似た意味を持つ「セロハンテープ」と「セロテープ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「セロハンテープ」と「セロテープ」という言葉は、「片面に粘着剤が塗られたテープ」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
セロハンテープとセロテープの違い
セロハンテープとセロテープの意味の違い
セロハンテープとセロテープの違いを分かりやすく言うと、セロハンテープは商品全般を表現する時に使い、セロテープは商標名を表現する時に使うという違いです。
セロハンテープとセロテープの使い方の違い
一つ目のセロハンテープを使った分かりやすい例としては、「販売当時は物をセロハンテープで止めるという考えがなかったそうだ」「セロハンテープで封をする前にのりも使用した方がいい」「道具箱にセロハンテープを入れておく」などがあります。
二つ目のセロテープを使った分かりやすい例としては、「セロテープにはカッターが備わっていることが多いため扱いには気を付ける必要がある」「セロテープの歴史を調べるのは初めてだ」「セロテープはプラスチック製ではない」などがあります。
セロハンテープとセロテープの使い分け方
セロハンテープとセロテープはどちらも、片面に粘着剤が塗られたテープを指しますが、使い方が若干異なります。
セロハンテープは、透明で薄膜状のものの片面に粘着剤を塗ったテープを指す言葉です。幅が1cmから2cm程度で、木材パルプから作られたセロハンと、そして天然ゴムや松脂などでできた接着剤でできているため環境にも優しいという特徴があります。
一方のセロテープも同じ性質を持ちますが、商標名であるというのが大きな特徴です。そのため、設定された商品名ではない限り、セロテープはニチバンから販売されているセロハンテープを指す語として使われています。
つまり、セロハンテープは幅1cmから2cmの半透明な粘着テープ全般を指し、セロテープはニチバンの販売したセロハンテープの商標名であるという違いがあります。そのため、セロハンテープという呼び方を用いていれば間違いはありません。
セロハンテープとセロテープの英語表記の違い
セロハンテープとセロテープを英語にすると「cellophane tape」となり、例えば上記の「セロハンテープで止める」を英語にすると「stick it with a cellophane tape」となります。
セロハンテープの意味
セロハンテープとは
セロハンテープとは、透明で薄膜状のものの片面に粘着剤を塗ったテープを意味しています。
セロハンテープの使い方
セロハンテープを使った分かりやすい例としては、「カラーセロハンテープでそれぞれの箱を装飾すれば中身も分かりやすくなるだろう」「セロハンテープはスコッチテープとも呼ばれている」「セロハンテープは簡単な貼り付けに便利だ」などがあります。
その他にも、「予備のセロハンテープをどこにしまっているか忘れてしまった」「幅の広いセロハンテープよりもビニールテープなどの方がいいのだろうか」「セロハンテープでは不安なのでガムテープを使いたい」などがあります。
セロハンテープは英語で「cellophane tape」と表記され、透明な膜状の物質を表す「セロハン」と、幅が狭く長い帯状の布や紙を意味する「テープ」を組み合わせた言葉です。「セロファンテープ」「セロハン」「テープ」と呼ばれることもあります。
セロハンテープはアメリカで開発された商品
1930年にアメリカで開発された商品であり、マスキングテープとして自動車の塗装に用いられていました。後に、荷物の梱包や封筒の封印に用いられるようになり、第二次世界大戦後には日本でも作られるようになります。
木材パルプから作られたセロハンの片面に、天然ゴムや松脂などで作られた粘着剤を塗布したものを指し、透明なセロハンテープが多く存在します。今日では色のついた「カラーセロハンテープ」「カラーセロテープ」も販売されるようになりました。
セロハンテープの類語
セロハンテープの類語・類義語としては、梱包などに用いられる幅の広い粘着テープを指す「ガムテープ」、表面に図や文字などの書き込みができる半透明の接着テープを指す「メンディングテープ」などがあります。
セロテープの意味
セロテープとは
セロテープとは、セロハンで作った粘着テープを意味しています。
セロテープの使い方
セロテープを使った分かりやすい例としては、「セロテープは工作や事務において欠かせない存在だろう」「筆箱に小型のセロテープを入れて持ち歩いていた」「職場のセロテープ台は軽いため貸し借りし合うことも簡単だ」などがあります。
その他にも、「セロテープで簡易的な補修はしたが接着剤などでしっかり直さなければならない」「子どもがセロテープを買うためのおこずかいがほしいと相談してくれた」「小学校にも児童が使えるセロテープがあるようだ」などがあります。
セロテープの語源
セロテープは、英語で「Sellotape」と表記される、「ニチバン」の登録商標です。アメリカのGHQがセロハンテープの製作をニチバンに対して求めてから、1948年に完成させたことで、日本でも後に「セロテープ」と名付けられ、販売が開始されます。
GHQからの製作依頼時に、1.2cmを1/2インチ、1.8cmを3/4インチ、2.4cmを1インチと定めたことによって、現在のセロテープ幅も1.2cmから2.4cmのものが販売されています。
また、今日では、一般的にも「セロテープ」と呼ばれることが多い商品ですが、本来はニチバンから販売されているセロハンテープのみを指すため、他社から販売されているものは「セロハンテープ」や各々の商品名を用いる必要があります。
セロテープの類語
セロテープの類語・類義語としては、片面もしくは両面に粘着剤を塗布してロール状に巻いた製品を指す「粘着テープ」、裏表両方とも接着可能なテープを指す「両面テープ」、幅広なクラフト紙でできた粘着テープを指す「クラフトテープ」などがあります。
セロハンテープの例文
この言葉がよく使われる場面としては、透明で薄膜状のものの片面に粘着剤を塗ったテープを意味する時などが挙げられます。
どの例文のセロハンテープも、木材パルプや天然ゴムなどの天然樹脂が主成分であるため、布でできたガムテープや、ポリ塩化ビニルでできたビニールテープなどとは異なります。
セロテープの例文
この言葉がよく使われる場面としては、セロハンで作った粘着テープを意味する時などが挙げられます。
例文1のように、セロテープはニチバンから販売されているセロハンテープの商標名であるため、該当商品ではない場合、セロテープよりもセロハンテープを用いる方が適していることもあります。
セロハンテープとセロテープは、どちらも「片面に粘着剤が塗られたテープ」を表します。どちらを使うか迷った場合は、商品全般を表す場合は「セロハンテープ」を、商標名を表す場合は「セロテープ」を使うと覚えておけば間違いありません。