似た意味を持つ「多少」(読み方:たしょう)と「少々」(読み方:しょうしょう)と「若干」(読み方:じゃっかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「多少」と「少々」と「若干」という言葉は、少ないことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
多少と少々と若干の違い
多少と少々と若干の意味の違い
多少と少々と若干の違いを分かりやすく言うと、多少は程度の低さが不確かな時に使い、少々は少ないことがわかっている時に使い、若干は10くらいまでの少ない数に使うという違いです。
多少と少々と若干の期間の違い
多少という言葉を使った「多少お待たせするかもしれません」という表現であれば、そもそも待たせるか否かも定まっていないため、どのくらいの時間待たせるかはっきりと示すことが出来ないといった意味合いがあります。
少々という言葉を使った「少々お待たせするかもしれません」という表現であれば、待たせることは確定しており、その時間もほとんど定まっているといった意味合いがあります。
若干という言葉を使った「若干お待たせするかもしれません」という表現であれば、少々という言葉同様待たせることが確定しており、少しの時間待たせることを意味していますが、待たせる時間は明確になっていないという意味合いがあります。
多少と少々と若干の使い分け方
そのため、多少は、少々と若干とは違って、どちらかと言えば少ないといった曖昧さを表します。また、少々は程度がはっきりしている場合、若干ははっきりしないがそれほど多くはない場合に使います。
また、若干は文語的な表現として使われ、多少や少々にはない「若干名」のような少ない人数を表す言葉にも使われます。これらが多少、少々、若干の明確な違いです。
多少の意味
多少とは
多少とは、数量の多いことと少ないことや、多いか少ないかの程度を意味しています。その他にも、多いことやたくさんといった意味もあります。
「多少なりとも」の意味
多少を使った言葉として、「多少なりとも」があります。この言葉は、いくらかでも、少しでもという意味の慣用表現で、「多少とも」という表記もされます。
「多少たりとも」は間違い
「多少たりとも」という表現がされることもありますが、これは間違いです。「一瞬たりとも目を離すな」「一歩たりとも外に出るな」の表現において実際には一瞬もよそ見をせず、一歩も外に出ていないなど、その行為が全くなされなかったことになります。
これらの例文からわかるように、「たりとも」を使う場合に表されるのがゼロであることから、多いことと少ないこと両方の意味を持つ「多少」を「たりとも」という言葉と一緒に使うことは本来できません。
表現方法は「多少であれば」「多少の時間」「多少お時間を」
「多少であれば」「多少の時間」「多少お時間を」などが、多少を使った一般的な言い回しです。
多少の使い方
多少を使った分かりやすい例としては、「多少でも業界経験あれば採用します」「多少なりとも興味があればご連絡ください」「回答まで多少お時間を頂戴いたします」などがあります。
多少の類語
多少の類語・類義語としては、わずかな分量を意味する「少量」、いくつかに分けたうちの一部分を意味する「幾分」、数量や程度の少ない様子を意味する「いささか」、数量や時間などがほんの少ししかない様子を意味する「わずか」などがあります。
多少の多の字を使った別の言葉としては、人や物の数が多いことを意味する「多数」、非常に忙しいことを意味する「多忙」、数の多いことを意味する「許多」、色々なものが入り混じっていることを意味する「雑多」などがあります。
少々の意味
少々とは
少々とは、わずかの分量や数量を意味しています。その他にも、特に取り立てるほどでもない程度も意味します。
少々の読み方
少々は「しょうしょう」という読み方をします。少という漢字には、「すくない」「すこし」「わかい」「しばらく」「まれ」といった様々な訓読みがありますが、音読みを重ねて読みましょう。
少々の意味を持つ慣用句
少々の意味を含んだ言葉として、「希少価値」「少欲知足」があります。
一つ目の「希少価値」とは、物事の量や数などがきわめて少ないため生じる価値を意味する四字熟語です。希少価値の「希少」は「稀少」という表記をすることもあります。
二つ目の「少欲知足」(読み方:しょうよくちそく)とは、わずかな欲望で十分満ち足りていることや、少ないものでもそれ以上を望まずに満足することを意味する四字熟語です。
表現方法は「少々お待ちください」「少々時間をください」「少々の量」
「少々お待ちください」「少々時間をください」「少々の量」などが、少々を使った一般的な言い回しです。
少々の使い方
少々を使った分かりやすい例としては、「折り返しのお電話を差し上げますので、少々お待ちくださいませ」「検討しますので少々時間をください」「小さじ少々は親指と人差し指の2本でつまんだ量が目安である」などがあります。
少々の対義語
少々の対義語・反対語としては、数がきわめて多い様子や、たくさんを意味する「多々」があります。
少々の類語
少々の類語・類義語としては、価値や働きなどがその物事と等しいことを意味する「相当」、程度がごくわずかである様子やちょっとという意味を持つ「心持ち」、物事の数量や程度などがわずかである様子を意味する「ちょっと」などがあります。
少々の少の字を使った別の言葉としては、少しの金額を意味する「少額」、数が少ないことを意味する「少数」、少なくて珍しいことを意味する「希少」、ほんのわずかであることを意味する「僅少」、簡単なことを意味する「軽少」などがあります。
若干の意味
若干とは
若干とは、はっきりしないがそれほど多くはない数量を意味しています。
若干の読み方
若干は「じゃっかん」という読み方をします。「わかせん」などの読み方はしません。
また、「そこばく」「そくばく」「そこば」といった読み方もできますが、その場合は数量の多い様子や程度のはなはだしい様子、非常に、たくさんといった意味になり、「じゃっかん」とは大きく異なります。
若干の由来
若干の若は、漢文では「~のようだ」という訳を当てます。例えば「傍若無人」という四字熟語は、傍らに人無きが若しという書き下し分になり、傍に人がいないかのように周囲のことを考えず勝手に振る舞う様子を意味する四字熟語であることがわかります。
そのため、若干も同じように書き下し文にすると、干の若しとなり、「干の字のようだ」という意味になります。干という漢字は一と十に分けることができるため、一か十かはっきりしないことを表し、1から10までのどれかははっきりしないことを意味します。
ここから若干は、10までの数字を少なさを意味する言葉となります。これが若干という言葉の語源となります。
「若干二十歳」は誤字
若干を使った間違った表現として、「若干二十歳」のような年齢と共に使う表現で、本来は「弱冠二十歳」という表現をします。弱冠という言葉は、男子の20歳や年が若いことを意味します。
表現方法は「若干違う」「若干数」「若干名」
「若干違う」「若干数」「若干名」などが、若干を使った一般的な言い回しです。
若干の使い方
若干を使った分かりやすい例としては、「同じメニューでもお店によって味が若干違う」「希少部位を若干数入荷しました」「新規オープンするお店のスタッフを若干名募集いたします」などがあります。
若干の類語
若干の類語・類義語としては、ごくわずかな量を意味する「微量」、分量などがごくわずかである様子を意味する「微々」、あるとは言えない程少ないことを意味する「なけなし」などがあります。
若干の若の字を使った別の言葉としては、未熟で経験の浅いことを意味する「若輩」、重大事に当たっても落ち着いていて心や態度に少しの乱れもない様子を意味する「自若」、驚いて目を見張ることを意味する「瞠若」(読み方:どうじゃく)などがあります。
多少の例文
この言葉がよく使われる場面としては、どの程度少ないのかが不明確であることを意味する時などが挙げられます。
例文3の多少の使い方は、少ないことを意味するのではなく、多いか少ないかを意味しています。「問わず」や「関わらず」といった言葉が後ろに来た場合は、少ないという意味ではない可能性があります。
少々の例文
この言葉がよく使われる場面としては、少ないということもその少なさも明確であることを意味する時などが挙げられます。
例文3のように調味料に対する少々の場合は、二本か三本の指でつまんだ量を意味し、「ひとつまみ」という表現もあります。
若干の例文
この言葉がよく使われる場面としては、1から10までの少なさを意味する時などが挙げられます。
例文2の「若干名」とは、二人以上ではあるが多くとも十人を意味する言葉です。物に対しては「若干数」という言葉を使って同じ意味を表します。
多少と少々と若干どれを使うか迷った場合は、少ないか否かが不明な場合には「多少」を、少ないこともどの程度かも明確である場合には「少々」を、1から10までの少なさではあるが明確ではない場合には「若干」を使うと覚えておけば間違いありません。