【とおの昔】と【とうの昔】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「とおの昔」(読み方:とおのむかし)と「とうの昔」(読み方:とうのむかし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「とおの昔」と「とうの昔」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「とおの昔」と「とうの昔」の違い

「とおの昔」と「とうの昔」の違いを分かりやすく言うと、「とおの昔」とは「とうの昔」の間違った使い方、「とうの昔」とはかなりの程度の昔であることです。です。

一般的には「とおの昔」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「とうの昔」のことを間違えて「とおの昔」を使っている人がほとんどです。

正しい言葉である「とうの昔」を使った分かりやすい例としては、「その問題はとうの昔に解決されたことだ」「父はとうの昔に引退してのんびり暮らしている」「その技術はとうの昔に廃れたと聞いた」「そんな話はとうの昔に知っていた」などがあります。

「とうの昔」という言葉はあっても、「とおの昔」という言葉は存在しません。同時に「とうの昔」という単語の意味について「かなりの程度の昔であること」と覚えておきましょう。

「とうの昔」を英語にすると「long ago」「ages ago」「a long time ago」となり、例えば上記の「そんな話はとうの昔に知っていた」を英語にすると「I knew about that ages ago」となります。

「とおの昔」の意味

「とおの昔」とは、「とうの昔」の間違った使われ方です。

「とおの昔」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「とうの昔」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

ではなぜ「とおの昔」が誤りなのかというと、「とうの昔」の「とう」は「遠い」が語源ではなく、「とうに」という副詞に由来しているからです。ここで使われる「とう」は「すでに」「とっくに」という意味を表しており、「遠い」という形容詞の連用形とは別の言葉になります。

もし間違って「とおの昔」としてしまうと、「遠い昔」と同じ意味で書いているつもりでも、正しい日本語としては成り立たず誤用とされます。遠い昔のことを言いたいのであれば「とおの昔」ではなく、正しい日本語である「とうの昔」は「とうに昔」を使うと覚えておきましょう。

「とおの昔」と「とうの昔」は発音が同じなので混同しやすいですが、正しい日本語を使うために表記に気をつけることが大切です。特に文章を書くときやビジネス文書では、こうした細かい違いを正しく使えると印象が良くなります。

「とうの昔」の意味

「とうの昔」とは、かなりの程度の昔であることを意味しています。

「とうの昔」を漢字にすると、「疾うの昔」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「とうの昔」を使うようにしましょう。

「とうの昔に置いてきた」「とうの昔に捨ててきた」などが、「とうの昔」を使った一般的な言い回しになります。

「とうの昔」を使った分かりやすい例としては、「彼はとうの昔に海外へ移住してしまった」「そんな噂はとうの昔に消えたはずだ」「その店はとうの昔に閉店しているよ」「この計画はとうの昔に頓挫していたんだ」「彼女はとうの昔に結婚して子供もいるらしい」などがあります。

「とうの昔」はずっと以前のことやかなり前にすでに終わっていることを表す言葉です。簡単に言うならば、時間的にかなり前の出来事を強調して、「すでにそうだった」「とっくにそうなっていた」というニュアンスで使います。

「とうの昔」はすでに縁が切れた関係に対して「とうの昔に関係は終わっていた」と表現したり、何かをとっくに諦めていた気持ちを「とうの昔に夢を捨てた」と言ったりする場面などで使うと覚えておきましょう。

「とうの昔」は会話などの口語的な表現ではなく、文章の書き言葉としても使うことができるというのが特徴です。また、「とうの昔」は現在ではすでに過去のこととして扱われることに対して使うというのも特徴の一つになります。

「とうの昔」の類語・類義語としては、 年月が長く隔たっていることを意味する「遥か昔」などがあります。

「とおの昔」の例文

1.「とおの昔」という言葉は存在しないので、おそらく「とうの昔」の言い間違いだろう。
2.「とうの昔」という言葉はかなりの程度の昔であることで、「とおの昔」という言葉はない。
3.「とおの昔」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.このことはとおの昔に決着はついていたはずだという言葉を使う人はいるが、正しくはこのことはとうの昔に決着はついていたはずだです。
5.この町の人口はとうの昔に減少し始めていたという言葉はあるが、この町の人口はとおの昔に減少し始めていたという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「とうの昔」という言葉を間違えて「とおの昔」と表現している時などが挙げられます。

「とおの昔」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「とうの昔」を間違えて使っている可能性が高いです。

「とおの昔」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「とおの昔」ではなく、「とうの昔」と表現するのが正しい使い方になります。

「とうの昔」の例文

1.あの伝統行事はとうの昔に終わってしまい、今では誰も詳しく覚えていないのです。
2.彼との約束はとうの昔に反故になっていて、もう誰も気にしていませんでした。
3.その本はとうの昔に絶版になっており、古本屋でしか手に入りませんでした。
4.とうの昔に解決したはずの話題を、いまさら持ち出すのはやめてくださいね。
5.あの人の引退はとうの昔のことですから、今さら話題にしても意味がないですよ。

この言葉がよく使われる場面としては、かなりの程度の昔であることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「とうの昔」はとっくに過ぎ去った昔のことを指す言葉です。

「とおの昔」と「とうの昔」どちらを使うか迷った場合は、「とおの昔」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「とうの昔」を使うようにしましょう。

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