【悩む】と【迷う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「悩む」(読み方:なやむ)と「迷う」(読み方:まよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「悩む」と「迷う」という言葉は、どちらも決断がつかないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「悩む」と「迷う」の違い

「悩む」と「迷う」の意味の違い

「悩む」と「迷う」の違いを分かりやすく言うと、「悩む」は課題が分からない場合に使う、「迷う」は課題が分かっている場合に使うという違いです。

「悩む」と「迷う」の使い方の違い

一つ目の「悩む」を使った分かりやすい例としては、「隣人の騒音に悩む日々を送っています」「彼女は慢性的な頭痛に悩む」「中々進路が決まらなくて悩む」「このまま寝ずに仕事に行くか悩む」「彼女は事業に失敗したことに悩む」などがあります。

二つ目の「迷う」を使った分かりやすい例としては、「体調が悪いので仕事に行くべきか迷う」「知らない土地で道に迷う」「希望と不安の間を迷っている」「彼に本当のことを話すべきか迷う」「彼女は決断に迷う」などがあります。

「悩む」と「迷う」の使い分け方

「悩む」と「迷う」はどちらも決断がつかないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「悩む」は決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めることを意味しており、課題も分かっておらず自分の中にそもそも答えがない状態の場合に使います。

一方、「迷う」はどうしたらよいか決断がつかないことを意味しており、課題が分かっている上で答えがどこかにあると自覚している状態の場合に使います。

つまり、課題が分からない場合に使うのが「悩む」、課題が分かっている場合に使うのが「迷う」と覚えておきましょう。

「悩む」と「迷う」の英語表記の違い

「悩む」を英語にすると「be worried」「be distressed」「be troubled」「suffer from」となり、例えば上記の「彼女は事業に失敗したことに悩む」を英語にすると「She is terribly distressed by the failure of her business」となります。

一方、「迷う」を英語にすると「get lost」「stray」「be at a loss」「be irresolute」となり、例えば上記の「彼女は決断に迷う」を英語にすると「she is irresolute」となります。

「悩む」の意味

「悩む」とは

「悩む」とは、対応や処理がむずかしくて苦しむことを意味しています。

その他にも、決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、からだの痛みなどに苦しむこと、その動作が思うようにはかどらないことの意味も持っています。

「悩む」の使い方

「給料が少なくて転職するか悩む」「進学か就職するかで悩む」などの文中で使われている「悩む」は、「対応や処理がむずかしくて苦しむことや決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること」の意味で使われています。

一方、「花粉症に悩む日々が続いてる」「ここ数か月売り上げが伸び悩む」などの文中で使われている「悩む」は、「からだの痛みなどに苦しむことやその動作が思うようにはかどらないこと」の意味で使われています。

「悩む」は様々なを意味を持つ動詞ですが、どの意味でも使われています。また、そのことに心がとらわれて思い苦しむというニュアンスが強いと覚えておきましょう。

「悩む」の特徴

「悩む」は「友人関係で悩む」のような精神的なものだけではなく、「体調不良に悩む」のような肉体的に苦しむ場合にも使うことができます。

そのため、「悩む」はマイナスなイメージを伴っていることが多いというのが特徴です。

「悩む」の類語

「悩む」の類語・類義語としては、気にかかって不安に思うことを意味する「懸念する」、物事の先行きなどを気にして心を悩ますことを意味する「心配する」、一つのことに集中して深く考えることを意味する「考え込む」などがあります。

「迷う」の意味

「迷う」とは

「迷う」とは、どうしたらよいか決断がつかないことを意味しています。その他にも、まぎれて進むべき道や方向がわからなくなること、心が乱れてよくない方向へ行くことなどの意味も持っています。

「迷う」の別表記

「迷う」の別の漢字表記として、「紕う」がありますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、「迷う」の方を使うようにしましょう。

表現方法は「判断に迷う」「迷う心理」

「判断に迷う」「迷う心理」などが、「迷う」を使った一般的な言い回しになります。

「迷う」の使い方

「進学するか就職するかで迷う」「どちらを選択するか迷う」などの文中で使われている「迷う」は、「どうしたらよいか決断がつかないこと」の意味で使われています。

一方、「山中で道に迷う」「色香に迷うことがあります」などの文中で使われている「迷う」は、「まぎれて進むべき道や方向がわからなくなることや心が乱れてよくない方向へ行くこと」の意味で使われています。

「迷う」は複数の意味を持つ動詞です。また、上記以外にも死者の霊が成仏できないでいるという意味も持っており、「迷わず成仏してください」のように、限定的な場面で使うことがあります。

「迷う」の特徴

「迷う」は課題が分かっている上で答えがどこかにあると自覚している状態の場合に使うというのが特徴です。また、良いものか悪いものかの判断がつかなかったりする場合にも使うことができます。

「迷う」の類語

「迷う」の類語・類義語としては、どうしたらよいか判断に苦しむことを意味する「惑う」があります。

「悩む」の例文

1.以前よりも騒音に悩むことが増えたので、市区町村公害苦情相談窓口に行くことにしました。
2.年々社会保険料が増加しており、手取りが少ないことに悩む人が増えています。
3.恋に悩む少年が主人公の映画を見ていて、甘酸っぱい気持ちになりました。
4.腰痛に悩むことが増えたので、一度大きな病院で検査をすることにしました。
5.彼は期待のルーキーとして入団したが伸び悩むことが多く、中々レギュラーの座を掴むことができません。

この言葉がよく使われる場面としては、対応や処理がむずかしくて苦しむことを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、からだの痛みなどに苦しむこと、その動作が思うようにはかどらないことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は対応や処理がむずかしくて苦しむこと、例文3は決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして心を痛めること、例文4はからだの痛みなどに苦しむこと、例文5はその動作が思うようにはかどらないことの意味で使っています。

「迷う」の例文

1.会社をリストラされたことを、妻にどのタイミングで言うか迷っています。
2.プロ志望届を提出するか、大学へ進学するかで迷う自分がいます。
3.訪れたことのない土地だったので、運転していたら迷ってしまいました。
4.あの工場が潰れてしまうと路頭に迷う人が増えるので、何とか継続させなければいけません。
5.女性の色香に迷うことがあり、それが原因で大金を失ってしまいました。

この言葉がよく使われる場面としては、どうしたらよいか決断がつかないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、まぎれて進むべき道や方向がわからなくなること、心が乱れてよくない方向へ行くことなどを表現したい時にも使います。

例文1と例文2はどうしたらよいか決断がつかないこと、例文3と例文4はまぎれて進むべき道や方向がわからなくなること、例文5は心が乱れてよくない方向へ行くことの意味で使っています。

「悩む」と「迷う」はどちらも決断がつかないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、課題が分からない場合に使うのが「悩む」、課題が分かっている場合に使うのが「迷う」と覚えておきましょう。

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