似た意味を持つ「泣きべそをかく」(読み方:なきべそをかく)と「駄々をこねる」(読み方:だだをこねる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」という言葉は、どちらも子どもが感情的になってわがままを言うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の違い
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の意味の違い
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の違いを分かりやすく言うと、「泣きべそをかく」は感情が抑えきれず泣きそうな顔をすること、「駄々をこねる」は自分の願いを通そうとして不満を訴えることという違いです。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の使い方の違い
一つ目の「泣きべそをかく」を使った分かりやすい例としては、「おもちゃを取り上げられて泣きべそをかいた」「叱られた子どもが泣きべそをかきながら謝った」「思い通りにいかず、泣きべそをかいて部屋にこもってしまった」などがあります。
二つ目の「駄々をこねる」を使った分かりやすい例としては、「欲しいお菓子を買ってもらえずに駄々をこねた」「子どもが公園から帰りたくないと駄々をこねて困った」「思い通りにならないとすぐ駄々をこねるのは良くない癖です」などがあります。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の使い分け方
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」はどちらも子どもが感情的になってわがままを言うことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「泣きべそをかく」は、「叱られて泣きべそをかいた」のように、悲しみや悔しさで涙をこらえながら泣きそうな顔をすることを意味します。実際に大泣きしているわけではなく、「泣きそう」「涙目になっている」といった状態を表す言葉です。
一方、「駄々をこねる」は、「帰りたくないと駄々をこねる子ども」のように、自分の思い通りにならないと不満を言い続けて親を困らせることを意味します。泣きながら要求を繰り返すこともありますが、主な目的は「泣くこと」ではなく「わがままを通そうとすること」です。
つまり、感情が抑えきれず泣きそうな顔をするのが「泣きべそをかく」、自分の願いを通そうとして不満を訴えるのが「駄々をこねる」と覚えておきましょう。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」の英語表記の違い
「泣きべそをかく」を英語にすると「to be on the verge of tears」や「to pout tearfully」となり、例えば「叱られた子どもが泣きべそをかいた」を英語にすると「The child was on the verge of tears after being scolded」となります。
一方、「駄々をこねる」を英語にすると「to throw a tantrum」や「to whine」などとなり、例えば「子どもが駄々をこねてお菓子をねだった」を英語にすると「The child threw a tantrum, asking for sweets」となります。
「泣きべそをかく」の意味
「泣きべそをかく」とは
「泣きべそをかく」とは、泣き顔をすることを意味しています。
表現方法は「泣きべそをかく」「泣きべその子」
「泣きべそをかく」「泣きべその子」などが、「泣きべそをかく」を使った一般的な言い回しになります。
「泣きべそをかく」の使い方
「泣きべそをかく」を使った分かりやすい例としては、「転んで膝をすりむき、泣きべそをかいてしまった」「思い通りにいかず、泣きべそをかきながら先生に助けを求めた」「怒られた子どもが泣きべそをかいて口をとがらせていた」などがあります。
「泣きべそをかく」は、悲しみや悔しさ、恥ずかしさなどの感情がこみ上げてきて、今にも泣き出しそうな顔をすることを意味する表現です。
「泣きべそをかく」の特徴
「泣きべそをかく」は、実際に大声で泣くというよりも、泣きそうになっている状態や、涙目になっている様子を表す言葉になります。そのため、子どもが叱られた時や失敗して悔しい時など、感情をこらえきれずに涙ぐむような場面でよく使われます。
また、「泣きべそをかく」は子どもに限らず、大人が情けない姿を見せたときにも比喩的に使うことがあります。例えば「上司に注意されて泣きべそをかいていた新人」のように、少しからかうようなニュアンスで用いられることもあります。
「泣きべそをかく」の類語
「泣きべそをかく」の類語・類義語としては、涙をこらえきれずに泣くことを意味する「泣き出す」、悲しみや悔しさで涙ぐむことを意味する「泣きそうになる」などがあります。
「駄々をこねる」の意味
「駄々をこねる」とは
「駄々をこねる」とは、幼児などが甘えていうことを聞かないでわがままを言うことを意味しています。
表現方法は「駄々をこねる」「駄々っ子」
「駄々をこねる」「駄々っ子」などが、「駄々をこねる」を使った一般的な言い回しになります。
「駄々をこねる」の使い方
「駄々をこねる」を使った分かりやすい例としては、「おもちゃを買ってもらえず、子どもが店の中で駄々をこねていた」「出かけたくないと駄々をこねる息子をなだめるのに苦労した」「思い通りにならないとすぐ駄々をこねるのは良くない習慣です」などがあります。
「駄々をこねる」は、自分の思い通りにならないことに不満を抱き、わがままを言って相手に無理を通そうとすることを意味する表現です。
「駄々をこねる」の特徴
「駄々をこねる」は主に子どもが使う言動として使われますが、比喩的に大人に対しても使うことができます。たとえば、「部下が意見を聞き入れず駄々をこねて困る」などのように、理屈ではなく感情的に反発する態度を表す場合にも用いられます。
また、「駄々をこねる」は、わがまま・甘え・自己中心的な振る舞いといったマイナスの意味合いを持つのが特徴です。ただし、文脈によっては「子どもらしいかわいらしいわがまま」として、やや柔らかい印象で使われることもあります。
「駄々をこねる」の類語
「駄々をこねる」の類語・類義語としては、強くわがままを言うことを意味する「わめく」、思い通りにいかず不満を表す「すねる」、しつこく要求する「ごねる」などがあります。
「泣きべそをかく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、泣き顔をすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「泣きべそをかく」は感情が抑えきれず泣きそうな顔をする時に使う言葉です。
「駄々をこねる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、幼児などが甘えていうことを聞かないでわがままを言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「駄々をこねる」は自分の願いを通そうとして不満を訴える時に使う言葉です。
「泣きべそをかく」と「駄々をこねる」はどちらも子どもが感情的になってわがままを言うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、感情が抑えきれず泣きそうな顔をするのが「泣きべそをかく」、自分の願いを通そうとして不満を訴えるのが「駄々をこねる」と覚えておきましょう。