【かれこれ】と【あれこれ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「かれこれ」と「あれこれ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「かれこれ」と「あれこれ」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「かれこれ」と「あれこれ」の違い

「かれこれ」と「あれこれ」の意味の違い

「かれこれ」と「あれこれ」の違いを分かりやすく言うと、「かれこれ」とはだいたいそれに近いこと、「あれこれ」とはいろいろな物や事柄を指すことという違いです。

「かれこれ」と「あれこれ」の使い方の違い

一つ目の「かれこれ」を使った分かりやすい例としては、「かれこれ言わずに言うことを聞いてください」「かれこれするうちに事態は一変してしまいました」「かれこれ出会ってから半年か」「ここにきてかれこれ何年目だろうか」「かれこれもう5時です」などがあります。

二つ目の「あれこれ」を使った分かりやすい例としては、「他人のことをあれこれ詮索するべきではないだろう」「私のやり方にあれこれ言うのはやめていただけませんか」「彼はあれこれと家事の手伝いをしました」「彼は親切にあれこれ忠告してくれました」などがあります。

「かれこれ」と「あれこれ」の使い分け方

「かれこれ」と「あれこれ」は似た日本語ですが、意味は異なっているので間違えないように注意が必要です。

「かれこれ」はだいたいそれに近いことや一つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすることを意味しており、「かれこれ付き合って1年だ」「かれこれしているうちに1日終わってしまった」などのような言い回しで使います。

一方、「あれこれ」はいろいろな物や事柄を指すことや様々なことを意味しており、「あれこれと考えを合わせる」「新人にあれこれ言うのはよくありません」などのような言い回しで使います。

したがって、「かれこれ」と「あれこれ」は似た意味で使う場合もありますが、基本的には意味が異なっている言葉と覚えておきましょう。

「かれこれ」と「あれこれ」の英語表記の違い

「かれこれ」を英語にすると「one thing and another」「nearly」となり、例えば上記の「かれこれもう5時です」を英語にすると「It’s nearly five o’clock」となります。

一方、「あれこれ」を英語にすると「this and that」となり、例えば上記の「彼は親切にあれこれ忠告してくれました」を英語にすると「he gave kindly advice about this and that」となります。

「かれこれ」の意味

「かれこれ」とは

「かれこれ」とは、だいたいそれに近いことを意味しています。その他にも、一つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすることの意味も持っています。

「かれこれ」の漢字表記

「かれこれ」を漢字にすると「彼此」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「かれこれ」を使うようにしましょう。

「かれこれ」の使い方

「ここに住んでからかれこれ半年になります」「かれこれ5キロ余り歩きました」などの文中で使われている「かれこれ」は、「だいたいそれに近いこと」の意味で使われています。

一方、「かれこれうるさく言うのは辞めよう」「かれこれしているうちに暗くなってしまいました」などの文中で使われている「かれこれ」は、「一つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすること」の意味で使われています。

「かれこれ」はだいたいそれに近いことと、つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすることの二つの意味を持つ副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

「かれこれ」の特徴

「かれこれ」はもっと多くみたりもっと少なくみたりしながら、範囲を縮めておよそに近づけた言い方です。そのため、近いイメージとしてはざっとや凡そであると覚えておきましょう。

「かれこれ」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「かれこれ」の類語

「かれこれ」の類語・類義語としては、細部を問題にせずにおおまかに物事を行うことを意味する「ざっと」、 大まかに言うことを意味する「凡そ」などがあります。

「あれこれ」の意味

「あれこれ」とは

「あれこれ」とは、いろいろな物や事柄を指すことを意味しています。

「あれこれ」の漢字表記

「あれこれ」を漢字にすると、「彼是」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「あれこれ」を使うようにしましょう。

表現方法は「日々のあれこれ」

「日々のあれこれ」は「あれこれ」を使った一般的な言い回しになります。

「あれこれ」の使い方

「あれこれを考え合わせる」「あれこれ迷った結果転職することにしました」などの文中で使われている「あれこれ」は、「いろいろな物や事柄を指すこと」の意味で使われています。

一方、「あれこれと思い悩むことが増えました」「私にあれこれ言うのはやめてください」などの文中で使われている「あれこれ」は、「様々なこと」の意味で使われています。

「あれこれ」はいろいろな物や事柄を指すことと、様々なことの意味を持つ言葉です。いろいろな物や事柄を指すことの意味は指示代名詞として使い、様々なことの意味は副詞として使うと覚えておきましょう。

「あれこれ」の特徴

「あれこれ」は指示している一つ一つのものに注意が向いている様子を表わす場合によく使うというのが特徴です。

また、「あれこれ」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができます。

「あれこれ」の類語

「あれこれ」の類語・類義語としては、何やかんやのことを意味する「そうこう」があります。

「かれこれ」の例文

1.私は子供の時からこの家に住んでいるので、かれこれ40年くらいだろうか。
2.かれこれ1時間半は歩いたので、今日の運動はこれで終わりでいいだろう。
3.結婚してからかれこれ50年経ったので、とても長い間一緒にいます。
4.人にかれこれ言われるのが嫌なので、職場では趣味の話はしないようにしています。
5.私たちがかれこれしているうちに、情勢は一変していました。

この言葉がよく使われる場面としては、だいたいそれに近いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、一つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3はだいたいそれに近いこと、例文4と例文5は一つに限らずいくつものことに及んだりかかわったりすることの意味で使っています。

「あれこれ」の例文

1.あれこれ考え合わせると、パソコンは今買うべきではないと思います。
2.あれこれ迷った挙句、方針にそぐわないのでこのチームを脱退することにしました。
3.あれこれ試行錯誤することによって、後に良い作品が完成するのだろう。
4.彼女は楽しかった過去の出来事を、あれこれと思い出していました。
5.彼はいつもあれこれと文句をつけるので、一緒に作業したくありません。

この言葉がよく使われる場面としては、いろいろな物や事柄を指すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、様々なことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3はいろいろな物や事柄を指すこと、例文4と例文5は様々なことの意味で使っています。

「かれこれ」と「あれこれ」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、だいたいそれに近いことを表現したい時は「かれこれ」を、いろいろな物や事柄を指すことを表現したい時は「あれこれ」を使うと覚えておきましょう。

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