似た意味を持つ「あぶく銭」(読み方:あぶくぜに)と「丸もうけ」(読み方:まるもうけ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「あぶく銭」と「丸もうけ」という言葉は、どちらも儲けることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「あぶく銭」と「丸もうけ」の違い
「あぶく銭」と「丸もうけ」の意味の違い
「あぶく銭」と「丸もうけ」の違いを分かりやすく言うと、「あぶく銭」とは苦労せずに手に入れたお金のこと、「丸もうけ」とは元手はかかっていないが何かしらの売買をして手に入れたお金のことという違いです。
「あぶく銭」と「丸もうけ」の使い方の違い
一つ目の「あぶく銭」を使った分かりやすい例としては、「あぶく銭が手に入ったので欲しいゲームソフトを買うことにしました」「あぶく銭を掴んだので今日は焼き肉へ行こう」「彼女はたくさんのあぶく銭を手に入れました」などがあります。
二つ目の「丸もうけ」を使った分かりやすい例としては、「彼は一晩で30万円も丸もうけしたらしい」「ペンダントが高値で売れたけどもらい物だったので丸もうけです」「彼女はその取引で10万円丸もうけしました」などがあります。
「あぶく銭」と「丸もうけ」の使い分け方
「あぶく銭」と「丸もうけ」はどちらも儲けることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「あぶく銭」はギャンブルで大金を手にしたり人からお金をもらったりなど、何も苦労せずにお金を手に入れた場合に使う言葉です。
一方、「丸もうけ」は元手がほとんどかかっていないだけで、何かしらの売買などの商売をして利益を手入れ、収入が全て自分のものになる場合に使うというのが違いになります。
したがって、微妙にニュアンスが異なっている言葉なので、間違えないように注意しましょう。
「あぶく銭」と「丸もうけ」の英語表記の違い
「あぶく銭」を英語にすると「easy money」となり、例えば上記の「彼女はたくさんのあぶく銭を手に入れました」を英語にすると「She made a lot of easy money」となります。
一方、「丸もうけ」を英語にすると「clear profit」となり、例えば上記の「彼女はその取引で10万円丸もうけしました」を英語にすると「She made a cleanup of one hundred thousand yen on the deal」となります。
「あぶく銭」の意味
「あぶく銭」とは
「あぶく銭」とは、苦労しなかったり不当に得たお金のことを意味しています。
「あぶく銭」の漢字表記
「あぶく銭」を漢字にすると、「泡銭」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「あぶく銭」を使うようにしましょう。
表現方法は「あぶく銭を稼ぐ」「あぶく銭をつかむ」「あぶく銭が入った」
「あぶく銭を稼ぐ」「あぶく銭をつかむ」「あぶく銭が入った」などが、「あぶく銭」を使った一般的な言い回しです。
「あぶく銭」の使い方
「あぶく銭」を使った分かりやすい例としては、「あぶく銭を掴んだの今日はお寿司にしよう」「競馬をしてあぶく銭を手に入れました」「どうせあぶく銭なのでぱーっと使ってしまおう」「あぶく銭が入ったので飲みに行くことにしました」などがあります。
「あぶく銭」は苦労しなかったり不当に得たお金のこと、つまり、ギャンブルや宝くじ、人からもらったりなど正当な労働をせず手に入れたお金に対して使う言葉です。
また、苦労せずに簡単に手に入れたお金なのですぐに使ってしまい泡のように消えてしまうことから、「あぶく銭」と言われるようになりました。
「あぶく銭」と言われて一番思いつくのはパチンコ、スロット、競馬、宝くじなどのギャンブルで勝って手に入れたお金でしょう。ただし、ギャンブルで手に入れたとして「あぶく銭」と言わない場合があります。
それは、ギャンブルを勝つために色々研究し、努力して儲けた場合です。「あぶく銭」はあくまでも、苦労せず手に入れたお金のことを指しています。そのため、研究や努力などの苦労した場合には使えないと覚えておきましょう。
また、給付金や還付金も苦労せず手に入れるお金ですが、これはもらう背景には理由があるため、「あぶく銭」ではありません。どちかというと臨時収入と言えるでしょう。
「あぶく銭は身に付かない」の意味
「あぶく銭」を使った有名な言葉として、「あぶく銭は身に付かない」という言葉があります。「あぶく銭は身に付かない」とは、苦労せず儲けたお金は、どんどん使ってしまって結局貯めることができないということを意味しています。
「あぶく銭」の類語
「あぶく銭」の類語・類義語としては、悪いことをして手に入れた金のことを意味する「悪銭」、思いがけない好運を得ることを意味する「棚ぼた」などがあります。
「丸もうけ」の意味
「丸もうけ」とは
「丸もうけ」とは、元手がかからず収入のすべてが自分の儲けになることを意味しています。
「丸もうけ」の漢字表記
「丸もうけ」を漢字にすると「丸儲け」と表記することができます。
表現方法は「生きているだけえ丸もうけ」「坊主丸もうけ」
「生きているだけえ丸もうけ」「坊主丸もうけ」などが、「丸もうけ」を使った一般的に言い回しになります。
「丸もうけ」の使い方
「丸もうけ」を使った分かりやすい例としては、「生きているだけで丸もうけという有名な言葉があるらしい」「彼は20万円も丸もうけしたと聞いた」「パソコンが高値で売れたけどもらい物だったので丸もうけです」などがあります。
「丸もうけ」とは全てや全部のことを意味する「丸」に、得をすることを意味する「もうけ」が合わさり、元手がかからず収入のすべてが自分の儲けになることを意味する名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。
「丸もうけ」は元手がほとんどかかっていないだけで、何かしらの売買などの商売をして利益を手入れ、収入が全て自分のものになる場合に使うのが特徴です。
そのため、人からもらったお金や、パチンコやスロットなどのギャンブルで手に入れたお金に対しては、「丸もうけ」は使わないと覚えておきましょう。
「丸もうけ」の類語
「丸もうけ」の類語・類義語としては、元手や労力の割に多大の利益を得ることを意味する「ぼろ儲け」、手段を選ばないで一度に大金を稼ぐことを意味する「荒稼ぎ」、一度にしかもたやすく大きな利益を得ることを意味する「一攫千金」などがあります。
「あぶく銭」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、苦労しなかったり不当に得たお金のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「あぶく銭」は苦労しないで手に入れたお金に対して使う言葉です。
「丸もうけ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、元手がかからず収入のすべてが自分の儲けになることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「丸もうけ」は元手がかかっていないものの、何かしらの商売をした場合に使われることが多い言葉です。
「あぶく銭」と「丸もうけ」はどちらも儲けることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、苦労せずに手に入れたお金のことを表現したい時は「あぶく銭」を、元手はかかっていないが何かしらの売買をして手に入れたお金のことを表現したい時は「丸もうけ」を使うと覚えておきましょう。