【奥の手】と【切り札】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「奥の手」(読み方:おくのて)と「切り札」(読み方:きりふだ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「奥の手」と「切り札」という言葉は、どちらも困難な状況を打開するための手段のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「奥の手」と「切り札」の違い

「奥の手」と「切り札」の違いを分かりやすく言うと、「奥の手」は最後まで隠しておく秘策を指すこと、「切り札」は勝負を決める決定的な手段を指すことという違いです。

一つ目の「奥の手」を使った分かりやすい例としては、「交渉が行き詰まったため、最後に奥の手を使うことにしました」「彼は誰にも言っていなかった奥の手をここで明かしました」「困ったときのために奥の手を用意しておくべきです」などがあります。

二つ目の「切り札」を使った分かりやすい例としては、「彼女の提案がこの企画の切り札になりました」「新商品の投入が業績回復の切り札です」「経験豊富な人材を切り札として起用しました」などがあります。

「奥の手」と「切り札」はどちらも困難な状況を打開するための手段のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「奥の手」は「いざという時のために奥の手を隠しておく」のように、普段は表に出さず、最後の段階まで温存しておく手段に対して使う言葉になります。

一方、「切り札」は「この案が成功の切り札になる」のように、勝敗や結果を決定づける最も有力な手段として使われる言葉です。

つまり、最後まで隠しておく秘策を指すのが「奥の手」、勝負を決める決定的な手段を指すのが「切り札」と覚えておきましょう。

「奥の手」を英語にすると「last resort」「secret weapon」となり、例えば「彼は奥の手を使いました」を英語にすると「He used his last resort」となります。

一方、「切り札」を英語にすると「trump card」「ace in the hole」「key card」となり、例えば「それは我々の切り札です」を英語にすると「That is our trump card」となります。

「奥の手」の意味

「奥の手」とは、容易に人に知らせないとっておきの策のことを意味しています。

「最後の奥の手」「とっておきの奥の手」などが、「奥の手」を使った一般的な言い回しになります。

「奥の手」を使った分かりやすい例としては、「交渉が行き詰まったため、最後の奥の手を使いました」「ここぞという場面で、彼は奥の手を出してきました」「万が一に備えて、奥の手はまだ取ってあります」などがあります。

「奥の手」は、普段は表に出さず、最終局面や切羽詰まった状況になって初めて使う特別な手段や方法を意味する名詞です。名詞とは、人や物、事柄などの名前を表す言葉を指しています。

「奥の手」は、すぐに使うものではなく、他の手段が通用しなくなったときのために温存される点が特徴です。そのため、「最後に出す」「切り札として残しておく」といったニュアンスを強く含みます。

また、「奥の手」は必ずしもずるい手段を指すわけではなく、知識や経験、人脈、秘策など、状況を打開するための決定的な方法を広く指すと覚えておきましょう。その他にも、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、戦略性や計画性を感じさせる表現として用いられます。

「奥の手」の類語・類義語としては、最後に残された手段を指す「最終手段」、特別に用意された方法を表す「秘策」などがあります。

「切り札」の意味

「切り札」とは、とっておきの最も有力な手段のことを意味しています。

「切り札」を使った分かりやすい例としては、「交渉を有利に進めるための切り札を用意していました」「苦しい展開の中で、彼女は切り札を切って形勢を逆転させました」「この企画の成功は、その切り札が機能するかどうかにかかっています」などがあります。

「切り札」は、ここぞという重要な局面で使われ、状況を一気に有利に変える決定的な手段や要素を意味する名詞です。

「切り札」は、トランプゲームで最も強い札に由来する言葉で、勝敗を左右する即効性と決定力を強く感じさせる点が特徴です。そのため、戦略や計画の中でも特に影響力の大きい要素を指して用いられます。

また、「切り札」は必ずしも最後まで温存されるとは限らず、勝負どころで一気に流れを変えるために使われることもあります。

「切り札」はビジネスや交渉、スポーツ、日常会話など幅広い場面で用いられ、勝負強さや決断力を印象づける表現であると覚えておきましょう。

「切り札」の類語・類義語としては、状況を打開するための決定策を意味する「決め手」、特別に用意された策を指す「秘策」などがあります。

「奥の手」の例文

1.交渉が難航した場合に備えて、最終段階で使う奥の手を温存しています。
2.時間が限られていたため、上司は会議の最後に奥の手を出しました。
3.彼は普段は穏やかですが、いざという時の奥の手を必ず持っています。
4.予算不足が判明したため、経営陣は奥の手として外部支援を検討しました。
5.この方法は失敗できないため、奥の手として慎重に扱う必要があります。

この言葉がよく使われる場面としては、容易に人に知らせないとっておきの策のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「奥の手」は最後まで隠しておく秘策を指す時に使う言葉です。

「切り札」の例文

1.新技術の導入が、競争に勝つための最大の切り札になると考えています。
2.彼女の豊富な経験が、このプロジェクトを成功させる切り札です。
3.価格改定は慎重ですが、業績回復の切り札として期待されています。
4.信頼関係を築くことが、長期的な交渉における重要な切り札になります。
5.この企画では独自性の高い発想が、他社との差別化の切り札です。

この言葉がよく使われる場面としては、とっておきの最も有力な手段のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「切り札」は勝負を決める決定的な手段を指す時に使う言葉です。

「奥の手」と「切り札」はどちらも困難な状況を打開するための手段のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、最後まで隠しておく秘策を指すのが「奥の手」、勝負を決める決定的な手段を指すのが「切り札」と覚えておきましょう。

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