似た意味を持つ「しゃかりき」と「がむしゃら」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しゃかりき」と「がむしゃら」という言葉は、どちらも全力で物事に取り組む様子のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しゃかりき」と「がむしゃら」の違い
「しゃかりき」と「がむしゃら」の違いを分かりやすく言うと、「しゃかりき」は懸命な姿勢を表している、「がむしゃら」は一つの物事に集中することを表しているという違いです。
一つ目の「しゃかりき」を使った分かりやすい例としては、「しゃかりきになって働きすぎて体を壊してしまった」「彼はしゃかりきになって営業成績を伸ばそうとしている」「しゃかりきに頑張る姿は立派だが、もう少し肩の力を抜いた方がいい」などがあります。
二つ目の「がむしゃら」を使った分かりやすい例としては、「がむしゃらに走ってゴールまでたどり着いた」「彼はがむしゃらに努力して夢を叶えた」「がむしゃらに突き進む姿は危なっかしいが、情熱が感じられる」などがあります。
「しゃかりき」と「がむしゃら」はどちらも全力で物事に取り組む様子のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「しゃかりき」は、「しゃかりきになって働く」「しゃかりきに勉強する」のように、一心不乱で勢いよく取り組むさまを表しますが、どちらかというと無理をして頑張りすぎているという少しネガティブな印象を持つ場合もあります。
一方、「がむしゃら」は、「がむしゃらに挑戦する」「がむしゃらに練習する」のように、目標に向かって手段を選ばず全力で突き進むさまを表します。こちらは、多少無鉄砲であっても情熱的でひたむきな印象を与えることが多く、若さや前向きさを感じさせる言葉です。
つまり、懸命な姿勢を表しているのが「しゃかりき」、一つの物事に集中することを表しているのが「がむしゃら」と覚えておきましょう。
「しゃかりき」を英語にすると「working frantically」や「going all out」などとなり、例えば「しゃかりきになって働きすぎて体を壊してしまった」を英語にすると「He worked so frantically that he ended up ruining his health」となります。
一方、「がむしゃら」を英語にすると「recklessly」や「with all one’s might」「single-mindedly」などとなり、例えば「彼はがむしゃらに努力して夢を叶えた」を英語にすると「He worked single-mindedly and made his dream come true」となります。
「しゃかりき」の意味
「しゃかりき」とは、夢中になって何かに取り組むことを意味しています。
「しゃかりきになる」「しゃかりきに頑張る」「しゃかりきで働く」などが、「しゃかりき」を使った一般的な言い回しになります。
「しゃかりき」を使った分かりやすい例としては、「しゃかりきに働きすぎて体を壊してしまった」「彼はしゃかりきになって目標に向かって突き進んでいる」「しゃかりきで練習を重ね、ついに大会で優勝した」「しゃかりきに頑張るのは良いが時には休むことも必要だ」などがあります。
「しゃかりき」は、全力で物事に取り組むことを意味する言葉です。ただし、やみくもに力を出しすぎて周囲が見えなくなったり、無理をしてしまうようなニュアンスを含む場合もあります。したがって、単に「一生懸命」よりも「必死すぎて余裕がない」印象を与えることがあります。
「しゃかりき」の語源にはいくつかの説がありますが、最も有力なのは「釈迦」の「力」、つまり仏様のように全力を尽くす力という意味から転じたとされる説です。
もともとは仏教語で、「釈迦のように全身全霊をかけて事に当たる」という意味を持っていました。それが次第に一般化し、「人が一心不乱に物事に打ち込む様子」を表す口語として使われるようになったのです。
江戸時代から庶民の間でも使われており、「しゃかりきになる」という形で広まりました。現代でも、「しゃかりきに働く」「しゃかりきで頑張る」などの形で日常的に使われます。
「しゃかりき」は、基本的にポジティブな努力を表しますが、文脈によっては「無理して頑張りすぎている」という少しネガティブな意味合いを持つことがあります。
そのため、「しゃかりきに頑張る人」は賞賛されることもあれば、「しゃかりきすぎて空回りしている」と批判的に使われることもあります。
「しゃかりき」の類語・類義語としては、一心に物事に打ち込む「ひたむき」などがあります。
「がむしゃら」の意味
「がむしゃら」とは、向こう見ずにむちゃくちゃに物事をすることを意味しています。
「がむしゃらに頑張る」「がむしゃらに突き進む」「がむしゃらに挑戦する」などが、「がむしゃら」を使った一般的な言い回しになります。
「がむしゃら」を使った分かりやすい例としては、「がむしゃらに努力した結果、夢を叶えることができた」「彼はがむしゃらに働いて家族を支えている」「がむしゃらに挑戦する姿勢が周囲の人を感動させた」「がむしゃらに頑張ることも時には大切です」などがあります。
「がむしゃら」とは、理屈を考えずに全力で突き進むさまを意味する言葉です。勢い任せで無鉄砲な印象もありますが、同時に「必死で頑張る」「全力で打ち込む」という前向きなエネルギーを感じさせる表現でもあります。
「がむしゃら」は、江戸時代の日本語「我武者羅」に由来します。この言葉は、「我」=自分、「武者」=戦う人、「羅」=乱れるという漢字の組み合わせから成り立っており、自分勝手に突き進む戦士のようなさまを表していました。
当初は「向こう見ず」「無鉄砲」といった少し否定的な意味で使われていましたが、時代が進むにつれて「全力で突き進む」「必死に努力する」といったポジティブなニュアンスも持つようになりました。
そのため現代では、「がむしゃらに頑張る」「がむしゃらに努力する」などのように、情熱的で真っ直ぐな姿勢を表す言葉として使われています。
「がむしゃら」は、勢いよく突き進む様子を表す一方で、計画性や冷静さを欠いているという意味合いも含まれる場合があります。そのため、使う場面によってはプラスのイメージにもマイナスのイメージにもなると覚えておきましょう。
「がむしゃら」の類語・類義語としては、休まず精を出す「懸命」などがあります。
「しゃかりき」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、夢中になって何かに取り組むことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「しゃかりき」は懸命な姿勢を表している時に使う言葉です。
「がむしゃら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、向こう見ずにむちゃくちゃに物事をすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「がむしゃら」は一つの物事に集中することを表している時に使う言葉です。
「しゃかりき」と「がむしゃら」はどちらも全力で物事に取り組む様子のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、懸命な姿勢を表しているのが「しゃかりき」、一つの物事に集中することを表しているのが「がむしゃら」と覚えておきましょう。