【投げる】と【放る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「投げる」(読み方:なげる)と「放る」(読み方:ほうる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「投げる」と「放る」という言葉は、どちらも手の力で物を遠くへ飛ばすことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「投げる」と「放る」の違い

「投げる」と「放る」の意味の違い

「投げる」と「放る」の違いを分かりやすく言うと、「投げる」は物を目標に向かって飛ばす場合に使う、「放る」は目標を定めない無造作な動作の場合に使うという違いです。

「投げる」と「放る」の使い方の違い

一つ目の「投げる」を使った分かりやすい例としては、「彼は絶望して川に身を投げる」「仕事を投げるのは良くないだろう」「彼は6回を投げて無失点で勝利投手の権利を得ました」「初めから投げてかかるようでは成功はおぼつかない」などがあります。

二つ目の「放る」を使った分かりやすい例としては、「松の木をめがけて石を勢いよく放る」「硬貨を放って行くかどうか決めました」「彼は速い球を放る選手だがストライクに入りません」「タバコを放るのは良くないと思うよ」「犬に肉片を放る」などがあります。

「投げる」と「放る」の使い分け方

「投げる」と「放る」はどちらも手の力で物を遠くへ飛ばすことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「投げる」は手にとって遠くへ飛ばすことを意味しており、「ボールを投げる」「救助のためにロープを投げる」などのように、物を目標に向かって飛ばすというニュアンスが強い場合に使います。

一方、「放る」は無造作に投げることを意味しており、「車窓から空き缶を放る」「道端にあるボールを放る」などのように、目標を定めない無造作な動作というニュアンスで使うというのが違いです。

つまり、物を目標に向かって飛ばす場合に使うのが「投げる」、目標を定めない無造作な動作の場合に使うのが「放る」と覚えておきましょう。

「投げる」と「放る」の英語表記の違い

「投げる」を英語にすると「throw」「fling」「toss」「give up」となり、例えば上記の「初めから投げてかかるようでは成功はおぼつかない」を英語にすると「There is little hope of success if you are going to give up from the outset」となります。

一方、「放る」を英語にすると「throw」「leave」となり、例えば上記の「犬に肉片を放る」を英語にすると「He threw a piece of meat to the dog」となります。

「投げる」の意味

「投げる」とは

「投げる」とは、手にとって遠くへ飛ばすことを意味しています。その他にも、 球技で対象をめがけて手元から放つこと、かかえたりつかんだりして転ばすこと、倒れるように体をほうり出すこと、諦めること、ある方面に投げることの意味も持っています。

「投げる」の使い方

「川に小石を投げる」「ピンをねらってボールを投げる」などの文中で使われている「投げる」は、「手にとって遠くへ飛ばすことや球技で対象をめがけて手元から放つこと」の意味で使われています。

一方、「世の中に絶望してビルの屋上から身を投げる」「やりかけた仕事を投げるのは良くないです」などの文中で使われている「投げる」は、「倒れるように体をほうり出すことや諦めること」の意味で使われています。

「投げる」は手にとって遠くへ飛ばすことの意味で使うのが一般的ですが、複数の意味を持つ動詞です。

「投げる」の特徴

「投げる」は「ボールを投げる」「物を投げる」などのように、力を入れて速く遠くまで飛ばすというニュアンスで物理的な動作で使うのが一般的な言葉ですが、実は抽象的な表現としても使うことができます。

「仕事をなげる」「質問を投げる」などのようなニュアンスで使う場合は、物理的なものではなく、物事、言葉や感情などのような目に見えないものに対しても使うことができるというのが特徴です。

「投げる」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。

「投げる」の類語

「投げる」の類語・類義語としては、離れた所から届くようにすることを意味する「投ずる」があります。

「放る」の意味

「放る」とは

「放る」とは、無造作に投げることを意味しています。その他にも、 途中でやめること、あきらめて放棄することの意味も持っています。

「放る」の読み方

「放る」の読み方は「ほうる」です。誤って「はなる」などと読まないようにしましょう。

「放る」の使い方

「ボールがあったので放る」「彼は新聞を放ってよこす」などの文中で使われている「放る」は、「無造作に投げること」の意味で使われています。

一方、「泣いてもどうせ演技なので放っておくことにしました」「彼は試験を放って遊びにいく」などの文中で使われている「放る」は、「途中でやめることやあきらめて放棄すること」の意味で使われています。

「放る」は無造作に投げること、途中でやめること、あきらめて放棄することの三つの意味を持つ動詞です。

「放る」の特徴

「放る」は「ゴミを放る」「荷物を放る」などのように物理的なものだけではなく、「勉強を放る」「めんどくさくなって仕事を放る」などのように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。

「放る」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。

「放る」の類語

「放る」の類語・類義語としては、はね飛ばすことを意味する「はじく」があります。

「投げる」の例文

1.子どもたちが石を拾って、川の向こう岸に向かって投げる遊びをしています。
2.彼は7回を投げて1失点だったので、先発投手の役割をきちんと果たしたと言えるだろう。
3.あまりにも眠かったのでベットに体を投げたら、いつのまにか朝になっていました。
4.何もかもどうでもよくなってしまったので、全てを投げてしまいました。
5.静かな声で質問を投げたが、誰も反応してくれませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、手にとって遠くへ飛ばすことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、 球技で対象をめがけて手元から放つこと、かかえたりつかんだりして転ばすこと、倒れるように体をほうり出すこと、諦めること、ある方面に投げることを表現したい時にも使います。

例文1は手にとって遠くへ飛ばすこと、例文2は球技で対象をめがけて手元から放つこと、例文3は倒れるように体をほうり出すこと、例文4は諦めること、例文5はある方面に投げることの意味で使っています。

「放る」の例文

1.ゴミをそのへんに放るのはやめて、しっかりとゴミ箱に捨てましょう。
2.あまりにも眠すぎたので、カバンを床に放ってそのままベッドに倒れ込みました。
3.息子が宿題を途中で放って遊びに行ってしまったので、帰ってきたら叱ることにします。
4.読みかけの小説をしばらく放ったままにしていたので、今日帰ったら続きを読もう。
5.問題を放っておくともっと大きくなるので、すぐに対処した方がいいだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、無造作に投げることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、 途中でやめること、あきらめて放棄することを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は無造作に投げること、例文3と例文4は途中でやめること、例文5はあきらめて放棄することの意味で使っています。

「投げる」と「放る」はどちらも手の力で物を遠くへ飛ばすことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物を目標に向かって飛ばす場合に使うのが「投げる」、目標を定めない無造作な動作の場合に使うのが「放る」と覚えておきましょう。

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