【オミット】と【コミット】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「オミット」と「コミット」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「オミット」と「コミット」という言葉は、語感が非常に似ているため、本来の意味は大きく異なりますが混同して使われる傾向があります。




オミットとコミットの違い

オミットとコミットの意味の違い

オミットとコミットの違いを分かりやすく言うと、オミットは除外することを表現する時に使い、コミットは関わることを表現する時に使うという違いです。

オミットとコミットの使い方の違い

一つ目のオミットを使った分かりやすい例としては、「オミットシーンは多くのファンが望む特典となるだろう」「先日の会議で自分の案はオミットされた」「資料内の一部をオミットしておくよう先輩に言われた」などがあります。

二つ目のコミットを使った分かりやすい例としては、「変更をコミットするために再度データを確認する必要がある」「結果にコミットできるよう努力をしなければならない」「コミットされた後にログを見てエラーの確認をする」などがあります。

オミットとコミットの使い分け方

オミットとコミットは語感が似ている言葉で、どちらもビジネスシーンなどで使われていますが、意味は大きく異なります。

オミットは、除外することや省略することを表す言葉です。一般的なビジネスシーンはもちろん、映像制作などにおいても用語として使われています。

一方のコミットは、約束をすることや、その物事に深く関与することを表す言葉です。IT用語として使われる場合は、データベースにおける変更や更新を確定させることを意味します。

つまり、物事を除外することを意味するオミットと、物事と関わることや物事を確定させることを意味するコミットは大きく異なり、対義語の関係にあると考えられています。

オミットとコミットの英語表記の違い

オミットを英語にすると「omit」となり、例えば上記の「オミットシーン」を英語にすると「omit scene」となります。

一方、コミットを英語にすると「commit」「commitment」となり、例えば上記の「変更をコミットする」を英語にすると「commit the changes」となります。

オミットの意味

オミットとは

オミットとは、除外することを意味しています。

表現方法は「オミットする」「オミットされる」

「オミットする」「オミットされる」などが、オミットを使った一般的な言い回しです。

オミットの使い方

オミットを使った分かりやすい例としては、「オミットシーンは後々DVDなどの映像記録商品に収録されてほしい」「オミットされた企画は個人的にどれも良い案だと思っていた」「一部の古い機能をオミットすることとなった」などがあります。

その他にも、「初期の頃はオミットされるはずだった食事のシーンは丁寧に描写されることになった」「少し前にオミットされた便利な機能を返してほしいというユーザーの声が絶えない」「不祥事のせいでレギュラー番組からオミットされたらしい」などがあります。

オミットは英語で「omit」と表記され、「省く」「抜かす」「怠る」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じような意味で使われていますが、怠りうっかり忘れるというより、故意に除外することを表します。

死語とされることもあり、日常会話で使われることはほとんどありませんが、特にビジネスシーンで、「却下」「除外」といった意味を伝える強すぎない言葉として認識され、今でも使われています。

また、上記例文の「オミットシーン」のように、映像作品などでは台本のセリフを削除することや映像や音声を切り取ることを意味する言葉として使われていますが、「カットシーン」と呼ばれることもあります。

オミットの対義語

オミットの対義語・反対語としては、取り入れることを意味する「受容」、喜んで迎えることを意味する「歓迎」があります。

オミットの類語

オミットの類語・類義語としては、しめだすことを意味する「シャットアウト」、受け入れられないと押しのけることを意味する「排斥」、取り払うことを意味する「除却」、嫌ってのけ者にすることを意味する「疎外」などがあります。

コミットの意味

コミットとは

コミットとは、約束することや誓うことを意味しています。

その他にも、関係することや深く関わること、変更や処理の確定を意味する言葉としても使われています。

表現方法は「コミットする」「コミットされる」「コミット力」

「コミットする」「コミットされる」「コミット力」などが、コミットを使った一般的な言い回しです。

コミットの使い方

「上司に問題解決のためにコミットするようにと激励された」「未来にコミットするようなサービスの提供を目指す」「コミット力がある若手こそ丁重に扱われるべきだ」などの文中で使われているコミットは、「約束すること」の意味で使われています。

一方、「更新内容がコミットされたことを引き継ぎで聞いた」「コミットしようとしたらエラーが起きたため原因を探っている」「トランザクションやコミットが最初は分からなかった」などの文中で使われているコミットは、「処理の確定」の意味で使われています。

コミットは英語で「commit」と表記され、「委託する」「約束する」と言った意味を持ちますが、その他にも多くの意味を持つ言葉で、上記例文の「コミットする」のような使い方は日本固有の使い方とも言えます。

そのため、「コミットする」という表現は、名詞の形に変化した「commitment」を用いた「コミットメントする」という表現を省略した言葉として捉える方が近しい意味になります。

また、IT業界で使われる場合は、上記例文の「更新内容がコミットされた」などのように、データベース上における変更や処理の確定を意味する言葉として使われています。特に一つの処理よりも、関連する複数のデータを処理する場合に使われています。

コミットの対義語

コミットの対義語・反対語としては、手を出さないで傍で見ていることを意味する「傍観」、無いものとすることを意味する「反故」があります。

コミットの類語

コミットの類語・類義語としては、誓いの言葉を述べることを意味する「宣誓」、言い交わすことを意味する「契約」、中間に存在することを意味する「介在」、その物事に深入りすることを意味する「首を突っ込む」などがあります。

オミットの例文

1.原作に存在していたシーンがオミットされたものの、個人的により細部を知りたかった箇所が深く掘り下げられていた。
2.長いことレギュラー選手として活躍してきたが選手がオミットされてしまったらしく、今はハードな自主練習をこなしているらしい。
3.上司は何度も企画デザインのオミットをするという噂を聞いていたため、すぐに候補の一つとなった時は安心した。
4.シンプルな見た目かつ余計な機能をオミットしたことで更なる軽量化を図ることに成功し、人気商品として有名になった。
5.あまりリアルがオミットされすぎない物語を好む傾向にあり、事実と実際には存在しない現象を取り上げたような作品をよく見ている。
6.劇中でオミットされたシーンは、ブルーレイディスクの特典になるそうなので、多くのファンが買い求めるだろう。
7.会議資料の一部をオミットしておくよう先輩に言われたのに、すっかり忘れていたので、叱られてしまい少し落ち込んでいます。
8.予算の制約から、一部の広告キャンペーンがオミットされたが求められるものは変わらないので、効果的なプロモーションを考えなくてはなりませんでした。
9.予期せぬ問題が発生し、プロジェクトのリソースが不足したため、一部の作業がオミットされることとなった。
10.新製品の開発において、コスト削減のために高価な素材をオミットすることになったので、代替の素材を探すこととなった。

この言葉がよく使われる場面としては、除外することを意味する時などが挙げられます。

例文2のように人物に対しても使われることもあり、人の輪から外れることを表すこともあります。

コミットの例文

1.上司に、サポートはするからこれから任せる案件はフルコミットしてほしいと期待された。
2.いくら職場の環境がよくとも、低い賃金でコミットし続けなければならないとなると転職を考えてしまう。
3.コミットできる人材を募集するためにも、学生たちの就職活動に合わせて人事も動き始める。
4.トランザクションがコミットされたようだが、エラーが生じて今は正常に機能しておらず対応に追われている。
5.自動コミットモードでは大きな負荷が掛かるため、無効化して手動でコミットすることも多いのだろう。
6.営業は案件に直接結びつくコミット力も必要だが、まず相手の懐に入り込める人懐っこさも重要だ。
7.今度のプロジェクトの成功に向けて、メンバー一丸となってコミットし、最善の結果を出すことが求められています。
8.彼が言うには、今度は未来にコミットするようなサービスの提供を考えているそうだが、詳細はまだ教えてくれなかった。
9.新しい機能のリリース前に、品質管理チームが最終的なテストを実施し、問題がないことを確認してコミットしました。
10.もうビジネスモデルは機能しているのだから、あとは稼ぐことにフルコミットすればいい。目の前のことをやり切るのみだ。

この言葉がよく使われる場面としては、約束することを意味する時などが挙げられます。

例文1の「フルコミット」とは、責任を持って全力で取り組むことを表現する言葉です。

また、例文4や例文5のコミットは、処理を確定することや反映させることを意味する言葉として使われています。

オミットとコミット、どちらを使うか迷った場合は、除外することを表す場合は「オミット」を、関わることを表す場合は「コミット」を使うと覚えておけば間違いありません。

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