似た意味を持つ「ギャグ」と「ダジャレ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ギャグ」と「ダジャレ」という言葉は、「他者を笑わせるような洒落」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ギャグとダジャレの違い
ギャグとダジャレの違いを分かりやすく言うと、ギャグは笑いを誘う言葉や動作を表現する時に使い、ダジャレは笑いを誘うような言葉遊びを表現する時に使うという違いです。
一つ目のギャグを使った分かりやすい例としては、「ギャグマンガは昔はゆかいマンガと呼ばれていたそうだ」「宴会で披露できるような一発ギャグは持っていない」「ギャグをかますことで場を和ませることができるだろうか」などがあります。
二つ目のダジャレを使った分かりやすい例としては、「友人はダジャレを言う機会を虎視眈々と狙っているようだった」「ハイレベルなダジャレすぎて気が付かなかったため説明してもらうことになった」「ダジャレを咄嗟に思いつくことができない」などがあります。
ギャグとダジャレはどちらも、他者を笑わせるような洒落を意味する言葉ですが、意味が若干異なります。
ギャグは、冗談や洒落を意味する言葉です。言葉だけではなく、客を笑わせるための身振りや仕草に対しても用いられており、上記例文の「一発ギャグ」「ギャグをかます」などのように使われています。
一方のダジャレは、同じもしくは似た音を持つ言葉をかける言葉遊びを指す言葉ですが、つまらない洒落も意味します。自己で発した言葉の同音異義語でダジャレを作るだけでなく、他者の発した言葉の同音異義語でダジャレを作ることもあります。
つまり、ギャグは笑いを誘う言葉だけでなく動作も指し、ダジャレは笑いを誘うような言葉遊びを指すという違いがあります。
ギャグを英語にすると「gag」「joke」となり、例えば上記の「ギャグマンガ」を英語にすると「a gag comic book」となります。
一方、ダジャレを英語にすると「pun」「play on words」となり、例えば上記の「ダジャレを言う」を英語にすると「make bad puns」となります。
ギャグの意味
ギャグとは、冗談や洒落を意味しています。
その他にも、本筋とは関係なく客を笑わせるための台詞や身振りを意味する言葉として使われています。
「面白いギャグマンガがアニメ化すると聞き、一体どの声優が出演するのか楽しみにしている」「ギャグを言えるほどの語彙のレパートリーがない」「友人はギャグを言うのが上手い」などの文中で使われているギャグは、「冗談や洒落」の意味で使われています。
一方、「子どもがテレビで見た一発ギャグを気に入っていた」「おやじギャグばかり言う上司に嫌気がさしてきた」「シリアスな雰囲気でギャグはかませない」などの文中で使われているギャグは、「客を笑わせるための台詞や身振り」の意味で使われています。
ギャグは英語で「gag」と表記され、「役者がアドリブ的に入れるジョーク」「冗談」「悪ふざけ」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、言葉だけでなく、滑稽な所作などを指す場合にも使われています。
英語の「gag」には、「さるぐつわ」「言論抑圧」といった意味もあり、擬音を発するような動作が滑稽であり、会話を中断させるような効果があることから転じて、演劇などで観客を笑わせるための即興の台詞や動作を指すようになります。
日本では、動作の有無を問わずに用いられることもあり、今日のように「洒落」「冗談」などの意味で用いられています。上記例文の「おやじギャグ」とは、中高年層の男性が使うダジャレの要素を含んだ安直なギャグを意味します。
ギャグの類語・類義語としては、笑いを誘うような話や言葉を意味する「ジョーク」、たわむれに言う言葉やばかばかしい話を意味する「戯言」などがあります。
ダジャレの意味
ダジャレとは、同じもしくは似た音を持つ言葉をかける言葉遊びを意味しています。
ダジャレを使った分かりやすい例としては、「布団がふっとんだは小さい頃から耳にする有名なダジャレだ」「電話にでんわと何となしに発した言葉がダジャレで恥ずかしかった」「アルミ缶の上にあるミカンを実際に見たことはない」などがあります。
その他にも、「天才的なダジャレを思いついたとしても意味は考えていない」「ダジャレに気付かれずスルーされると説明したくなってしまう」「友人はダジャレのセンスがあるため、知っている言葉が多いのだなと感心する」などがあります。
ダジャレは漢字で「駄洒落」と表記され、「くだらない」「つまらない」といった意味を持つ接頭語「駄」と、「同音や似た音の言葉に掛けて言う言葉」を表す「洒落」を組み合わせた言葉です。つまらない洒落を意味する場合にも使われています。
同音異義語を用いること、短く簡単に表現すること、意味をつけないことが原則として定められており、「布団がふっとんだ」「電話にでんわ」「アルミ缶の上にあるミカン」などが挙げられます。
上記例文のように自己で完結するものもあれば、「今朝猫が塀に登っていた」「へえ」といった会話における「塀」と「へえ」のように、他者に対する返事として同音や似た音の言葉を返す場合にもダジャレは成立します。
ダジャレの類語・類義語としては、世間でよく使われる成句などに発音の似通った語句を当てて作り変える言葉遊びを意味する「地口」、ふざけた内容の話を意味する「冗談」、一つの音に対して二つの意味を持たせる技法である「掛詞」などがあります。
ギャグの例文
この言葉がよく使われる場面としては、冗談や洒落を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、本筋とは関係なく客を笑わせるための台詞や身振りを意味する言葉としても使われています。
ダジャレの例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じもしくは似た音を持つ言葉をかける言葉遊びを意味する時などが挙げられます。
例文1の「ダジャレハラスメント」とは、目上の人がダジャレやギャグで笑うことを強要することを指す言葉で、「ギャグハラスメント」とも呼ばれています。
ギャグとダジャレは、どちらも「他者を笑わせるような洒落」を表します。どちらを使うか迷った場合は、笑いを誘うための言葉や動作を表す場合は「ギャグ」を、笑いを誘うような言葉遊びを表す場合は「ダジャレ」を使うと覚えておけば間違いありません。