【あふれる】と【こぼれる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「あふれる」と「こぼれる」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「あふれる」と「こぼれる」という言葉は、どちらも物がたまっている所から外へ出ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「あふれる」と「こぼれる」の違い

「あふれる」と「こぼれる」の意味の違い

「あふれる」と「こぼれる」の違いを分かりやすく言うと、「あふれる」はいっぱいになって出てくるというニュアンスで使う、「こぼれる」はすき間や端からこぼれ落ちるというニュアンスで使うという違いです。

「あふれる」と「こぼれる」の使い方の違い

一つ目の「あふれる」を使った分かりやすい例としては、「彼女の目から涙があふれる」「川があふれて街が浸水してしまいました」「人が多すぎて会場の外まであふれる」「コップからあふれるほど水を注ぎました」「風呂桶から水があふれる」などがあります。

二つ目の「こぼれる」を使った分かりやすい例としては、「ボールがグローブからこぼれる」「手から硬貨がこぼれる」「浴槽から水がこぼれる」「彼女からは色気がこぼれている」「バケツに躓いて水がこぼれる」「牛乳が食卓の上にこぼれる」などがあります。

「あふれる」と「こぼれる」の使い分け方

「あふれる」と「こぼれる」はどちらも物がたまっている所から外へ出ることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「あふれる」は水などがいっぱいになって外にこぼれることを意味しており、「大雨により川があふれる」のように、いっぱいになって出てくるというニュアンスで使います。

一方、「こぼれる」はすきまなどから漏れ落ちることを意味しており、「穴から粉がこぼれる」のように、すき間や端からこぼれ落ちるというニュアンスで使うというのが違いです。

そのため、「あふれる」と「こぼれる」は置き換えることもできますが、「大雨により川がこぼれる」「穴から粉があふれる」などのように置き換えることができない場合もあると覚えておきましょう。

「あふれる」と「こぼれる」の英語表記の違い

「あふれる」を英語にすると「overflow」「flood」「be inundated」となり、例えば上記の「風呂桶から水があふれる」を英語にすると「The water overflowed the bathtub」となります。

一方、「こぼれる」を英語にすると「spill」「overflow」となり、例えば上記の「牛乳が食卓の上にこぼれる」を英語にすると「Some milk spilled on the table」となります。

「あふれる」の意味

「あふれる」とは

「あふれる」とは、水などがいっぱいになって外にこぼれることを意味しています。その他にも、人や物が入りきらないではみだすこと、 感情、気力、才気などがいっぱいに満ちていることの意味も持っています。

「あふれる」の漢字表記

「あふれる」を漢字にすると、「溢れる」と表記することができます。

「あふれる」の使い方

「台風の影響で川があふれる」「コップからあふれるほど水を注ぎました」などの文中で使われている「あふれる」は、「水などがいっぱいになって外にこぼれること」の意味で使われています。

一方、「スタンドにはあふれるほどの観衆がいます」「これは意欲あふれる作品です」などの文中で使われている「あふれる」は、「人や物が入りきらないではみだすことや感情、気力、才気などがいっぱいに満ちていること」の意味で使われています。

「あふれる」は水などがいっぱいになって外にこぼれること、人や物が入りきらないではみだすこと、 感情、気力、才気などがいっぱいに満ちていることの複数の意味を持つ動詞です。

「あふれる」の特徴

「あふれる」は「水があふれる」のように物理的なものだけではなく、「才気があふれる」「希望にあふれる」などのような抽象的な場面でも使うことができるというのが特徴になります。

「あふれる」の類語

「あふれる」の類語・類義語としては、流れて外へ出ることを意味する「流れ出る」、水などがじわじわとしみて出ることを意味する「にじみ出る」などがあります。

「こぼれる」の意味

「こぼれる」とは

「こぼれる」とは、すきまなどから漏れ落ちることを意味しています。その他にも、音や光、匂いなどがある範囲を超えたりすきまから漏れたりして外に出ること、感情などが外に現れ出ることの意味も持っています。

「こぼれる」の漢字表記

「こぼれる」を漢字にすると、「零れる」と表記することができます。

「こぼれる」の使い方

「袋からお米がこぼれる」「グラスの水がこぼれる」などの文中で使われている「こぼれる」は、「すきまなどから漏れ落ちること」の意味で使われています。

一方、「葉の間から日差しがこぼれる」「良いことがあり笑みがこぼれる」などの文中で使われている「こぼれる」は、「音や光、匂いなどがある範囲を超えたりすきまから漏れたりして外に出ることや感情などが外に現れ出ること」の意味で使われています。

「こぼれる」はすきまなどから漏れ落ちること、音や光、匂いなどがある範囲を超えたりすきまから漏れたりして外に出ること、感情などが外に現れ出ることの複数の意味を持つ動詞です。

「こぼれる」の特徴

「こぼれる」は「コップが倒れて水がこぼれた」のように物理的な表現だけではなく、「笑みがこぼれる」のような比喩的な表現でも使うことができると覚えておきましょう。

「こぼれる」の類語

「こぼれる」の類語・類義語としては、液体、気体、光などがすきまから外へ出ることを意味する「漏れる」、その中に入れるはずのものが漏れることを意味する「落ちる」などがあります。

「あふれる」の例文

1.お風呂の水を止め忘れたせいで、浴槽からお湯があふれてしまいました。
2.氷をたくさん入れすぎてしまったので、グラスからお酒があふれてしまいました。
3.近くでイベントがあった影響で、改札の外まで人があふれていました。
4.倉庫には商品が入りきらず、箱が外にまであふれてしまいました。
5.来月から大学生になるので、夢と希望にあふれた生活が待っているでしょう。

この言葉がよく使われる場面としては、水などがいっぱいになって外にこぼれることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、人や物が入りきらないではみだすこと、 感情、気力、才気などがいっぱいに満ちていることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は水などがいっぱいになって外にこぼれること、例文3と例文4は人や物が入りきらないではみだすこと、例文5は感情、気力、才気などがいっぱいに満ちていることの意味で使っています。

「こぼれる」の例文

1.おたまからスープが少しこぼれて、テーブルが汚れてしまいました。
2.袋に入れた米が破れたところからこぼれて、床に散らばってしまいました。
3.カーテンの隙間から朝日がこぼれてきて、まぶしさで目が覚めました。
4.ドアの隙間からあたたかな光がこぼれていたので、誰かが中にいることが分かりました。
5.試合に勝利した瞬間、選手たちの喜びが一斉にこぼれ出ました。

この言葉がよく使われる場面としては、すきまなどから漏れ落ちることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、音や光、匂いなどがある範囲を超えたりすきまから漏れたりして外に出ること、感情などが外に現れ出ることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2はすきまなどから漏れ落ちること、例文3と例文4は音や光、匂いなどがある範囲を超えたりすきまから漏れたりして外に出ること、例文5は感情などが外に現れ出ることの意味で使っています。

「あふれる」と「こぼれる」はどちらも物がたまっている所から外へ出ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、いっぱいになって出てくるというニュアンスで使うのが「あふれる」、すき間や端からこぼれ落ちるというニュアンスで使うのが「こぼれる」と覚えておきましょう。

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