【序列】と【順序】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「序列」(読み方:じょれつ)と「順序」(読み方:じゅんじょ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「序列」と「順序」という言葉は、どちらも「並べること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




序列と順序の違い

序列と順序の違いを分かりやすく言うと、序列とは人の地位や上下関係で並べることを表し、順序とは物事を並べること全般を表すという違いです。

一つ目の序列を使った分かりやすい例としては、「アキレス腱を負傷して序列を下げることになった」「ニワトリの群れには序列があります」「日本の会社は年功序列から成果主義に移行しています」などがあります。

二つ目の順序を使った分かりやすい例としては、「回答は順序不同にすべて選んでください」「デジタル回路の一種に順序回路があります」「順序数を含む加減法について説明します」「まず予算を確保するのが順序だろう」などがあります。

序列と順序という言葉は、どちらも何かしらを順番に並べることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

序列とは、一定の規準に従って順々に並べることを意味し、特に組織やチーム内での地位や上下関係を示す際に用いられる言葉です。「年功序列」とは、社員の年齢や勤続年数を重視して、役職や賃金を決定する人事制度です。

順序とは、一定の規準による並び方を意味し、定められた規準によって並べられた前後や左右などを表します。順序は、広く物事を並べること全般に用いられる言葉であり、地位や上下関係に限った表現ではありません。

つまり、序列とは人の地位や上下関係で並べることを表現し、順序とは広く物事を並べること全般を表す言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

序列を英語にすると「ladder」「rank」となり、例えば上記の「序列を下げる」を英語にすると「reduce rank 」となります。一方、順序を英語にすると「sequence」「order」「procedure」となり、例えば上記の「順序不同に」を英語にすると「in random order」となります。

序列の意味

序列とは、順序をつけて並べること、また、順に並ぶことを意味しています。

その他にも、「一定の基準に従って並べた順序、決まった順序」の意味も持っています。

「タスクを重要度順に序列する」「序列の乱れを正してください」「組織内の責任を明らかにするために序列をつける」などの文中で使われている序列は、「順序をつけて並べること、順に並ぶこと」の意味で使われています。

一方、「序列一位の犬はオーラが違う」「英語ができると序列が高くなりますか」「大学を序列化することには反対です」などの文中で使われている序列は、「一定の基準に従って並べた順序、決まった順序」の意味で使われています。

序列とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「一定の基準に従って並べた順序、決まった順序」の意味で用いられることが多い言葉です。序列の「序」はある基準に従った並びを表し、「列」は連なることや並ぶことを表す漢字です。

序列を用いた日本語には「序列尺度」があります。序列尺度とは、「序数尺度」とも呼ばれ、測定対象において相互の距離を判定しえないものに対して,それを順位づけることによって評価を行う方法を意味します。

序列の類語・類義語としては、身分や地位などの上下の段階を意味する「階級」、順序を決めて並べることを意味する「配列」、順送りに入れ替わって事に当たることを意味する「番」、成績や地位などの順位を意味する「席次」などがあります。

順序の意味

順序とは、ある基準に従った並び方、また、その位置、順番を意味しています。

その他にも、「物事を行う手順、段取り」の意味も持っています。

「物事には順序があります」「英語のテストは解く順序が大事です」「順序尺度は名義尺度よりも情報量が多いです」などの文中で使われている順序は、「ある基準に従った並び方、その位置、順番」の意味で使われています。

一方、「作業の順序は理解しました」「出荷の順序を確認させてください」「会議の順序はお任せします」「着実に順序を踏むことで結果が得られました」などの文中で使われている順序は、「物事を行う手順、段取り」の意味で使われています。

順序とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。順序の「順」は筋道に従って進むこと、「序」は特定の基準に従った並びを表します。

順序を用いた日本語には「順序尺度」があります。順序尺度とは、嗜好の序列を示す序数のように、特定の属性上の順序を表記する数や記号の系列のことです。適当な仮説やモデルを導入して、距離尺度や比率尺度に変換して扱うことが多くあります。

順序の対義語・反対語としては、一つにまとまらないで分散しているさまを意味する「バラバラ」などがあります。

順序の類語・類義語としては、順序に従ってきめた位置や地位を意味する「順位」、目的地などに到着した順序を意味する「順位」、一定の順序や形式に従った処置を意味する「手続き」、物事の進行上の段階を意味する「ステップ」などがあります。

序列の例文

1.会社における役職と序列について、先輩社員が飲み会で教えてくれました。
2.教育熱心な親は、子どもを序列が高い大学に入れようと躍起になっています。
3.同じクラスメイトなのに、上下関係や序列が生まれてしまうことが悲しいです。
4.クラスの序列とか気にせず過ごせるのも、大学生のメリットだと思います。
5.k-popアイドルでもアニメでも、なぜか序列最下位キャラを応援したくなります。

この言葉がよく使われる場面としては、一定の規準に従って順々に並べること、決まった順序や次第を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「序列最下位」とは、ある基準に従って定められた順位において、最も下の順位であることを意味しますが、一般的にはチームのいじられキャラを指すことが多い言葉です。

順序の例文

1.私は几帳面な性格なので、何事も順序正しく始めないと落ち着きません。
2.効率的な英語学習の順序は、インプットからアウトプットの順番です。
3.数学の先生が、半順序集合という概念を分かりやすく教えてくれました。
4.プロジェクトの進め方を、レジュメを見ながら順序を踏んで説明しました。
5.彼女は順序立てて話すのが苦手なので、営業に向いていないと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、一定の規準による並び方、物事を行なう手順や仕事の段取りを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「半順序集合」とは、要素間の順序関係が一部で定義されている集合を意味します。すべての要素間で比較可能ではない順序関係があります。

序列と順序という言葉は、どちらも「並べること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、人の地位や上下関係で並べることを表現したい時は「序列」を、物事を並べることを表現したい時は「順序」を使うようにしましょう。

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