【見送る】と【見合わせる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「見送る」(読み方:みおくる)と「見合わせる」(読み方:みあわせる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「見送る」と「見合わせる」という言葉は、どちらも事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「見送る」と「見合わせる」の違い

「見送る」と「見合わせる」の意味の違い

「見送る」と「見合わせる」の違いを分かりやすく言うと、「見送る」とは中止するというニュアンスで使う、「見合わせる」とは一時的に中止するがいずれ実施するというニュアンスという違いです。

「見送る」と「見合わせる」の使い方の違い

一つ目の「見送る」を使った分かりやすい例としては、「ちょっとそこの角まで見送るよ」「新株の買いを見送ることにしました」「電車を1本見送ることにしました」「門の前で客を見送りました」などがあります。

二つ目の「見合わせる」を使った分かりやすい例としては、「台風の影響におり運行を見合わせております」「今回は出席を見合わせることにしました」「雨になりそうだったのでバーベキューは見合わせました」などがあります。

「見送る」と「見合わせる」の使い分け方

「見送る」と「見合わせる」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「見送る」はやろうとしていることを中止したり実施しないというニュアンスで使う言葉になります。一方、「見合わせる」はやろうとしていることを一時的に中止するが、いずれ実施するというニュアンスで使うのが違いです。

「見送る」と「見合わせる」の英語表記の違い

「見送る」を英語にすると「see」「give」「a send-off」「let go」となり、例えば上記の「門の前で客を見送りました」を英語にすると「I saw my guest off in front of the gate」となります。

一方、「見合わせる」を英語にすると「give up 」「put off」「compare」「called off」となり、例えば上記の「雨になりそうだったのでバーベキューは見合わせました」を英語にすると「It looked like rain, so we gave up our BBQ」となります。

「見送る」の意味

「見送る」とは

「見送る」とは、遠ざかる物や人をその後方で眺めることを意味しています。その他にも、出発する人をその場所まで行って送ること、人が死ぬまで世話をすること、今物事を行うのは不利と考えてそのままにしておくことの意味持っています。

表現方法は「今回は見送る」「参加を見送る」「母を見送る」

「今回は見送る」「参加を見送る」「母を見送る」「父を見送る」などが、「見送る」を使った一般的な言い回しになります。

「見送る」の使い方

「玄関先でお客さんを見送る」「空港でおばあちゃんを見送る」などの文中で使われている「見送る」は、「遠ざかる物や人をその後方で眺めることや出発する人をその場所まで行って送ること」の意味で使われています。

一方、「出棺時に故人を参列した方全員でお見送りする」「今回の計画は見送られました」などの文中で使われている「見送る」は、「人が死ぬまで世話をすることや今物事を行うのは不利と考えてそのままにしておくこと」の意味で使われています。

「見送る」は複数の意味を持つ言葉ですがどの意味でも使われています。

遠ざかる物や人をその後方で眺めることや出発する人をその場所まで行って送ることの意味は、日常生活とビジネスシーンどちらでも使われており、馴染みがある人が多いでしょう。

今物事を行うのは不利と考えてそのままにしておくことの意味は、どちらかというとビジネスシーンにおいて使われることが多く、面接などで「採用を見送らせていただきます」などはよく使われている表現です。

人が死ぬまで世話をすることや葬送することの意味は、主に葬儀などで使うとても限定的な使い方になります。

「見送る」の類語

「見送る」の類語・類義語としては、行く人や去る人に付き従ってある所まで一緒に行くことを意味する「送る」、人を行くべき所に行かせることを意味する「送り出す」、世話などをするためにそばについていることを意味する「付き添う」などがあります。

「見合わせる」の意味

「見合わせる」とは

「見合わせる」とは、互いに見ることを意味しています。その他にも、あれこれと見比べることや事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることの意味も持っています。

表現方法は「参加を見合わせる」「購入を見合わせる」「運転を見合わせる」

「参加を見合わせる」「購入を見合わせる」「運転を見合わせる」などが、「見合わせる」を使った一般的な言い回しになります。

「見合わせる」の使い方

「二人はじっと見合わせる」「顔を見合わせて笑っている」などの文中で使われている「見合わせる」は、「互いに見ること」の意味で使われています。

一方、「原簿と決算書を見合わせる」「今回は参加を見合わせることにしました」などの文中で使われている「見合わせる」は、「あれこれと見比べることや事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ること」の意味で使われています。

「見合わせる」は複数の意味を持つ言葉ですがどの意味でも使われています。この中でも特に使われているのが事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることの意味です。

「見合わせる」は中止にしたり実施しないのではなく、一時的に中止するが頃合いを見て実施するというのが特徴です。完全い中止してしまう場合は「見送る」の方を使うようにしましょう。

「見合わせる」の類語

「見合わせる」の類語・類義語としては、互いに相手を見ることを意味する「見合う」、互いに見ることを意味する「見交わす」などがあります。

「見送る」の例文

1.友人を笑顔で見送ったので、部屋の片づけをすることにしました。
2.私の父は上京する私を空港まで見送りに来てくれました。
3.祖母を最後まで見送ることができたので、もう悔いはありません。
4.大変申し訳ございませんが、今回の採用は見送らさせていただきます。
5.バイトをクビになりお金がないので、今度の北海道旅行は見送ることにしました。
6.高校生活最後の打席になると思ったので、見送り三振だけは避けようと心に決めてバッターボックスに立った。
7.劇場スタッフに、お見送りの方は、こちらでお待ちくださいと言われ、楽屋前の待機列に並んでいたところ、ほどなくメンバーが続々と出てきて、近くで手を振って見送ることができた。
8.祖父母たちはわたしたちを駅まで見送ると言ってくれたが、わざわざ行かせるのも悪いと思い断りました。
9.東京であれば電車を一本見送ったところで、すぐに次の電車がやってくるのだからそんなに慌てることはないよ。
10.いろいろディーラーをまわって車の試乗をしてみたものの、気に入ったものが見つからなかったので結局見送ることになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、遠ざかる物や人をその後方で眺めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、出発する人をその場所まで行って送ること、人が死ぬまで世話をすること、今物事を行うのは不利と考えてそのままにしておくことを表現したい時にも使います。

例文1の「見送る」は遠ざかる物や人をその後方で眺めること、例文2の「見送る」は出発する人をその場所まで行って送ること、例文3の「見送る」は人が死ぬまで世話をすること、例文4と例文5の「見送る」は今物事を行うのは不利と考えてそのままにしておくことの意味で使っています。

「見合わせる」の例文

1.お互いの社員達を見合わせて、共同プロジェクトについての話し合いを行いました。
2.二人の企画書を見合わせて、良い方を採用しようと思います。
3.明日は雪が降るという予報ですので、BBQ大会は見合わせるようにしましょう。
4.混乱を招く恐れがあるため、公表するのは当分見合わせることにしました。
5.人身事故の影響で、川崎-横浜間は一部運転を見合わせております。
6.弊社の新商品〇〇は生産が追い付かず販売を中止しておりましたが、来週から順次販売を再開いたします。なお今後の状況により再び販売を見合わせる場合がございますのでご了承ください。
7.うっかり朝寝坊して急いで駅に駆け付けたところ、電気系統のトラブルで運転を見合わせるとの通知があり命拾いしました。
8.せっかくの同窓会のお誘いだったが、仕事で都合がつかなかったので、参加を見合わせることにしました。
9.31日から元日にかけて警報級の大雪の恐れがあるので、各鉄道会社は運転を見合わせる可能性があると言及した。
10.目の前の客がいきなり手に取った食品を食べだすものだから、わたしたちはおもわず顔を見合わせてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに見ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、あれこれと見比べることや事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることを表現したい時にも使います。

例文1の「見合わせる」は互いに見ること、例文2の「見合わせる」はあれこれと見比べること、例文3から例文5の「見合わせる」は事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることの意味で使っています。

「見送る」と「見合わせる」はどちらも事情を考慮し実行するのを差し控えて様子を見ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、中止するというニュアンスで使うのが「見送る」、一時的に中止するがいずれ実施するというニュアンスで使うのが「見合わせる」と尾辺ておきましょう。

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