【ゆとり】と【余裕】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ゆとり」と「余裕」(読み方:よゆう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ゆとり」と「余裕」という言葉は、どちらも余りがあることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ゆとり」と「余裕」の違い

「ゆとり」と「余裕」の意味の違い

「ゆとり」と「余裕」の違いを分かりやすく言うと、「ゆとり」は窮屈ではないというニュアンスで使う、「余裕」は余っているというニュアンスで使うという違いです。

「ゆとり」と「余裕」の使い方の違い

一つ目の「ゆとり」を使った分かりやすい例としては、「経済的にゆとりがないので飲み会を断りました」「心にゆとりを持つことは大切です」「ゆとりを持って行動することが大切です」「列車が出るまでに十分ゆとりがあります」などがあります。

二つ目の「余裕」を使った分かりやすい例としては、「若い頃にたんまりと稼いだので生活には余裕があります」「土日だけどまだお客さんを泊める余裕はある」「ゆっくりとコーヒーを飲んでいる余裕はない」「車にうちの子供を乗せてもらう余裕はありますか」などがあります。

「ゆとり」と「余裕」の使い分け方

「ゆとり」と「余裕」はどちらも余りがあることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ゆとり」は物事に余裕があり窮屈でないことを意味しており、「この座席はゆとりがあります」とすると、窮屈でなくゆったりとしているニュアンスになります。つまり、窮屈ではないというニュアンスで使うことが多いです。

一方、「余裕」は必要以上に余りがあることを意味しており、「この座席は余裕があります」とすると、まだ売れていなくて余っているというニュアンスになります。つまり、余っているというニュアンスで使うというのが違いです。

「ゆとり」と「余裕」の英語表記の違い

「ゆとり」を英語にすると「room」「space」「time」となり、例えば上記の「列車が出るまでに十分ゆとりがあります」を英語にすると「I had plenty of time before the train left」となります。

一方、「余裕」を英語にすると「leeway」「margin」「room」「space」「time」となり、例えば上記の「車にうちの子供を乗せてもらう余裕はありますか」を英語にすると「Do you have room for my child in your car」となります。

「ゆとり」の意味

「ゆとり」とは

「ゆとり」とは、物事に余裕があり窮屈でないことを意味しています。

表現方法は「ゆとり世代」「ゆとり教育」

「ゆとり世代」「ゆとり教育」などが、「ゆとり」を使った一般的な言い回しになります

「ゆとり」の使い方

「ゆとり」を使った分かりやすい例としては、「ゆとりのある生活を送りたいです」「最近は忙しくて心にゆとりが持てません」「彼女は自分の問題に夢中で他人のことを考えるゆとりがありません」「旅行に行くゆとりがない」などがあります。

「ゆとり」は物事に余裕があり窮屈でないことを意味する言葉です。

「ゆとり」はどちらかといと余っているというニュアンスではなく、窮屈ではないというニュアンスで使います。

「ゆとり」は「時間にゆとりがある」「気持ちにゆとりがある」「この部屋はゆとりがある」などのように、時間、気持ち、空間などの様々なものに対して使うことが可能です。

「ゆとり世代」の意味

「ゆとり」を使った有名な言葉としては、「ゆとり世代」があります。「ゆとり世代」とは昭和62年(1987)以降、平成16年(2004)ごろまでに生まれてゆとり教育を受けた世代のことを指しています。

「ゆとり」の類語

「ゆとり」の類語・類義語としては、 物事をさらに行いうるゆとりのことを意味する「余地」、空間のことを意味する「スペース」、必要分を除いた残りのことを意味する「余剰」などがあります。

「余裕」の意味

「余裕」とは

「余裕」とは、必要以上に余りがあることを意味しています。その他にも、ゆったりと落ち着いていることの意味も持っています。

表現方法は「余裕を持つ」「余裕がある」

「余裕を持つ」「余裕がある」などが、「余裕」を使った一般的な言い回しになります。

「余裕」の使い方

「時間に余裕がないとイライラすることが多い」「まだ席に余裕があります」などの文中で使われている「余裕」は、「必要以上に余りがあること」の意味で使われています。

一方、「周りを見る余裕もあるのできっと大丈夫だろう」「彼は余裕のある話し方をしています」などの文中で使われている「余裕」は、「ゆったりと落ち着いていること」の意味で使われています。

「余裕」は必要以上に余りがあることやゆったりと落ち着いていることを意味する名詞です。どちらかという余っているというニュアンスで使うことが多いですが、窮屈ではないというニュアンスでも使うことができます。

「余裕」の特徴

「余裕」は時間、気持ち、空間など、物理的なものだけではなく、精神的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。

「余裕」の類語

「余裕」の類語・類義語としては、ある仕事をしてなお余っている力のことを意味する「余力」、気持ちや態度が物事に動じないで安定した状態にあることを意味する「落ち着き」、物事が落ち着いていて激しい変動のないことを意味する「安定」などがあります。

「ゆとり」の例文

1.子育てでいっぱいいっぱいなので、自分のしたいことをするゆとりはありません。
2.生活にゆとりがあると、イライラしなくて済むので穏やかに過ごすことができます。
3.交通渋滞による遅延を見越して、約1時間のゆとりを見ておくことにしました。
4.経済的にゆとりがある人は、他人のことを考えられる人が多いと思います。
5.せっかく旅行に行くなら、ゆとりのある部屋で寝泊まりしたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、物事に余裕があり窮屈でないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ゆとり」は必要なものが余っている場合に使う言葉です。

「余裕」の例文

1.毎日の生活でいっぱいいっぱいなので、新車を買う余裕はありません。
2.朝寝坊をしてしまったので、朝食を食べている余裕はありません。
3.遅刻してはいけないので、早く出発して余裕をもって空港に着きました。
4.彼女は入社試験の前日でも、余裕綽々としていました。
5.仕事を覚えるのでいっぱいいっぱいなので、他人のことを考える余裕はありません。

この言葉がよく使われる場面としては、必要以上に余りがあることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ゆったりと落ち着いていることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「余裕」は必要以上に余りがあること、例文4と例文5の「余裕」はゆったりと落ち着いていることの意味で使っています。

「ゆとり」と「余裕」はどちらも余りがあることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、窮屈ではないというニュアンスで使うことが多いのが「ゆとり」、余っているというニュアンスで使うことが多いのが「余裕」と覚えておきましょう。

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