【主人公】と【主役】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「主人公」(読み方:しゅじんこう)と「主役」(読み方:しゅやく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「主人公」と「主役」という言葉は、どちらも「中心人物」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




主人公と主役の違い

主人公と主役の意味の違い

主人公と主役の違いを分かりやすく言うと、主人公とは小説や漫画の中心人物を表し、主役とは主人公の役を演じる俳優を指すという違いです。

主人公と主役の使い方の違い

一つ目の主人公を使った分かりやすい例としては、「物語の主人公の名前が思い出せない」「謎めいた主人公が登場する」「殺し屋が主人公の映画はスリル満点でした」「トランスジェンダーの女性を主人公に物語を構想する」などがあります。

二つ目の主役を使った分かりやすい例としては、「舞台の主役を務めることができるだろうか」「学芸会では必ず主役をやらされました」「結婚式の主役は新郎新婦です」「主役級の副菜レシピを集めました」などがあります。

主人公と主役の使い分け方

主人公と主役という言葉は、どちらも映画やドラマなどフィクション作品の中心人物を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

主人公とは、小説や漫画などを含めたフィクション作品のなかの中心人物を意味します。「ヒーロー」「ヒロイン」とも呼ばれ、読者が寄り添ってストーリーを追い、感情移入する対象となるキャラクターです。

主役とは、劇や映画などで主人公の役や、主人公の役を演じる人を意味します。主演となる俳優を指すことが多い言葉であり、その作品の最も重要な人物とされています。また、「結婚式の主役は新郎新婦」のような使い方で、ある事柄の主要な役割や役目の意味もあります。

つまり、主人公とはフィクション作品の中心人物であり、主役とは主人公の役を演じる俳優を指す言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

主人公と主役の英語表記の違い

主人公を英語にすると「hero」「heroine」「leading character」となり、例えば上記の「物語の主人公」を英語にすると「a heroin of a story」となります。

一方、主役を英語にすると「leading part」「title role」「star」となり、例えば上記の「主役を務める」を英語にすると「play the leading part」となります。

主人公の意味

主人公とは

主人公とは、事件や小説・劇などの中心人物を意味しています。

その他にも、「主人の敬称」の意味も持っています。

主人公の使い方

「魅力的な主人公を描きたい」「主人公じゃないキャラと闘う時は強い」「中ボス的なキャラで主人公を圧倒する」などの文中で使われている主人公は、「事件や小説・劇などの中心人物」の意味で使われています。

一方、「主人公の命令に背くことはできません」「主人公に言伝をお願いできますでしょうか」「商店の主人公が親切にしてくださいました」などの文中で使われている主人公は、「主人の敬称」の意味で使われています。

主人公とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「事件や小説・劇などの中心人物」の意味で用いられています。主人公の「主人」は他人を従属または隷属させている者を表し、「公」は人を敬って呼ぶ語です。

表現方法は「女主人公」

主人公を用いた日本語には「女主人公」があります。女主人公とは、戯曲や小説あるいは漫画などで、女の中心人物を意味します。「ヒロイン」とも呼ばれ、典型的な女主人公は良い性質を備えています。

主人公の対義語

主人公の対義語・反対語としては、演劇などで主役を助け引き立たせる演技をする役を意味する「脇役」などがあります。

主人公の類語

主人公の類語・類義語としては、劇や小説などの男の主人公を意味する「ヒーロー」、劇や小説などの女主人公を意味する「ヒロイン」、人気があって一座の代表的な俳優を意味する「花形」、スターや華やかな代表者を意味する「星」などがあります。

主役の意味

主役とは

主役とは、劇や映画などの主人公の役、また、それを演じる人を意味しています。

その他にも、「ある事柄における主要な役割や役目、また、それを務める人」の意味も持っています。

主役の使い方

「好きな俳優が主役を務める映画を観に行く」「ドラマの主役が気に食わない」「脇役を主役にして別の作品をつくる」などの文中で使われている主役は、「劇や映画などの主人公の役、それを演じる人」の意味で使われています。

一方、「新たな時代の主役は我々だ」「自分の人生の主役として生きる」「ラブタイプ診断によると私は主役体質のようだ」などの文中で使われている主役は、「ある事柄における主要な役割や役目、それを務める人」の意味で使われています。

主役とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。主役の「主」は中心となって事をすること、「役」は劇や映画で出演者の受け持ちを表す漢字です。

表現方法は「主役級」

主役を用いた日本語には「主役級」があります。主役級とは、映画や演劇の世界で、主役やそれに準ずるほど重要な人物を指す言葉です。また、比喩的用法として目立ったり存在感があったりする物事に対して、「主役級の副菜」のような使い方をします。

主役の対義語

主役の対義語・反対語としては、映画や芝居などの悪人の役を意味する「悪役」、演劇や映画などでこっけいな役をする俳優を意味する「三枚目」などがあります。

主役の類語

主役の類語・類義語としては、能や狂言の主人公の役を意味する「シテ」、技芸や風格が備わった人気役者を意味する「千両役者」、物事の中心となって重要な役割を果たす人を意味する「立役者」などがあります。

主人公の例文

1.この物語の主人公は、性格が悪いのですが憎めないタイプです。
2.恋愛マンガの主人公は、ビジュアルが良くないと読みたくなくなってしまいます。
3.私はアニメの主人公に憧れたことがきっかけで、コスプレイヤーになりました。
4.あらゆるフィクション作品における主人公の役割について、詳しく解説いたします。
5.呉服問屋の主人公は、常識にとらわれない大胆な発想で江戸の文化を牽引しました。

この言葉がよく使われる場面としては、事件または映画などの中心人物、主人を敬っていう語を表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4の主人公は、物語や映画などの中心人物の意味で用いられています。例文5にある主人公は、主人を敬っていう語の意味で使われています。

主役の例文

1.ニューヨークを舞台にした映画なので、主役には英語力が求められます。
2.元イラストレーターの俳優が、テレビドラマの主役に抜擢されました。
3.バターサンドやフィナンシェなど、バターが主役のお菓子レシピを紹介します。
4.白いTシャツは、主役としても脇役としても着回せる便利なアイテムです。
5.次世代の主役となる若者こそ、政治に目を向けるべきでしょう。

この言葉がよく使われる場面としては、映画や演劇などの主要人物の役、主要な役目、主要な役割を果たす人を表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2の主役は、映画や演劇などの主要人物の役の意味で用いられています。例文3から例文5にある主役は、主要な役目や主要な役割を果たす人を表しています。

主人公と主役という言葉は、どちらも「中心人物」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、小説や漫画の中心人物を表現したい時は「主人公」を、演劇や映画で主演俳優が演じる役柄を表現したい時は「主役」を使うようにしましょう。

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