【完投】と【完封】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「完投」(読み方:かんとう)と「完封」(読み方:かんぷう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「完投」と「完封」という言葉は、どちらも「野球用語」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




完投と完封の違い

完投と完封の違いを分かりやすく言うと、完投とは一人の投手が最後まで投げ抜くこと、完封とは一人の投手が無失点で最後まで投げ抜くことという違いです。

一つ目の完投を使った分かりやすい例としては、「連続で3試合完投した選手は肩の不調を訴えています」「完投できる投手を目指してトレーニング中です」「ドラフト1位のピッチャーがプロ初完投勝利を完封で飾った」などがあります。

二つ目の完封を使った分かりやすい例としては、「プロ初登板初完封という快挙を成し遂げた」「コールドゲームであっても完封は記録されるはずです」「メジャーリーグで完封完投という偉業を果たす」などがあります。

完投と完封という言葉は、どちらも野球用語でピッチャーの功績を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

完投とは、野球の試合で、ピッチャーが最初から最後まで一人で投げ抜くことを意味します。試合中にピッチャーが交代しなかったことを表し、チームが勝っても負けても記録されます。そのため、完投はしたけれどチームは負けているというケースもあります。

完封とは、野球の試合で、一人のピッチャーが最初から最後まで投げ抜き、そのうえ、相手チームに一点も与えていないことを意味します。完投は相手チームに得点を許しても記録されますが、完封は相手チームに一点でも得点を許したら記録されません。

つまり、完投とは一人の投手が最後まで投げ抜くことであり、完封とは完投して相手チームを無失点で抑えることです。二つの言葉を比べると、完投より完封の方が、より難易度の高い記録であると言えるでしょう。

完投を英語にすると「pitching a whole game」となり、例えば上記の「3試合完投した」を英語にすると「pitched three complete games」となります。一方、完封を英語にすると「shutout」「whitewash」となり、例えば上記の「初完封」を英語にすると「first shutout」となります。

完投の意味

完投とは、野球で、一人の投手が1試合の最初から最後まで投げきることを意味しています。

完投を使った分かりやすい例としては、「4安打1失点の完投勝利を飾った」「山本投手の完投劇に日本中が沸きました」「メジャー初完投おめでとうございます」「シーズン最多の完投数記録はどれぐらいですか」などがあります。

その他にも、「無失点の完投完封で勝利した」「まさか完投負けするとは思わなかった」「完投した外国人選手に英語でインタビューする」「プロ野球で完投した際の最少投球数は何球かご存知ですか」などがあります。

完投の「完」は欠けるところや足りないところのないこと、「投」は野球などでボールを投げることを表す漢字です。完投とは、野球において、ピッチャーが試合開始から終了まで一度も交代することなく投げ抜くことを意味します。

完投を用いた日本語には「完投負け」があります。完投負けとは、先発投手が試合終了まで投げ切ったものの、チームが敗れたために敗戦投手になることを意味します。味方打線の援護が得られず、得点に恵まれない場合に起こることがあります。

完投の対義語・反対語としては、野球で投手を救援することを意味する「リリーフ」などがあります。

完投の類語・類義語としては、野球で投手が見事な投球をすることを意味する「好投」、投手が胸のすくような投球ぶりで相手打者を抑えることを意味する「快投」、野球などで勝利が決まった瞬間に勝利側の選手が手にしたボールを意味する「ウイニングボール」などがあります。

完封の意味

完封とは、完全に相手の活動を封じることを意味しています。

その他にも、「野球・ソフトボールなどで、投手が最後まで相手チームに得点を与えないこと」の意味も持っています。

「敵の攻撃を前線で完封することに成功した」「テロリストの計画を完封する作戦が実行された」「外部からの不正アクセスを完封しなければならない」などの文中で使われている完封は、「完全に相手の活動を封じること」の意味で使われています。

一方、「2025年のセリーグ投手の完封数をデータ化する」「球団ワースト記録となる完封負けを喫した」などの文中で使われている完封は、「野球などで、投手が最後まで相手チームに得点を与えないこと」の意味で使われています。

完封の読み方は「かんぷう」です。誤って「かんふう」「かんほう」などと読まないようにしましょう。

完封とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「野球などで、投手が最後まで相手チームに得点を与えないこと」の意味で使われることがほとんどです。完封の「封」は閉じ合わせること、野球で進塁させないことを表します。

完封を用いた日本語には「完封リレー」があります。完封リレーとは、複数のピッチャーによって完封することを意味します。「完封」は一人の投手が無得点で投げ切ったことを言いますが、近年は投手の分業という考え方が進み、複数の投手が交代して投げることが多くなっています。

完封を用いた誤った日本語には「完封テープ」があります。正しくは「管封テープ」であり、配管用の筒に使用する粘着テープのことです

完封の対義語・反対語としては、試合などで徹底的に負けることを意味する「完敗」などがあります。

完封の類語・類義語としては、野球などで相手を零点に抑えることを意味する「零封」、相手チームに得点を許さないことを意味する「無失点」、野球などで相手方に得点させずに勝つことを意味する「シャットアウト」などがあります。

完投の例文

1.メジャーリーグで完投勝利することは、野球に詳しくない私でも見事な功績だとわかります。
2.ポストシーズンで8年ぶりに完投した日本人選手を、同じ日本人として誇らしく思います。
3.投手の投球数制限などがあって、最近は完投する投手が少なくなりました。
4.先発完投は時代遅れだと言う人もいますが、投げ切った姿を見るとやはり感動するものです。
5.9回裏の逆転サヨナラホームランで完投負けとなった投手は、がっくりと肩を落としていました。

この言葉がよく使われる場面としては、野球で、一人の投手が一試合を始めから終わりまで投げ通すことを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「先発完投」とは、試合の最初の投手を務めるピッチャーが、一度も交代することなく試合終了まで投げ抜くことを意味します。

完封の例文

1.最後まで無失点で抑えられるかと思ったが、完封勝利とはならなかった。
2.プロ野球チーム別に、完封勝利数と完封負け数を表にしてみました。
3.若手3投手は、見事な完封リレーで相手の打線を封じ込めました。
4.野球の完全試合の必須条件は、完封ではなくノーヒットノーランです。
5.投手の分業化が進み、プロ野球におけるシーズン完封記録は更新されにくくなっています。

この言葉がよく使われる場面としては、相手の活動や行動などを完全に封じ込めること、野球で一人の投手がゲームの最後まで相手チームに得点を与えることなく投げ勝利することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、完封という言葉は、野球用語として使われることが多くなっています。

完投と完封という言葉は、どちらも「野球用語」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一人の投手が最後まで投げ抜くことを表現したい時は「完投」を、一人の投手が無失点で最後まで投げ抜くことを表現したい時は「完封」を使うようにしましょう。

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