を十分検討したうえで判定することを意味する「見極める」、見てそれと判断することを意味する「見定める」などがあります。
「見越す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、将来のことを推し量ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、隔てている物の上を越して見ることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「見越す」は将来のことを推し量ること、例文5の「見越す」は隔てている物の上を越して見ることの意味で使っています。
「見据える」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、質や真相などを見定めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、じっと見つめることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「見据える」は質や真相などを見定めること、例文5はじっと見つめることの意味で使っています。
「見越す」と「見据える」はどちらも今後を見通すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、隔てている物の上を越して見るという意味でも使うのが「見越す」、じっと見つめるという意味でも使うのが「見据える」と覚えておきましょう。