【難儀】と【難義】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「なんぎ」という読み方の「難儀」と「難義」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「難儀」と「難義」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




難儀と難義の違い

難儀と難義の意味の違い

難儀と難義の違いを分かりやすく言うと、難儀は困難や面倒なことを意味し、難義は意味内容がむずかしいことを意味するという違いです。

難儀と難義の使い方の違い

一つ目の難儀を使った分かりやすい例としては、「難儀な仕事ばかりで疲弊する」「歳のせいか名前を覚えるのに難儀する」「父は難儀な性格で困る」「車を駐車するのに難儀するスペース」「難儀なお願いをされた」「難儀なノルマを課される」などがあります。

二つ目の難義を使った分かりやすい例としては、「難義な文章となってしまっている」「古文は難義で嫌になる」「取引先から難義なお知らせがきた」「難義な言葉を調べる」「今日は難義な問題に挑戦する」「難義なテキストで理解できない」などがあります。

難儀と難義は同音で漢字も似ている言葉なのですが意味は全く異なります。そのため上記の例の難儀の部分を難義に置き換えることも、難義の部分を難儀に置き換えることも出来ません。

難儀は困難や面倒を意味しており、難義は意味内容がむずかしいことを意味しています。使われる頻度としては難儀のほうが圧倒的に多いのですが、難義も使われることがあるので、それぞれの漢字と意味を覚えておくと良いでしょう。

難儀と難義の英語表記の違い

難儀を英語にすると「hardship」「trouble」となり、例えば上記の「難儀な仕事」を英語にすると「a hard job」となります。一方、難義を英語にすると「difficulty」「ambiguous」となり、例えば上記の「難義な文章」を英語にすると「difficult writing」となります。

難儀の意味

難儀とは

難儀とは、苦しみ悩むことや苦労することを意味しています。

他にも、面倒なことや迷惑なことの意味も持っています。

難儀の使い方

「大雨のなか出かけるのに難儀する」「御難儀をおかけします」「完食するのに難儀した特大お好み焼き」「話を長時間聞くのは難儀だ」「針に糸を通すことに難儀する」などの文中で使われている難儀は、「苦しみ悩むことや苦労すること」の意味で使われています。

一方、「男女問題はいつでも難儀だ」「このレストランは難儀な客が多い」「難儀なことにならなければよいが」「急に訪ねて来られて難儀した」「毎日ジムに行くのは難儀だ」などの文中で使われている難儀は、「面倒なことや迷惑なこと」の意味で使われています。

難儀という言葉は、日常生活やビジネスシーンなど幅広い場面で使われており、自分では使わなくても聞き馴染みのある言葉なはずです。「困難なことや面倒なこと」の意味を持っているためマイナスなイメージの言葉ですが、方言で使われる場合はそれほど深刻に使われません。

表現方法は「難儀しています」「難儀なお願い」

難儀とは、苦労することや面倒なことを意味しています。ビジネスシーンなど、これらの表現をかしこまって表す時に「難儀」が使われることがあります。「英文を理解するのに難儀しています」「難儀なお願いになり申し訳ありません」などと表現します。

「難儀やな」と「難儀かけます」は方言

難儀という言葉は方言でも使われており、関西弁では他人の体験に同情や共感するなどした場合に「大変だね」という意味で、「難儀やな」と表現されます。また、秋田弁では「面倒かけます」という意味で、「難儀かけます」と表現されます。

難儀の類語

難儀の類語・類義語としては、苦しみや困難を意味する「苦難」、つらく苦しい思いをすることを意味する「辛苦」(読み方:しんく)、実力などを厳しくためすことを意味する「試練」などがあります。

難儀の儀の字を使った別の言葉としては、礼儀の面からみた立ち居振る舞いをいみする「行儀」、きわめて義理堅いことを意味する「律儀」、祝いの儀式を意味する「祝儀」などがあります。

難義の意味

難義とは

難義とは、意味内容がむずかしいことを意味しています。

難義の使い方

難義を使った分かりやすい例としては、「難義な書物が出てきた」「彼の言っていることが難義で分からない」「難義な手紙だった」「難義な文章を読み解く力をつける」「難義な評論文は全く理解できない」などがあります。

その他にも、「複雑で難義な文章である」「祖父は難義な言葉を使う」「難義な論説文を読み解くコツ」「難義な話で分からない」「難義語の意味を辞書で調べる」「難解な表現を多用して難義な文章になる」などがあります。

難義という言葉は、意味内容がむずかしいことを表す言葉です。「なんぎ」という言葉は、前述の「難儀」が使われることが多く、「難義」はあまり馴染みがないかもしれません。

同音で漢字も似ているのですが、「難義」という表記の場合は、意味内容がむずかしいことと覚えておきましょう。

難義の類語

難義の類語・類義語としては、分かりにくいことや難しいことを意味する「難解」などがあります。

難義の義の字を使った別の言葉としては、ある宗教が真理と認めている教えの内容を意味する「教義」、漢字や文字の意味を意味する「字義」、人として守るべき道にはずれることを意味する「不義」などがあります。

難儀の例文

1.学生のころは英語を習得するのに難儀していたが、社会人になり仕事で使うようになってから簡単に身についた。
2.転居する友人へのプレゼントなので早く発送して欲しい、と難儀なお願いをしてみたところ翌日には届いた。
3.彼は周りに迷惑をかける難儀な男だから関わらない方がよい、と先輩にアドバイスされた。
4.難儀を使った方言は関西だけでなく秋田にもあり、苦労かけることを「難儀をかけます」と言う。
5.関西出身の友人は「難儀やなぁ」が口癖でよく言っているが、微妙に意味が違っていることに気付いた。
6.悪天候での旅行やお出かけはかなり難儀な思いをするけれど、だからこそよく記憶に残っている。
7.このところ、難儀な仕事ばかりで疲弊するので、休暇が取れたら大好きなサウナに直行したい。
8.最近は歳のせいかスーパーで何を買うのかを覚えるのに難儀するようになった。
9.父の難儀な性格に困っていた私自身も知らず知らずのうちに難儀な性格になってしまった。
10.上司のつまらない自慢話を長時間聞くのは難儀だったので、無理やり用事を作って断りを入れた。

この言葉がよく使われる場面としては、苦労することを迷惑なことを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2で使われている難儀は、苦しみ悩むことや苦労することを意味しています。例文3で使われている難儀は、面倒なことや迷惑なことを意味しています。例文4や例文5のように、難儀という言葉は方言でも使われいます。

難義の例文

1.素直に読んでいても意味が捉えにくい難義な文章には、生理的に拒否反応を持ってしまう。
2.分からない語句や難義語の意味を、辞書で調べる習慣を身に付けたい。
3.難義な文章は、書いた本人が読み直しても文意を近いしていないことがある。
4.憲法や法律の条文などは、難義なものが多くて読む気にならない。
5.長文読解の中でも長い文章や難義な文章の取り組み方についてのコツを聞く。
6.新しい同僚はわざと難義な言葉で話しマウントを取って喜ぶような鼻持ちならないやつだ。
7.父親からもらった数学のテキストは難義でまったく理解できない代物だった。
8.難義な文章を読み解く力をつけるために、大学の入試問題集を買ってみました。
9.祖父は難義な言葉を使うので、子供の私にはさっぱりわかりませんでした。
10.君みたいにわかりにくい表現を多用していたら、難義な文章になるのは当たり前のことである。

この言葉がよく使われる場面としては、意味内容がむずかしいことを表現したい時などが挙げられます。

難義という言葉は、意味内容がむずかしいことを意味しています。例文のように、文章の内容が難しいことを表現したい時に使われます。例文2にある「難義語」とは、難しい意味の言葉や語句を表します。

難儀と難義とうい言葉は同音で漢字も似ている言葉ですが、使い方や意味が異なります。使われる頻度としては難儀のほうが圧倒的に多いのですが、難義も使われることがあるので、それぞれの漢字と意味を覚えておくと良いでしょう。

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