似た意味を持つ「富裕層」(読み方:ふゆうそう)と「準富裕層」(読み方:じゅんふゆうそう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「富裕層」と「準富裕層」という言葉は、どちらも「金融資産を多く所有する世帯」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
富裕層と準富裕層の違い
富裕層と準富裕層の意味の違い
富裕層と準富裕層の違いを分かりやすく言うと、富裕層とは純金融資産が1億円以上5億円未満の世帯、準富裕層とは純金融資産が5,000万円以上1億円未満の世帯という違いです。
富裕層と準富裕層の使い方の違い
一つ目の富裕層を使った分かりやすい例としては、「富裕層と貧困層の格差は広がるばかりです」「富裕層と英語力に相関関係はあるのだろうか」「世界の富裕層の割合をランキング形式で紹介します」などがあります。
二つ目の準富裕層を使った分かりやすい例としては、「準富裕層の人々はどんな生活を送っているのだろうか」「不動産投資で成功して準富裕層に仲間入りしました」「40代の準富裕層の割合をインターネットで調べる」などがあります。
富裕層と準富裕層の使い分け方
富裕層と準富裕層という言葉は、一般的に裕福な世帯をイメージさせますが、辞書に掲載されておらず明確な定義は存在しません。しかし、大手シンクタンクの野村総合研究所は、純金融資産保有額に基づいて明瞭に定めています。
野村総合研究所の調査報告書では、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、全ての世帯を超富裕層・富裕層・準富裕層・アッパーマス層・マス層の5つの階層に分類しています。
富裕層とは、1億円以上5億円未満の純金融資産を保有する世帯とされています。野村総合研究所は、日本の富裕層は事業経営者である場合が多いと分析しています。事業で得たお金を単に預貯金として保有するだけでなく、投資に回してさらに増やしている可能性も高いでしょう。
準富裕層とは、5,000万円以上1億円未満の純金融資産を持つ世帯を指します。野村総合研究所が行った推計によると、日本における準富裕層は300万世帯を上回り、高収入の職業に就いている人がほとんどです。資産運用や投資に積極的な人も多くいます。
つまり、富裕層と準富裕層の違いは、保有する純金融資産の額です。富裕層の次に純金融資産が多い層が「準富裕層」と呼ばれています。
富裕層と準富裕層の英語表記の違い
富裕層を英語にすると「wealthy class」「affluent」「rich people」となり、例えば上記の「富裕層と貧困層の格差」を英語にすると「the gap between the wealthy class and the poor」となります。
一方、準富裕層を英語にすると「semi-wealthy」「semi-affluent」「upper mass affluent」となり、例えば上記の「準富裕層の人々」を英語にすると「semi-wealthy people」となります。
富裕層の意味
富裕層とは
富裕層とは、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を意味しています。
富裕層の使い方
富裕層を使った分かりやすい例としては、「日本における富裕層の割合は増加傾向にあります」「実は富裕層の定義は存在しません」「富裕層の年収は2,000万円以上と言われています」などがあります。
その他にも、「富裕層ピラミッドの最新版をチェックする」「友人は富裕層なのにユニクロの服が大好きです」「富裕層の割合と貧困層の割合は同じだろうか」「世帯年収いくらから富裕層と言えますか」などがあります。
富裕層の「富裕」は財産が多くあって生活が豊かなこと、「層」はある基準で区分した人々の集団を表します。富裕層とは、多くの資産を保有し、経済力や購買力を持つ個人や世帯を指す言葉です。
富裕層の定義
富裕層という言葉に、明確な定義はありません。ただし、大手シンクタンクの野村総合研究所は、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満と「富裕層」と位置付けています。その調査報告書によると、日本の富裕層は年々増加傾向にあり、資産の集中が一段と進んでいると言えます。
富裕層の対義語
富裕層の対義語・反対語としては、等価可処分所得あるいは等価世帯収入が全世帯の中央値の2分の1未満の世帯を意味する「貧困層」、純金融資産が3,000万円未満の世帯を意味する「マス層」などがあります。
富裕層の類語
富裕層の類語・類義語としては、非常に多くの金や財産を持っている人を意味する「億万長者」、多くの財産を持っている人や金持ちを意味する「財産家」、大金持ちや財産家を意味する「富豪」、百万長者や大金持ちを意味する「ミリオネア」などがあります。
準富裕層の意味
準富裕層とは
準富裕層とは、純金融資産保有額が5,000万円以上1億円未満の世帯を意味しています。
準富裕層の使い方
準富裕層を使った分かりやすい例としては、「必ずしも準富裕層の老後が安泰とは言えません」「意外と準富裕層の年収は高くないのかもしれません」「富裕層と準富裕層の年収には大きな隔たりがあります」などがあります。
その他にも、「準富裕層の生活レベルが気になります」「準富裕層なのに車を持たない家もあります」「60代の準富裕層の割合はどれぐらいですか」「日本には準富裕層はどれぐらい存在するのだろう」などがあります。
準富裕層の「準」は、名詞に付いて、それに次ぐものであること、それに近いものを表す接頭語です。準富裕層とは富裕層の一つ手前の層を意味し、大手シンクタンクの野村総合研究所は、純金融資産保有額が5,000万円以上1億円未満の世帯と定義しています。
準富裕層の特徴
準富裕層の特徴は、弁護士や公認会計士などの士業や、企業役員などの専門性が高く高収入を得ている職業の人である場合が多いとみられています。特に資産を継承していなくても、一代で準富裕層になる可能性があります。
準富裕層の対義語
準富裕層の対義語・反対語としては、等価世帯収入が全世帯の中央値の2分の1以上で中央値未満の世帯を意味する「準貧困層」、純金融資産が3,000万円以上5,000万円未満の世帯を意味する「アッパーマス層」などがあります。
準富裕層の類語
準富裕層の類語・類義語としては、財産を多く所有する人を意味する「資産家」、急に金持ちになることを意味する「成金」、中程度の社会的地位や経済力などのある階級を意味する「中産階級」、中流階級の上位層を意味する「アッパーミドル」などがあります。
富裕層の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大きな経済力や購買力を有する個人や世帯を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「富裕層ピラミッド」とは、世帯の純金融資産を5階層に分類し、その数を視覚化したものです。純金融資産が少ないマス層が最も多く、純金融資産が多い超富裕層の頂点に向かって世帯数が少なくなるピラミッドの形をとるため、この名が付きました。
準富裕層の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一定の金融資産を保有する比較的裕福な層を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「アッパーマス層」と「準富裕層」の違いは、資産規模にあります。アッパーマス層とは純金融資産が3,000万円以上5,000万円未満の層、準富裕層とは純金融資産が5,000万円以上1億円未満の層と野村総研は定めています。
富裕層と準富裕層という言葉は、どちらも「裕福な世帯」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を表現したい時は「富裕層」を、5,000万円以上1億円未満の世帯を表現したい時は「準富裕層」を使うようにしましょう。