【悩ましい】と【悩む】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「悩ましい」(読み方:なやましい)と「悩む」(読み方:なやむ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「悩ましい」と「悩む」という言葉は、どちらも対応や処理が難しくて苦しむことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「悩ましい」と「悩む」の違い

「悩ましい」と「悩む」の意味の違い

「悩ましい」と「悩む」の違いを分かりやすく言うと、「悩ましい」は形容詞、「悩む」は動詞という違いです。

「悩ましい」と「悩む」の使い方の違い

一つ目の「悩ましい」を使った分かりやすい例としては、「彼は悩ましい目つきで私を見ました」「蚊に刺されて悩ましい一夜を過ごしました」「彼女の香水の香りが悩ましいです」「彼女は悩ましいばかりに美しい」などがあります。

二つ目の「悩む」を使った分かりやすい例としては、「彼は慢性的な腰痛に悩む」「中々就職できなくて悩む」「近くの工場の騒音に悩む日々を送っています」「このまま徹夜して仕事に行くか悩む」「彼女は事業に失敗したことに悩む」などがあります。

「悩ましい」と「悩む」の使い分け方

「悩ましい」と「悩む」はどちらも対応や処理が難しくて苦しむことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「悩ましい」は形容詞なのに対して、「悩む」は動詞という点です。

「悩ましい」は形容詞なので、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使います。一方、「悩む」は動詞なので、事物の動作や作用を表す場合に使うと覚えておきましょう。

「悩ましい」と「悩む」の英語表記の違い

「悩ましい」を英語にすると「fascinating」「sexy」「enchanting」「be worried」となり、例えば上記の「彼女は悩ましいばかりに美しい」を英語にすると「Her beauty is enchanting」となります。

一方、「悩む」を英語にすると「be worried」「be distressed」「be troubled」「suffer from」となり、例えば上記の「彼女は事業に失敗したことに悩む」を英語にすると「She is terribly distressed by the failure of her business」となります。

「悩ましい」の意味

「悩ましい」とは

「悩ましい」とは、悩むことがあって苦しいことを意味しています。その他にも、官能が刺激されて心が平静でいられないことの意味も持っています。

表現方法は「悩ましい女性」「悩ましいところ」

「悩ましい女性」「悩ましいところ」などが、「悩ましい」を使った一般的な言い回しになります。

「悩ましい」の使い方

「焦りと苛立ちの悩ましい日々を送っています」「これはとても悩ましい問題です」などの文中で使われている「悩ましい」は、「悩むことがあって苦しいこと」の意味で使われています。

一方、「悩ましい調べに誘われる」「彼女は悩ましい姿態をしている」などの文中で使われている「悩ましい」は、「官能が刺激されて心が平静でいられないこと」の意味で使われています。

「悩ましい」は悩むことがあって苦しいことと、官能が刺激されて心が平静でいられないことの二つの意味を持つ形容詞です。この二つの意味は微妙に異なっているので、上手に使い分けるようにしましょう。

前者の悩むことがあって苦しいことの意味は、ただ単純にどうすればいいか悩んでる場合に使います。

後者の官能が刺激されて心が平静でいられないことの意味は「彼女が美して悩ましい」のように、官能が刺激されて心が乱れる思いをしたというややプラスのイメージで表現したい場合に使います。

「悩ましい」の類語

「悩ましい」の類語・類義語としては、気がかりで落ち着かないことを意味する「不安」、頼りなく不安で心が落ち着かないことを意味する「心許ない」、どうなるかと不安で心から離れないことを意味する「気がかり」などがあります。

「悩む」の意味

「悩む」とは

「悩む」とは、対応や処理がむずかしくて苦しむことを意味しています。

その他にも、決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、からだの痛みなどに苦しむこと、その動作が思うようにはかどらないことの意味も持っています。

「悩む」の使い方

「物価の高騰に悩む企業も多い」「進学か就職するかで悩む」などの文中で使われている「悩む」は、「対応や処理がむずかしくて苦しむことや決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること」の意味で使われています。

一方、「持病の喘息に悩む」「ここ数か月成績が伸び悩む」などの文中で使われている「悩む」は、「からだの痛みなどに苦しむことやその動作が思うようにはかどらないこと」の意味で使われています。

「悩む」は様々なを意味を持つ動詞ですが、どの意味でも使われています。また、そのことに心がとらわれて思い苦しむというニュアンスが強いと覚えておきましょう。

「悩む」の特徴

「悩む」は「人間関係に悩む」のような精神的なものだけではなく、「便秘に悩む」のような肉体的に苦しむ場合にも使うことができます。

そのため、「悩む」はマイナスなイメージを伴っていることが多いと覚えておきましょう。

「悩む」の類語

「悩む」の類語・類義語としては、気にかかって不安に思うことを意味する「懸念する」、物事の先行きなどを気にして心を悩ますことを意味する「心配する」、一つのことに集中して深く考えることを意味する「考え込む」などがあります。

「悩ましい」の例文

1.ノミに刺されてしまったせいで、悩ましい一日を過ごすことになりました。
2.彼の表情があまりにも悩ましいので、何があったか尋ねることにしました
3.この悩ましい制度を壊すために、国会議員を目指すことにしました。
4.そのドラマの悩ましい結末に、思わずため息が漏れてしまいました。
5.彼女は悩ましいばかりに美しいので、惚れた男は数多くいます。

この言葉がよく使われる場面としては、悩むことがあって苦しいことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、官能が刺激されて心が平静でいられないことを表現したい時にも使います。

例文1から例文4は悩むことがあって苦しいこと、例文5は官能が刺激されて心が平静でいられないことの意味で使っています。

1.騒音に悩むことが増えたので、市区町村公害苦情相談窓口に行くことにしました。
2.現在の我が国には、後継者不足に悩む企業が数多くあります。
3.恋に悩む少年が主人公の漫画を読んでいるが、微笑ましいと思います。
4.頭痛に悩むことが増えたので、一度大きな病院で検査をすることにしました。
5.彼はドラフト1位で入団したが、伸び悩むことが多く2軍生活が続いています。

この言葉がよく使われる場面としては、対応や処理がむずかしくて苦しむことを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、からだの痛みなどに苦しむこと、その動作が思うようにはかどらないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は対応や処理がむずかしくて苦しむこと、例文3は決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、例文4はからだの痛みなどに苦しむこと、例文5はその動作が思うようにはかどらないことの意味で使っています。

「悩ましい」と「悩む」はどちらもを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、形容詞で表現したい時は「悩ましい」を、動詞で表現したい時は「悩む」を使うと覚えておきましょう。

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