【一抹の望み】と【一縷の望み】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「一抹の望み」(読み方:いちまつののぞみ)と「一縷の望み」(読み方:いちるののぞみ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一抹の望み」と「一縷の望み」は似ている言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




一抹の望みと一縷の望みの違い

一抹の望みは一縷の望みの間違い

一抹の望みと一縷の望みの違いを分かりやすく言うと、一抹の望みは一縷の望みの間違った使い方、一縷の望みとはほんの僅かな望みのことです。

一抹の望みは誤字

一般的には一抹の望みという言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、一縷の望みのことを間違えて一抹の望みを使っている人がほとんどです。

一縷の望みは正しい日本語

正しい言葉である一縷の望みを使った分かりやすい例としては、「4番バッターに一縷の望みを託す」「今日の試合に負けてしまったので逆転優勝への一縷の望みが絶たれた」「一縷の望みに賭けて試合に臨む」「一縷の望みも無い」などがあります。

一縷の望みという言葉はあっても、一抹の望みという言葉は存在しません。同時に一縷の望みという単語の意味について「ほんの僅かな望み」と覚えておきましょう。

「一抹の不安」「一抹の寂しさ」は正しい日本語

一抹の望みという言葉は存在しないのですが、「一抹の不安」や「一抹の寂しさ」という言葉は使われています。一抹の不安、一抹の寂しさとは、ほんの僅かに残っている不安や寂しさという意味です。

「一縷の不安」「一縷の寂しさ」は誤字

また、一抹の望みという言葉が存在しないように、「一縷の不安」や「一縷の寂しさ」という言葉は存在しません。一縷はプラスなイメージを持つ言葉と一緒に使い、一抹はマイナスなイメージを持つ言葉と一緒に使うと覚えておきましょう。

一縷の望みの英語表記

一縷の望みを英語にすると「a ray of hope」となり、例えば上記の「一縷の望みも無い」を英語にすると「There is not a ray of hope」となります。

一抹の望みの意味

一抹の望みとは

一抹の望みとは、一縷の望みの間違った使われ方です。

一抹の望みという言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、一縷の望みと混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

一抹の意味

一抹の望みという言葉はないのですが、似た言葉の一抹は辞書に載っています。一抹とは、筆で紙をひとなですることが転じた、ほんの僅かという意味になっています。

一抹の使い方

一抹を使った分かりやすい例としては、「テスト前にやり忘れたことはないか一抹の不安が残る」「先日娘が嫁いだため一抹の寂しさがあるものの、幸せそうな娘をみて涙がこぼれました」などがあります。

上記の「一抹の不安」「一抹の寂しさ」というフレーズは、一抹のよく使われる表現方法になります。

一抹の望みの抹の字を使った別の言葉としては、塗りつぶして消すことを意味する「抹消」、塗りつけることを意味する「塗抹」、朱筆で文字を塗り消すことを意味する「朱抹」などがあります。

一縷の望みの意味

一縷の望みとは

一縷の望みとは、ほんの僅かな望みを意味しています。

一縷の望みの使い方

一縷の望みを使った分かりやすい例としては、「我がチームのエースピッチャーに一縷の望みを託す」「予選リーグ突破に向けて一縷の望みを繋ぐ」「リーグ再開という一縷の望みに賭けて日々の練習を続けている」などがあります。

一縷の望みの由来

一縷の望みは、一本の糸や、またそのような細いものという一縷(読み方:いちる)と、そうなれば良いという望みが合わさって生まれた言葉です。すなわち、一本の細い糸のような僅かな望みという意味になっています。

表現方法は「一縷の望みを託す」「一縷の望みに賭ける」

「一縷の望みを託す」「一縷の望みに賭ける」「一縷の望みに繋ぐ」「一縷の望みを残す」などが、一般的な一縷の望みの表現方法になります。そのため、基本的にプラスのイメージで使われる言葉です。

しかし例外があり、望みが無くなった際に「一縷の望みがない」「一縷の望みも絶たれた」などと使うこともあります。

一縷の望みの類語

一縷の望みの類語・類義語としては、常識では起こりえない不思議な出来事のことを意味する「奇跡」、物事が実現できる見込みのことを意味する「可能性」、明るい見通しのことを意味する「光明」、あることの実現を望み願うことを意味する「希望」などがあります。

一縷の望みの望の字を使った別の言葉としては、のどが渇いた時水を欲するように心から望むことを意味する「渇望」、願い望むことを意味する「願望」、期待が外れてがっかりすることを意味する「失望」、自分はこうなりたいと望むことを意味する「志望」などがあります。

一抹の望みの例文

1.一抹の望みという言葉は存在しないので、おそらく一縷の望みの言い間違いだろう。
2.一縷の望みという言葉は僅かな望みのことで、一抹の望みという言葉はない。
3.一抹の望みという言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.一抹の望みに託すという言葉を使う人はいるが、正しくは一縷の望みに託すです。
5.一縷の望みに賭けるという言葉はあるが、一抹の望みに賭けるという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、一縷の望みという言葉を間違えて一抹の望みと表現している時などが挙げられます。

一抹の望みという言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、一縷の望みを間違えて使っている可能性が高い言葉です。

一抹の望みという言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、一抹の望みではなく、一縷の望みと表現するのが正しい使い方です。

一縷の望みの例文

1.悲願のワールドカップベスト8進出に向け、今日の試合に一縷の望みを賭ける。
2.PK戦で最初のキッカーが外したのですが、逆転勝利に向けて一縷の望みを守護神に託した。
3.今日の試合に勝ったが、1位のチームも勝利してしまったため、逆転優勝への一縷の望みも絶たれてしまった。
4.5試合ぶりの勝利で一部残留へ向けて一縷の望みを繋いだ。
5.逆転優勝に向けて、我がチームのエースに一縷の望みを託す。

この言葉がよく使われる場面としては、ほんの僅かな望みを表現したい時などが挙げられます。

一縷はほんの僅かな望みという意味なので様々な事柄に使えるのですが、一般的に使われているのは上記の例文のような、スポーツの試合に関してになります。

一抹の望みと一縷の望みどちらを使うか迷った場合は、一抹の望みは辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の一縷の望みを使うようにしましょう。

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