似た意味を持つ「強含み」(読み方:つよふくみ)と「弱含み」(読み方:よわぶくみ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「強含み」と「弱含み」という言葉は、どちらも相場の動きのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「強含み」と「弱含み」の違い
「強含み」と「弱含み」の意味の違い
「強含み」と「弱含み」の違いを分かりやすく言うと、「強含み」は上昇の兆しがあるときに使う、「弱含み」は下落の兆しがあるときに使うという違いです。
「強含み」と「弱含み」の使い方の違い
一つ目の「強含み」を使った分かりやすい例としては、「半導体関連株が強含みに転じました」「強含みのまま取引を終了しました」「金融株が強含みで市場を支えた」「企業決算が好感され強含みになりました」「株価は強含みに推移した」などがあります。
二つ目の「弱含み」を使った分かりやすい例としては、「市場心理が冷え弱含みになりました」「決算発表を控え弱含みです」「金市場は弱含みの地合いです」「買い材料不足で弱含みになりました」「市場は弱含みで推移しています」などがあります。
「強含み」と「弱含み」の使い分け方
「強含み」と「弱含み」はどちらも相場の動きのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「強含み」は、「今日の株式市場は強含みで推移している」のように、明確な上昇ではないものの、上昇傾向が見られる状況に対して使う言葉です。価格がゆるやかに上がっていきそうな空気感や買い意欲の強さを感じさせるときに使われます。
一方、「弱含み」は、「為替は弱含みでドル安方向に進んでいる」のように、はっきりとした下落ではないものの、下がる気配や売り圧力を感じさせる状況で使われます。下落の兆しがにじむような場面で用いられます。
つまり、上昇の兆しがあるときに使うのが「強含み」、下落の兆しがあるときに使うのが「弱含み」と覚えておきましょう。
「強含み」と「弱含み」の英語表記の違い
「強含み」を英語にすると「firm undertone」「slightly bullish」となり、例えば上記の「株価は強含みに推移した」を英語にすると「The stock prices moved with a firm undertone」となります。
一方、「弱含み」を英語にすると「soft undertone」「slightly bearish」となり、例えば上記の「市場は弱含みで推移しています」を英語にすると「The market is showing a slightly bearish tone」となります。
「強含み」の意味
「強含み」とは
「強含み」とは、相場が上がり気味の状態のことを意味しています。
「強含み」の読み方
「強含み」の読み方は「つよふくみ」です。誤って「きょうふくみ」や「つよぶくみ」などと読まないようにしましょう。
「強含み」の使い方
「強含み」を使った分かりやすい例としては、「日経平均は強含みの展開となり続伸しました」「米ドルは強含みで取引されています」「金利の上昇観測で株式市場は強含みです」「主要な銘柄が強含みの動きを見せている」「景気対策期待で市場は強含みに反応しています」などがあります。
「強含み」は、相場の動きや市場の雰囲気を表す際によく使われる言葉です。簡単に言うと、価格が明確には上昇していないものの、上昇する気配や勢いが感じられる状態を指します。
例えば、株式市場で特定の銘柄が前日比ではわずかな上昇にとどまっていても、投資家の間でこれから上がりそうだという期待感が高まっているときには「強含み」と表現されます。
「強含み」の特徴
「強含み」は日常会話ではあまり使用しませんが、経済ニュースや株式レポートなどでは頻繁に使われている言葉です。
「強含み」の類語
「強含み」の類語・類義語としては、相場が少しずつ上がる状態のことを意味する「じり高」があります。
「弱含み」の意味
「弱含み」とは
「弱含み」とは、相場が下がり気味の状態のことを意味しています。
「弱含み」の読み方
「弱含み」の読み方は「よわぶくみ」です。誤って、「よわふくみ」や「じゃくぶくみ」などと読まないようにしましょう。
「弱含み」の使い方
「弱含み」を使った分かりやすい例としては、「株価は弱含みで寄り付きました」「円相場は弱含みで推移中です」「原油価格が弱含みとなっています」「弱含みの展開で引けました」「米国株は弱含みで値を下げた」「指数は一時弱含みに転じた」などがあります。
「弱含み」は、金融や経済の分野でよく使われる専門用語のひとつで、相場や価格の動きがはっきりと下落していなくても、下落しそうな気配が感じられる状態を表す言葉です。
簡単に言うならば、現時点では大きく値下がりしていないものの、なんとなく安くなりそうだときや、売りが強まりそうだという弱さを内に含んでいる状態を指します。
例えば、景気後退への懸念や地政学的リスクの高まりといったニュースが流れたとき、市場はすぐに大きく反応せずとも、投資家の間には売っておこうかなという心理がじわじわ広がることがあります。こうした場面で、「市場は弱含みで推移している」といった表現が使われています。
「弱含み」の特徴
「弱含み」は日常会話ではあまり使用しませんが、経済ニュースや株式レポートなどでは頻繁に使われている言葉です。
「弱含み」の類語
「弱含み」の類語・類義語としては、株式などの相場がしだいに安くなっていくことを意味する「じり安」があります。
「強含み」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相場が上がり気味の状態のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「強含み」は上昇の兆しがあるときに使う言葉です。
「弱含み」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相場が下がり気味の状態のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「弱含み」は下落の兆しがあるときに使う言葉です。
「強含み」と「弱含み」はどちらも相場の動きのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、上昇の兆しがあるときに使うのが「強含み」、下落の兆しがあるときに使うのが「弱含み」と覚えておきましょう。