【義援金】と【支援金】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「義援金」(読み方:ぎえんきん)と「支援金」(読み方:しえんきん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「義援金」と「支援金」という言葉は、どちらも「被災地への寄付金」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




義援金と支援金の違い

義援金と支援金の意味の違い

義援金と支援金の違いを分かりやすく言うと、義援金とは被災者に直接届けられる寄付金、支援金とは被災地で活動する団体への寄付金という違いです。

義援金と支援金の使い方の違い

一つ目の義援金を使った分かりやすい例としては、「職員が訪問して義援金を募ることはありません」「義援金の勘定科目を確認する」「大船渡市地区で募集している義援金についてお知らせです」などがあります。

二つ目の支援金を使った分かりやすい例としては、「2025年度から就学支援金が各学校に交付されます」「コロナ休業支援金詐取の疑いで男女計3人を逮捕した」「支援金を受け取っても確定申告の必要はありません」などがあります。

義援金と支援金の使い分け方

義援金と支援金という言葉は、どちらも災害があった後の復興支援に役立てる寄付金を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

義援金とは、被災者一人ひとりに公平に分配される寄付金です。非営利組織や自治体などを通して、被災者に均等に配分されます。義援金は復興事業に使われることはなく、使用用途は生活再建など被災者個人の判断に任されています。

支援金とは、被災地で活動しているNPO法人やボランティア団体に対して送る寄付金です。自分が応援したい団体に寄付をすることで、その復興作業に役立てられます。支援金の使い道は各団体が判断し、その収支を公表する責任があります。

つまり、義援金とは直接的に被災者に届けられるお金であり、支援金とは被災地で活動する団体に送るお金です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

義援金と支援金の英語表記の違い

義援金を英語にすると「contribution」「donation」となり、例えば上記の「義援金を募る」を英語にすると「collect contributions」となります。

一方、支援金を英語にすると「funding」「support fund」「」となり、例えば上記の「支援金が交付される」を英語にすると「funding is provided」となります。

義援金の意味

義援金とは

義援金とは、義捐のために寄付する金銭を意味しています。

その他にも、「災害などの被害を受けた人の生活を支えるために、日本赤十字社や中央共同募金会などの団体に寄せられる寄付金」の意味も持っています。

義援金の使い方

「台湾から200億円を超える義援金が寄せられた」「被災した石川県に対し義援金2千万円を贈った」「イベント会場で義援金募金を実施いたします」などの文中で使われている義援金は、「義捐のために寄付する金銭」の意味で使われています。

一方、「被災者の方が受け取った義援金は非課税です」「義援金を支払ったので寄付金控除のやり方を教えてもらいました」などの文中で使われている義援金は、「災害などの被害を受けた人の生活を支えるために団体に寄せられる寄付金」の意味で使われています。

義援金の漢字表記

義援金は、本来「義捐金」と書きますが、一般的には「義援金」と表記されています。「援」は「捐」の当て字です。

義援金の「義援」は、もともと「義捐」と書き、慈善や被災者救済などの趣旨で金銭や品物を差し出すことを意味します。義援金の多くは非営利組織や自治体などが窓口となり、そこから被災された方一人ひとりに分配されます。

表現方法は「災害義援金」

義援金を用いた日本語には「災害義援金」があります。災害義援金とは、地震などの天災や戦争あるいは伝染病などによって被災した人々に対する支援を目的として、直接的に渡される寄付金のことです。「災害義捐金」とも記述されます。

義援金の対義語

義援金の対義語・反対語としては、寄付金などをつのって集めることを意味する「募金」などがあります。

義援金の類語

義援金の類語・類義語としては、義捐のために出す金銭を意味する「義金」、ある目的に役立ててもらうように金銭を献上することを意味する「献金」、寺社や慈善事業などに寄付する金銭を意味する「浄財」などがあります。

支援金の意味

支援金とは

支援金とは、大規模な災害が発生した際に、被災地で活動するNPO法人やボランティア団体などに対して送られる寄付金を意味しています。

支援金の使い方

支援金を使った分かりやすい例としては、「支援金の勘定科目を会計士に確認してください」「個人事業主を対象に支援金を交付しています」「消費活動を伴わない支援金は消費税の対象外です」などがあります。

その他にも、「担任の先生から高等学校等就学支援金の説明を聞きました」「あなたは生活困窮者自立支援金を受け取る資格がありません」「支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める」などがあります。

支援金の「支援」は力を貸して助けること、活動を容易にするために支え助けることです。支援金とは、被災地で活動するNPO法人やボランティア団体などに送るものであり、現地で活動する人の支えとなるお金です。

表現方法は「就学支援金」

支援金を用いた日本語には「就学支援金」があります。就学支援金とは、高等学校の授業料の全部または一部に相当する額を国が負担する制度です。支援金は学校に直接支払われ、学校はそれを生徒の授業料にあてます。

支援金の対義語

支援金の対義語・反対語としては、社会的活動のため大衆に呼びかけて行う募金活動を意味する「カンパ」などがあります。

支援金の類語

支援金の類語・類義語としては、公共事業や社寺などに金品を贈ることを意味する「寄付」、困っている人に力を貸すことを意味する「援助」などがあります。

義援金の例文

1.困った時はお互いさまなので、台風被害地域へ義援金を贈ることにしました。
2.能登半島地震の義援金は、初日の一日で1億円を超える額が集まりました。
3.初めて災害義援金を送ろうと思いますが、受付先はどこがいいのでしょうか。
4.募金詐欺や義援金詐欺といった善意につけ込む詐欺が横行しています。
5.災害支援を謳い文句に義援金を振り込ませようとする特殊詐欺にご注意ください。

この言葉がよく使われる場面としては、被災者や災害被害者を支援するために寄付される金銭を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「義援金詐欺」とは、福祉団体や公的機関などを名のって義援金をだまし取ろうとする詐欺のことです。

支援金の例文

1.子育て世帯への経済的支援を強化するために、来年度から子育て支援金の徴収がはじまります。
2.認定留学生には、最大60万円を英語留学支援金として支給する制度を設けています。
3.個人の方からの支援金は特定寄付金とみなされるので、寄付金控除等の対象となります。
4.一時支援金の申請をしましたが、手続きが面倒でわかりづらいと感じました。
5.マイナンバーカードを持っていないのですが、就学支援金を申請することができますか。

この言葉がよく使われる場面としては、被災地で活動する非営利団体に送る寄付金を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「子育て支援金」は正式名称を「子ども・子育て支援金」と言い、少子化対策に必要な財源の一部を社会保険料に上乗せして徴収する制度のことです。

義援金と支援金という言葉は、どちらも「被災地を支援するための寄付金」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、被災者に直接届けられる寄付金を表現したい時は「義援金」を、被災地で活動する団体への寄付金を表現したい時は「支援金」を使うようにしましょう。

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