似た意味を持つ「負い目」(読み方:おいめ)と「引け目」(読み方:ひけめ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「負い目」と「引け目」という言葉は、どちらも否定的な感情を表すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「負い目」と「引け目」の違い
「負い目」と「引け目」の意味の違い
「負い目」と「引け目」の違いを分かりやすく言うと、「負い目」とは相手に対して抱く感情のこと、「引け目」とは自分に対して抱く感情のことという違いです。
「負い目」と「引け目」の使い方の違い
一つ目の「負い目」を使った分かりやすい例としては、「道徳的に私は彼女に負い目がある」「僕は彼女に助けてもらったという負い目がある」「離婚したばかりの友人を結婚式に招待するのは負い目を感じる」「私は彼女に負い目を感じている」などがあります。
二つ目の「引け目」を使った分かりやすい例としては、「イケメンの彼の横に並ぶと引け目を感じる」「私は高卒なので、大卒の人に引け目を感じる」「数学ではクラスの人たちに引け目を感じるなどがあります。
「負い目」と「引け目」の使い分け方
「負い目」と「引け目」はどちらも否定的な感情を表すことという似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「負い目」は「迷惑をかけたことに負い目を感じる」「このことを黙っているということは彼に対して負い目があるからだ」などのように、感情を抱く相手が他人の場合に使います。
一方、「引け目」は「営業成績が悪いので営業部の人たちに引け目を感じる」「人気者の彼と話すのは少し引け目を感じる」などのように、感情を抱く相手が自分の場合に使うというのが違いです。
さらに分かりやすく言うならば、他人に対して罪悪感を抱いたなら「負い目」を使い、他人に対して「劣等感」を抱いたのであれば「引け目」を使うと覚えておきましょう。
「負い目」と「引け目」の英語表記の違い
「負い目」を英語にすると「indebted」となり、例えば上記の「私は彼女に負い目を感じている」を英語にすると「I feel indebted to her」となります。
一方、「引け目」を英語にすると「inferior complex」「feeling of inferiority」となり、例えば上記の「数学ではクラスの人たちに引け目を感じる」を英語にすると「I feel inferior complex to my classmates in Math」となります。
「負い目」の意味
「負い目」とは
「負い目」とは、罪悪感などがあったりして相手に頭が上がらなくなるような心の負担のことを意味しています。その他にも、負債や借金などの意味も持っています。
表現方法は「負い目を感じる」「負い目を持つ」「負い目を背負う」
「負い目を感じる」「負い目を持つ」「負い目を背負う」などが、「負い目」を使った一般的な言い回しになります。
「負い目」の使い方
「負い目」を使った分かりやすい例としては、「彼女との略奪結婚に負い目を感じる」「私には彼の期待に添えなかったという負い目がある」「彼女の優しい言葉に負い目を感じる」「女性と二人きりで食事をしたので妻に負い目を感じました」などがあります。
「負い目」は罪悪感などがあったりして相手に頭が上がらなくなるような心の負担のことの他に、負債や借金などの意味も持っていますが、一般的に使われているのは罪悪感などがあったりして相手に頭が上がらなくなるような心の負担のことの意味です。
「負い目」の抱く感情の相手は、他人というのが特徴になります。「皆のおかげで」や「皆に申し訳ない」と感じた時に「負い目」という言葉を使うことが多いでしょう。
「負い目」の類語
「負い目」の類語・類義語としては、悪いことをしたと思う気持ちのことを意味する「罪悪感」、自分に悪い点があって気が咎めることを意味する「後ろめたい」、申し訳なく思うことを意味する「心苦しい」などがあります。
「引け目」の意味
「引け目」とは
「引け目」とは、自分が他人より劣っていると感じることを意味しています。その他にも、 自分で意識している弱みや欠点のこと、穀類や液体などを他の容器に移す時に量目が減ることの意味持っています。
表現方法は「引け目を感じる」「引け目がある」
「引け目を感じる」「引け目がある」などが、「引け目」を使った一般的な言い回しになります。
「引け目」の使い方
「引け目」を使った分かりやすい例としては、「自分の器量の悪さに引け目を感じる」「弟の方が常に成績が良いので、少し引け目を感じています」「私は他人と上手く接することができないので、引け目を感じる」」「運動ができないからと言って引け目に思うことはないだろう」などがあります。
「引け目」は自分を視点においており、抱く感情の相手は自分というのが特徴です。例えば、クラスのみんなは英語を話すことができるのに、自分だけ話すことができない場合に「引け目」を感じるを使います。これは、自分だけ英語を話すことができないダメな人というニュアンスになります。
つまり、「引け目」は他人よりも自分が劣っているという劣等感を抱いた時に、使う言葉と覚えておけばいいでしょう。
「引け目」の類語
「引け目」の類語・類義語としては、自分が他人より劣っているという感情のことを意味する「劣等感」、他人より自分が劣っていると感じることを意味する「インフェリオリティーコンプレックス」などがあります。
「負い目」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、罪悪感などがあったりして相手に頭が上がらなくなるような心の負担のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「負い目」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「引け目」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分が他人より劣っていると感じることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「引け目」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「負い目」と「引け目」はどちらも否定的な感情を表しています。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手に対して抱く感情のことを表現したい時は「負い目」を、自分に対して抱く感情のことを表現したい時は「引け目」を使うと覚えておきましょう。