【口裏を合わせる】と【口車に乗る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「口裏を合わせる」(読み方:くちうらをあわせる)と「口車に乗る」(読み方:くちぐるまにのる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」という言葉は、似ていますが意味は全く異なっています。




「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の違い

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の意味の違い

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の違いを分かりやすく言うと、「口裏を合わせる」は嘘や隠蔽のために他人と話の内容をそろえること、「口車に乗る」は巧みな言葉に騙されてしまうことという違いです。

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の使い方の違い

一つ目の「口裏を合わせる」を使った分かりやすい例としては、「友人と口裏を合わせて先生に同じことを言った」「二人で口裏を合わせて上司をごまかした」「彼らはあらかじめ口裏を合わせて真実を隠そうとしていた」「彼らは真実を隠すために口裏を合わせた」などがあります。

二つ目の「口車に乗る」を使った分かりやすい例としては、「彼の口車に乗って高い商品を買ってしまった」「うまいことを言われてつい口車に乗ってしまった」「営業マンの口車に乗らないように注意が必要だ」「彼の口車に乗ってしまった」などがあります。

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の使い分け方

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」は似た言葉ですが、意味は全く異なっているので注意が必要です。

「口裏を合わせる」は、あらかじめ他人と相談して、同じ内容の話をするようにすることを意味します。多くの場合、嘘やごまかしを隠すために使われ、「事件の真相を隠すために関係者が口裏を合わせた」のように、不正や隠蔽のニュアンスが含まれます。

つまり、意図的に「話の内容をそろえる」行為を指すのが「口裏を合わせる」です。

一方、「口車に乗る」は、うまい言葉や巧みな話術にだまされてしまうことを意味します。自分の意思というよりも、相手の言葉にうまく乗せられてしまう受け身の状況で使われます。例えば「彼の口車に乗って投資してしまったが、結局だまされた」などのように、騙される・惑わされるニュアンスが強い言葉です。

つまり、嘘や隠蔽のために他人と話の内容をそろえることが「口裏を合わせる」、巧みな言葉に騙されてしまうことが「口車に乗る」と覚えておきましょう。

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」の英語表記の違い

「口裏を合わせる」を英語にすると「to get one’s stories straight」「to coordinate one’s storyとなり、例えば「彼らは真実を隠すために口裏を合わせた」を英語にすると
「They got their stories straight to hide the truth」となります。

一方、「口車に乗る」を英語にすると「to be taken in by someone’s flattery」「to be sweet-talked」「to fall for someone’s talk」となり、例えば「彼の口車に乗ってしまった」を英語にすると「I was taken in by his smooth talk」となります。

「口裏を合わせる」の意味

「口裏を合わせる」とは

「口裏を合わせる」とは、あらかじめ相談して二人の話を一致させることを意味しています。

表現方法は「口裏を合わせる」「口裏を合わせた話」

「口裏を合わせる」「口裏を合わせた話」などが、「口裏を合わせる」を使った一般的な言い回しになります。

「口裏を合わせる」の使い方

「口裏を合わせる」を使った分かりやすい例としては、「二人は口裏を合わせて先生に同じ言い訳をした」「犯人たちは口裏を合わせて証言した」「友人と口裏を合わせて遅刻の理由を作った」「店員が口裏を合わせて在庫数をごまかした」などがあります。

「口裏を合わせる」は複数の人が共通の内容になるように話や証言を一致させることを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体で特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「口裏を合わせる」はマイナスのイメージを伴う

「口裏を合わせる」は、主に嘘や隠蔽、言い訳などの目的で話を一致させる行為を表す場合に使われます。そのため、一般的にはマイナスなイメージを伴うことが多いと覚えておきましょう。

ただし、日常会話では軽い冗談や小さな秘密を共有する場面でも使われることがあります。例えば「サプライズパーティーのために皆で口裏を合わせた」のように、悪意のない場合もあります。

「口裏を合わせる」の類語

「口裏を合わせる」の類語・類義語としては、話の内容を一致させることを意味する「言葉を揃える」、共犯的に内容を一致させることを意味する「証言を一致させる」、嘘や隠蔽のために調整することを意味する「打ち合わせる」などがあります。

「口車に乗る」の意味

「口車に乗る」とは

「口車に乗る」とは、巧みに言いくるめられて騙されることを意味しています。

表現方法は「口車に乗る」「口車に乗せられる」

「口車に乗る」「口車に乗せられる」などが、「口車に乗る」を使った一般的な言い回しになります。

「口車に乗る」の使い方

「口車に乗る」を使った分かりやすい例としては、「セールスマンの話に口車に乗って高い商品を買ってしまった」「友人の提案に口車に乗って余計なことをしてしまった」「口車に乗って契約書にサインしてしまった」「甘い言葉に口車に乗って借金をしてしまった」などがあります。

「口車に乗る」は、相手の巧みな話術や甘い言葉にだまされて、自分の意思を曲げてしまうことを意味する慣用句です。

「口車に乗る」はマイナスのイメージが強い

「口車に乗る」は、他人の言葉にうまく誘導されて自分の意思とは違う行動をしてしまうことを表す場合に使われます。そのため、一般的には注意や警告を伴うマイナスのイメージが強いと覚えておきましょう。

日常会話では、悪意のある誘導だけでなく、軽い冗談や無害な説得に対しても使われることがあります。例えば「子どもがねだるおもちゃに口車に乗ってつい買ってしまった」のように、軽いケースでも用いられます。

「口車に乗る」の類語

「口車に乗る」の類語・類義語としては、相手の話にだまされることを意味する「言葉に惑わされる」、巧みに誘導されることを意味する「甘言に乗せられる」、うまく言いくるめられることを意味する「術中に落ちる」などがあります。

「口裏を合わせる」の例文

1.彼らは取引の失敗を隠すために、あらかじめ口裏を合わせて上司に同じ説明をしたそうです。
2.友人同士で遅刻の理由を口裏を合わせて、先生にうまく言い訳をしていたのを思い出します。
3.店長と店員が在庫の数をごまかすために、口裏を合わせて帳簿を改ざんしていたことが判明しました。
4.兄弟が母親に叱られないように、あらかじめ口裏を合わせて言い訳を準備していたのが可笑しかったです。
5.同僚が上司にばれないようにミスの原因を隠すため、皆で口裏を合わせて話を作っていたようです。

この言葉がよく使われる場面としては、あらかじめ相談して二人の話を一致させることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「口裏を合わせる」は嘘や隠蔽のために他人と話の内容をそろえることに使う言葉です。

「口車に乗る」の例文

1.彼の口車に乗ってしまい、高額な契約をしてしまったことを今では深く後悔しています。
2.うまい話ばかりを信じて彼の口車に乗った結果、大きな損失を出してしまいました。
3.営業マンの口車に乗らないよう注意していたのに、気づけば契約書にサインしていました。
4.友人の口車に乗って軽い気持ちで始めた投資が、予想以上の借金を生む結果になりました。
5.彼女の口車に乗ってしまい、気づいたときには面倒なトラブルに巻き込まれていました。

この言葉がよく使われる場面としては、巧みに言いくるめられて騙されることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「口車に乗る」は巧みな言葉に騙されてしまうことに使う言葉です。

「口裏を合わせる」と「口車に乗る」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、嘘や隠蔽のために他人と話の内容をそろえることが「口裏を合わせる」、巧みな言葉に騙されてしまうことが「口車に乗る」と覚えておきましょう。

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