【心象が悪い】と【心証が悪い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「しんしょうがわるい」という読み方の「心象が悪い」と「心証が悪い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「心象が悪い」と「心証が悪い」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「心象が悪い」と「心証が悪い」の違い

「心象が悪い」と「心証が悪い」の意味の違い

「心象が悪い」と「心証が悪い」の違いを分かりやすく言うと、「心象が悪い」は直感的な印象の悪さを表現する場合に使う、「心証が悪い」は理性的な評価の悪さを表現する場合に使うという違いです。

「心象が悪い」と「心証が悪い」の使い方の違い

一つ目の「心象が悪い」を使った分かりやすい例としては、「新人が無愛想なので心象が悪いです」「面接に来た子の心象が悪いので採用を見送ることにしました」「心象が悪いと損することが多いです」「私からの同僚の心象が悪いです」などがあります。

二つ目の「心証が悪い」を使った分かりやすい例としては、「彼は何度も遅刻するので上司からの心証が悪いです」「彼は不適切な発言が多いので心証が悪いです」「彼女はいつも弁解ばかりするので心証が悪い」などがあります。

「心象が悪い」と「心証が悪い」の使い分け方

「心象が悪い」と「心証が悪い」は同音の言葉ですが、意味は異なっているので間違いないよう注意が必要です。

「心象が悪い」の「心象」は心の中に描き出される姿や形や心に浮かぶ像のことを意味している言葉です。したがって、思考や想像など脳の内部で形成される像のことを指しており、それに重点が置かれています。

つまり、「心象が悪い」は直感的な印象の悪さを表現する場合によく使われています。

一方、「心証が悪い」の「心証」は人から受ける感じのことを意味しており、人や物事に対する印象や感じに対して使います。そのため、心が感じることに対して重点を置いている言葉です。

つまり、「心証が悪い」は理性的な評価の悪さを表現する場合によく使われています。

また、一部の人々は「心象が悪い」は誤用として指摘しています。なぜなら「心象」は心の中に映し出される像のことを指しているので、良し悪しで表現することが適切ではないというのが理由です。

「心象が悪い」と「心証が悪い」の英語表記の違い

「心象が悪い」を英語にすると「bad image」となり、例えば上記の「私からの同僚の心象が悪いです」を英語にすると「My coworker leaves a bad image on me」となります。

一方、「心証が悪い」を英語にすると「bad impression」となり、例えば上記の「彼女はいつも弁解ばかりするので心証が悪い」を英語にすると「She leaves a bad impression because she often makes excuses」となります。

「心象が悪い」の意味

「心象が悪い」とは

「心象が悪い」とは、心に浮かぶイメージが悪いことを意味しています。

「心象が悪い」の使い方

「心象が悪い」を使った分かりやすい例としては、「接客態度があまりに良くなかったのでこの店の心象が悪い」「彼は余計な一言が多いので心象が悪いです」「一言の挨拶もなく帰ったので彼女への心象が悪い」「心象が悪いと損することがあります」などがあります。

「心象が悪い」は心に浮かぶイメージのことを意味する「心象」に、人の行動、性質や事物の状態などが水準より劣っていることを意味する「悪い」が合わさり、心に浮かぶイメージが悪いことの意味で使われている言葉です。そのため、基本的にマイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「心象が悪い」の特徴

「心象が悪い」は人や物事に対して心に描かれるイメージや雰囲気が良くない場合に使うことが多く、特定の行動や態度など、感覚的や直感的な要素が強い表現になります。そのため、全体的な雰囲気や直感的に基づいて使われることが多い言葉です。

「心象が悪い」の対義語

「心象が悪い」の対義語・反対語としては、心に浮かぶイメージが良いことを意味する「心象が良い」があります。

「心象が悪い」の類語

「心象が悪い」の類語・類義語としては、人や物事に対して良い印象を持てないことを意味する「印象が悪い」、相手の態度や行動が不快に感じられることを意味する「感じが悪い」などがあります。

「心証が悪い」の意味

「心証が悪い」とは

「心証が悪い」とは、人から受ける感じが悪いことを意味しています。

「心証が悪い」の使い方

「心証が悪い」を使った分かりやすい例としては、「答弁を聞いているが彼は心証が悪いです」「私たちへの対応が無愛想だったので心証が悪い」「彼はいつも待ち合わせに遅刻してくるので心証が悪い」「彼は心証が悪い発言を良くする」などがあります。

「心証が悪い」は人から受ける感じのことを意味する「心証」に、人の行動、性質や事物の状態などが水準より劣っていることを意味する「悪い」が合わさり、人から受ける感じが悪いことの意味で使われている言葉です。

「心証が悪い」の特徴

「心証が悪い」は合理的、論理的な判断に基づくもので、特に信頼性や誠実さに欠けると感じた場合に使われるこ言葉です。そのため、マイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

では合理的、論理的な判断に基づくもので信頼性を欠ける行動を挙げると、遅刻、不適切な発言、不誠実な行動などが挙げられます。

また、「心証が悪い」はビジネスシーンだけではなく、日常生活においても使うことができると覚えておきましょう。

「心証が悪い」の対義語

「心証が悪い」の対義語・反対語としては、人から受ける感じが良いことを意味する「心証が良い」があります。

「心証が悪い」の類語

「心証が悪い」の類語・類義語としては、他人のあるものに対する印象を悪くすることを意味する「心証を損なう」、人によくない印象を与えることを意味する「心証を害する」などがあります。

「心象が悪い」の例文

1.今回の取引先は心象が悪いので、次一緒にビジネスをすることはないだろう。
2.あのお店の接客態度は心象が悪いので、二度と足を運ぶことはないだろう。
3.チームの雰囲気や心象が悪いので、いつ解散してもおかしくないと思っています。
4.ブラック企業としてテレビで取り上げられて心象が悪いので、今年の応募者はほとんどいませんでした。
5.新作のデザインが心象が悪いとされており、どの店舗でも在庫がたくさん残っています。

この言葉がよく使われる場面としては、心に浮かぶイメージが悪いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「心象が悪い」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「心証が悪い」の例文

1.担当者が途中で変更などになると、取引先からの心証が悪いので絶対にならないよう気をつけています。
2.受け答えがきちんとできてない学生は、面接官からの心証が悪いです。
3.彼女は常に無愛想な態度だったので、私たちからの心証が悪いです。
4.彼は心証が悪い発言ばかりするので、同僚からは避けられています。
5.彼女は自分の過ちを認めず、すぐ言い訳ばかりするので心証が悪いです。

この言葉がよく使われる場面としては、人から受ける感じが悪いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「心証が悪い」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「心象が悪い」と「心証が悪い」は同音の言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、直感的な印象の悪さを表現する場合に使うのが「心象が悪い」、理性的な評価の悪さを表現する場合に使う「心証が悪い」と覚えておきましょう。

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