【駆け引き】と【腹の探り合い】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「駆け引き」(読み方:かけひき)と「腹の探り合い」(読み方:はらのさぐりあい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「駆け引き」と「腹の探り合い」という言葉は、どちらも相手の出方を見ながら慎重に行動することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「駆け引き」と「腹の探り合い」の違い

「駆け引き」と「腹の探り合い」の意味の違い

「駆け引き」と「腹の探り合い」の違いを分かりやすく言うと、「駆け引き」は戦略的に何かを仕掛けること、「腹の探り合い」は相手の内心を慎重に探ることという違いです。

「駆け引き」と「腹の探り合い」の使い方の違い

一つ目の「駆け引き」を使った分かりやすい例としては、「商談では互いに駆け引きをしてぎりぎりの条件で合意に至った」「恋愛でもある程度の駆け引きは必要かもしれない」「価格交渉はお互いの駆け引きの連続だった」などがあります。

二つ目の「腹の探り合い」を使った分かりやすい例としては、「腹の探り合いが続くとお互いに疲れてしまう」「腹の探り合いをせず率直に聞いたほうが早かったかもしれない」「会議では皆が腹の探り合いをしていて本音が出なかった」などがあります。

「駆け引き」と「腹の探り合い」の使い分け方

「駆け引き」と「腹の探り合い」はどちらも相手の出方を見ながら慎重に行動することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「駆け引き」は、「あえて値段を下げて相手の反応を見るといった営業上の駆け引きをする」のように、交渉や勝負事において有利な結果を得るために戦略的に行動することを意味します。

そのため、目的が明確で、相手に何かを「仕掛ける」ニュアンスがあり、ある種のゲーム性や計算高さを伴うことが特徴です。

一方、「腹の探り合い」は、「お互いに本音を言わず腹の探り合いをしていたため、話が進まなかった」のように、相手の考えや本心を探ろうとすることに重点が置かれた表現です。

こちらは駆け引きほど明確な目的がない場合でも使われることが多く、不信感や警戒心が背景にある状況でよく用いられます。

つまり、戦略的に何かを仕掛けることが「駆け引き」、相手の内心を慎重に探ることが「腹の探り合い」と覚えておきましょう。

「駆け引き」と「腹の探り合い」の英語表記の違い

「駆け引き」を英語にすると「bargaining」「tactics」「maneuvering」「negotiation」となり、例えば上記の「価格交渉はお互いの駆け引きの連続だった」を英語にすると「The price negotiation was a series of tactical maneuvers by both sides」となります。

一方、「腹の探り合い」を英語にすると「feeling each other out」「mind games」となり、例えば上記の「会議では皆が腹の探り合いをしていて本音が出なかった」を英語にすると「Everyone was feeling each other out during the meeting, so no one spoke frankly」となります。

「駆け引き」の意味

「駆け引き」とは

「駆け引き」とは、相手の出方や状況に応じて自分に有利になるように処置することを意味しています。

「駆け引き」の使い方

「駆け引き」を使った分かりやすい例としては、「彼は駆け引きが上手で交渉の場ではいつも優位に立つ」「駆け引きに負けてしまいこちらの希望条件は通らなかった」「駆け引きを恐れずに自分の主張はきちんと伝えるべきだ」などがあります。

「駆け引き」は、交渉や対人関係において、自分にとって有利になるように相手の反応を見ながら慎重に行動する行為を指す言葉です。そのため、相手の出方をうかがいつつ、こちらの有利を狙う心理戦と言えるでしょう。

「駆け引き」をよく使う場面としては、ビジネスの価格交渉や恋愛における距離感の探り合いなどが挙げられます。

例えば、ある商品を買う際に「他の店ではもっと安くしてくれた」と言ってみて、相手の反応を見る行為や、告白するかどうかを決めかねて、相手の態度を観察している恋愛のシーンなどがあります。

「駆け引き」の特徴

「駆け引き」を上手に行うためには、相手の性格や立場をよく理解する洞察力や、感情をコントロールする冷静さが求められます。逆に、無理に駆け引きを続けすぎると、相手に見抜かれて信頼を損なうこともあるため注意が必要です。

「駆け引き」の語源

「駆け引き」の語源は軍事用語です。「駆ける」と「引く」という言葉が組み合わさっており、敵の動きに応じて前に出たり退いたりする戦術的な動きから来ているとされます。

それが転じて、現代では人間関係や交渉の場面での心理的な押し引きという意味で使われるようになりました。

「駆け引き」の類語

「駆け引き」の類語・類義語としては、 計画的に情報を操作して相手の判断を自分に有利になるように誘導することを意味する「心理戦」があります。

「腹の探り合い」の意味

「腹の探り合い」とは

「腹の探り合い」とは、お互いに相手の真意を理解しようと探り合うことを意味しています。

「腹の探り合い」の使い方

「腹の探り合い」を使った分かりやすい例としては、「腹の探り合いをしているうちは信頼関係は築けない」「彼とは最初しばらく腹の探り合いが続いた」「腹の探り合いの末ようやく相手の意図が見えてきた」「腹の探り合いをしていたせいで誤解が生じた」などがあります。

「腹の探り合い」は相手の本音や意図を見抜こうとする心理的な駆け引きを表す言葉です。簡単に言うならば、お互いに自分の考えや立場を明かさず、相手の出方を慎重に観察しながら距離を計る状態を指します。

よく使われる場面としては、初対面の商談相手との会話や、立場が微妙な職場内での人間関係などがあります。

「腹の探り合い」の特徴

「腹の探り合い」は多くの場合、信頼関係がまだ築かれていない段階や、相手に対する警戒心が強いときに起こりがちです。

「腹の探り合い」の類語

「腹の探り合い」の類語・類義語としては、様子を見ていることを意味する「様子見」があります。

「駆け引き」の例文

1.値下げをちらつかせることで、相手の出方を見ながら駆け引きをしています。
2.営業の場面では、ちょっとした沈黙も有効な駆け引きになりますね。
3.相手の心理を読みながら会話を進めることが、駆け引きのコツなのだと思います。
4.相手の興味を引きつつ押し引きを繰り返すのが、駆け引きの基本です。
5.駆け引きの中では、言葉を慎重に選ぶことがとても重要になってきます。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の出方や状況に応じて自分に有利になるように処置することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「駆け引き」は戦略的に何かを仕掛ける時に使う言葉です。

「腹の探り合い」の例文

1.会議では皆が本音を隠しながら、腹の探り合いをしているように見えました。
2.初対面だったので、しばらくは腹の探り合いのような会話が続きました。
3.お互いに本心を明かさず、腹の探り合いの時間が無駄に長引いてしまいました。
4.腹の探り合いをやめて、本音で話し合うことが必要だと感じました。
5.腹の探り合いばかりでは前に進まないので、正直な気持ちを伝えました。

この言葉がよく使われる場面としては、お互いに相手の真意を理解しようと探り合うことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「腹の探り合い」は相手の内心を慎重に探る時に使う言葉です。

「駆け引き」と「腹の探り合い」はどちらも相手の出方を見ながら慎重に行動することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、戦略的に何かを仕掛けることが「駆け引き」、相手の内心を慎重に探ることが「腹の探り合い」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター