【及ばない】と【至らない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「及ばない」(読み方:およばない)と「至らない」(読み方:いたらない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「及ばない」と「至らない」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「及ばない」と「至らない」の違い

「及ばない」と「至らない」の意味の違い

「及ばない」と「至らない」の違いを分かりやすく言うと、「及ばない」とはする必要がないこと、「至らない」とは配慮が不十分で行き届かないことという違いです。

「及ばない」と「至らない」の使い方の違い

一つ目の「及ばない」を使った分かりやすい例としては、「それは私の想像にも及ばない」「遠慮するには及ばない」「試験に合格するためにそんなに勉強するのは及ばない」「今すぐ返事するには及ばない」などがあります。

二つ目の「至らない」を使った分かりやすい例としては、「至らない部分もあると思いますがよろしくお願いします」「私は大人として至らない点も多いです」「本線はまだ開通に至らない」「私の至らない日本語を申し訳なく思う」などがあります。

「及ばない」と「至らない」の使い分け方

「及ばない」と「至らない」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意が必要です。

「及ばない」はする必要がないことを意味しており、「遠慮するには及ばない」「大丈夫ですので心配するには及ばない」などのような言い回しで使います。

一方、「至らない」はは配慮が不十分で行き届かないことを意味しており、「至らない点はお許しください」「この会議はまだ決議には至らない」などのように言い回しで使います。

「及ばない」と「至らない」の英語表記の違い

「及ばない」を英語にすると「don’t need」「never」となり、例えば上記の「今すぐ返事するには及ばない」を英語にすると「You don’t need to answer at once」となります。

一方、「至らない」を英語にすると「not attentive」「imperfect」となり、例えば上記の「私の至らない日本語を申し訳なく思う」を英語にすると「I am sorry about my imperfect English」となります。

「及ばない」の意味

「及ばない」とは

「及ばない」とは、する必要がないことを意味しています。

表現方法は「心配するに及ばない」「遠慮するに及ばない」

「心配するに及ばない」「遠慮するに及ばない」などが、「及ばない」を使った一般的な言い回しになります。

「及ばない」の使い方

「及ばない」を使った分かりやすい例としては、「この件に関しては遠慮するに及ばない」「ちょっと体調を崩しただけなので心配するに及ばない」「この問題は簡単なので説明するには及ばない」「目的地まで歩いていきますのでご心配には及ばない」などがあります。

「及ばない」はする必要があることを意味する「及ぶ」の未然形に打消しの「ない」が合わさり、する必要がないことの意味で使われている言葉です。

「及ばない」の特徴

「及ばない」は相手の気持ちに対してするほどではないということを伝える場合によく使われています。相手に対して敬意がある丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいても使うことができると覚えておきましょう。

また、さらに丁寧に表現したいのであれば、「及ばない」ではなく「及びません」とするのが適切です。

「及ばない」の対義語

「及ばない」の対義語・反対語としては、達することを意味する「及ぶ」があります。

「及ばない」の類語

「及ばない」の類語・類義語としては、ある場所や目的地に行きつくことを意味する「達しない」、どうしてもしなければならないことではないことを意味する「必要ない」などがあります。

「至らない」の意味

「至らない」とは

「至らない」とは、配慮が不十分で行き届かないことを意味しています。

表現方法は「至らない私ですが」「至らない自分」「至らないことばかり」

「至らない私ですが」「至らない自分」「至らないことばかり」などが、「至らない」を使った一般的な言い回しになります。

「至らない」の使い方

「至らない」を使った分かりやすい例としては、「まだ問題解決には至らない」「私は先生として至らない点も多いです」「その条約は締結までに至らない」「この作品は入賞には至らないがとても素晴らしいです」「私は至らない日本語を申し訳なく思います」などがあります。

「至らない」は配慮が足りていないことを意味をしており、「至らない自分ですが」「至らない私ですが」などのように、自分自身が未熟であることを表現する際によく使われている言葉です。

「至らない」は取引先への謝罪や初対面の人への挨拶など、ビジネスシーンにおいてよく使われています。また、「至らない点もあったと思いますがご指導ご鞭撻いただきありがとうございました」のように、感謝やお礼を伝う場面でも使うことが可能です。

そのため、「至らない」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができます。

「至らない」の注意点

「至らない」を使う上で注意しなければならないのは、基本的に自分自身に対して使う言葉という点になります。そのため、他人に向かって「至らない」は使うことができないと覚えておきましょう。

「至らない」の対義語

「至らない」の対義語・反対語としては、細かいとろこまで行き届くことを意味する「至る」があります。

「至らない」の類語

「至らない」の類語・類義語としては、ある状態や目的に行きつかないことを意味する「到達しない」、十分でないことを意味する「不足」、欠けたり十分でないところがあったりして完全でないことを意味する「不完全」などがあります。

「及ばない」の例文

1.その話に関してはすでに聞いていますので、説明には及ばない。
2.私は人として当然のことをしただけですので、お礼などは及びません。
3.ちょっと鼻水が出ているだけで熱はありませんので、心配には及ばないです。
4.結果はメールでお知らせいたしますので、来ていただくには及びません。
5.ここからなら歩いて帰ることができますので、送迎には及ばない。

この言葉がよく使われる場面としては、する必要がないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「及ばない」は様々な場面において使うことができる言葉です。

「至らない」の例文

1.とある県が反対していることによって、リニアモーターカー開通には至らない。
2.至らない点も多い私たちですが、末永く見守っていただければ幸いです。
3.至らない部分の多い私でしたが、皆様のご協力のおかげで無事にプロジェクトを成功させることができました。
4.最優秀賞には至らなかったが、彼らはの作品は会場を湧かせました。
5.意見が中々まとまらず、時間内に決議に至らない結果となりました。

この言葉がよく使われる場面としては、配慮が不十分で行き届かないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「至らない」は様々な場面において使うことができる言葉です。

「及ばない」と「至らない」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、する必要がないことを表現したい時は「及ばない」を、配慮が不十分で行き届かないことを表現したい時は「至らない」を使うと覚えておきましょう。

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