【旅行】と【観光】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「旅行」(読み方:りょこう)と「観光」(読み方:かんこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「旅行」と「観光」という言葉は、どちらも「出かけること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




旅行と観光の違い

旅行と観光の意味の違い

旅行と観光の違いを分かりやすく言うと、旅行とは家を離れて出かけること、観光とは出かけた先で楽しむことという違いです。

旅行と観光の使い方の違い

一つ目の旅行を使った分かりやすい例としては、「年に一度は家族で海外旅行に行っています」「旅行の行程表を確認する」「おすすめの旅行代理店はありますか」「旅行の持ち物チェックリストをダウンロードする」などがあります。

二つ目の観光を使った分かりやすい例としては、「観光案内所で観光マップをもらう」「人気の観光農園に行ってみよう」「日本には多くの観光資源があります」「観光庁が主催するイベントに参加しました」などがあります。

旅行と観光の使い分け方

旅行と観光という言葉は、どちらも日常生活圏から離れて出かけることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

旅行とは、住んでいる場所から移動して、他の場所へ一時的に行くことを意味します。その目的はさまざまで、業務遂行を目的とする「出張旅行」、社員の労をねぎらうための「慰安旅行」、傷ついた心を癒す目的の「傷心旅行」などがあります。

観光とは、他の地域や他国を訪れ、自然の風景や土地の風物などを見物してまわることを意味します。現地の景色や食べ物などに触れるという目的があり、見物やレジャーなどのニュアンスが強い言葉です。見たり体験したりして楽しむ活動であり、「観光旅行」というように旅行の目的の一つになります。

つまり、旅行とは移動することにフォーカスした言葉であり、観光とは楽しむことにフォーカスした言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

旅行と観光の英語表記の違い

旅行を英語にすると「trip」「travel」「journey」となり、例えば上記の「海外旅行」を英語にすると「foreign travel」となります。一方、観光を英語にすると「sightseeing」「tourism」となり、例えば上記の「観光案内所」を英語にすると「a tourist information center」となります。

旅行の意味

旅行とは

旅行とは、家を離れて他の土地へ行くこと、旅をすることを意味しています。

旅行の使い方

旅行を使った分かりやすい例としては、「出発間際に海外旅行保険に加入しました」「旅行業務取扱管理者の資格試験を受けます」「敬老の日に旅行券をプレゼントしました」「テンプレートを使って旅行のしおりを作る」などがあります。

その他にも、「旅行の持ち物リストを作成する」「旅行バッグは軽さ重視で選んでいます」「兄は旅行会社に勤めています」「おすすめの旅行先をいくつか教えてもらう」「外国人旅行者に英語で道を案内する」などがあります。

旅行の「旅」は訓読みで「たび」と読み、自宅を離れてよその土地へ行くことを表す漢字です。どこかへ行くことや歩いてゆくことを表す「行」と結び付き、旅行とは、視察、観光、保養などの目的でよその土地へ出かけて行くことを意味します。

表現方法は「旅行業務取扱管理者」

上記例文にある「旅行業務取扱管理者」(読み方:りょこうぎょうむとりあつかいかんりしゃ)とは、旅行業者・旅行業者代理業者の営業所における旅行取引の責任者です。旅行計画を作成し、旅行者に対して条件や料金などを提示します。資格取得には国家試験があります。

旅行の対義語

旅行の対義語・反対語としては、外出しないで自分の家にいることを意味する「在宅」などがあります。

旅行の類語

旅行の類語・類義語としては、旅をして行く道筋や旅の途中を意味する「旅路」、山野などに行って遊び楽しむことを意味する「行楽」、遠くへ出かけることを意味する「遠出」、旅行を意味する「トリップ」、旅行や旅を意味する「トラベル」などがあります。

観光の意味

観光とは

観光とは、他の国や地方の風景・史跡・風物などを見物することを意味しています。

観光の使い方

観光を使った分かりやすい例としては、「家の近所に有名な観光地があります」「日本を訪れた外国人観光客数の推移を調べる」「東京を周遊する観光バスを予約しました」「観光大使には地縁のある芸能人が選ばれています」などがあります。

その他にも、「京都には有名な観光スポットがたくさんあります」「大学を卒業したら観光庁で働きたいです」「秋の観光列車で紅葉を観ながら食事をしました」「外国人観光客に英語で話しかけられました」などがあります。

観光の「観」は訓読みで「みる」と読み、対象を眺めて見ることや見物することを表します。景色を表す「光」と組み合わさり、観光とは、日常の生活では見ることのできない風景や風物などを見て回ることを意味します。

表現方法は「観光庁」

観光を用いた日本語には「観光庁」があります。観光庁とは、日本の行政機関の一つであり、国土交通省の外局です。 2008年に、観光立国実現に向けた施策を強力に推進するため発足しました。国内外への情報発信や地域支援、観光関連産業の活性化などに取り組んでいます。

観光の類語

観光の類語・類義語としては、見物して回ることを意味する「遊覧」、景勝の地を訪ねて風景を楽しむことを意味する「探勝」、見物して遊び歩くことを意味する「物見遊山」、周遊や観光旅行を意味する「ツアー」などがあります。

旅行の例文

1.円安の影響を受けて、近年は新婚旅行に国内を選ぶカップルが増えています。
2.カップルにおすすめの旅行先は、海辺のリゾートか人気のテーマパークです。
3.人気の海外旅行ランキングから、手ごろな値段のパックツアーを選びました。
4.海外旅行で困らないように、テキストを買って英語の勉強をしています。
5.年末年始は家族で温泉旅行に行くので、おせち料理は作らない予定です。

この言葉がよく使われる場面としては、旅に出ること、よその土地へ出かけて行くことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「新婚旅行」とは、結婚したばかりの新婚夫婦二人で赴く旅行を意味し、「ハネムーン」とも言います。

観光の例文

1.日本の観光地ランキングに、自分の地元がランクインしていることを誇りに思います。
2.得意の英語を活かして、外国人旅行者向けの観光ボランティアをしています。
3.関東で知られている観光地はどこも混んでいるので、穴場スポットに行きたいです。
4.鉄道会社に勤めている友人に、おすすめの観光列車を教えてもらいました。
5.観光モデルコースを生成AIに作ってもらったら、私の好みに合う完璧なプランだったので驚きました。

この言葉がよく使われる場面としては、他国、他郷の景色、史跡、風物などを遊覧することを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「観光列車」とは、乗ること自体を目的にした列車であり、内外装を凝らし、地域色豊かな味覚を楽しみながら旅行ができるものです。

旅行と観光という言葉は、どちらも「出かけること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、さまざまな目的の移動を表現したい時は「旅行」を、移動先で見たり体験したり楽しむ活動を表現したい時は「観光」を使うようにしましょう。

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