【宣誓】と【宣言】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「宣誓」(読み方:せんせい)と「宣言」(読み方:せんげん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「宣誓」と「宣言」という言葉は、どちらも「人前で述べること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




宣誓と宣言の違い

宣誓と宣言の意味の違い

宣誓と宣言の違いを分かりやすく言うと、宣誓とは公的な表明を表し、宣言とは公的だけでなく私的な表明も表すという違いです。

宣誓と宣言の使い方の違い

一つ目の宣誓を使った分かりやすい例としては、「25期生の看護宣誓式が行われました」「右手を挙げて選手宣誓をする」「宣誓は公務員が職務を開始する要件です」「裁判官は宣誓させたうえで尋問をしました」などがあります。

二つ目の宣言を使った分かりやすい例としては、「アメリカ独立宣言を英語の原文で読む」「母は今年3度目のダイエット宣言をしました」「新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言を発出する」などがあります。

宣誓と宣言の使い分け方

宣誓と宣言という言葉は、どちらも人前で言葉を述べたり、公式に発表したりすることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

宣誓とは、多くの人の前で誓いの言葉を述べることを意味し、「看護宣誓式」「選手宣誓」のような使い方をします。公務員がその職務執行を誓うことや、法廷の証人が真実を述べると誓うことなども意味し、公的な表明を表すことが多い言葉です。

宣言とは、個人や団体などが、意思や方針などを広く外部に表明することを意味します。「アメリカ独立宣言」のように公的な表明に使用されるだけでなく、「母はダイエット宣言をした」のように私的な表明でも使用されることもある言葉です。

つまり、宣誓とは主に公的なシーンで使用されますが、宣言とは公的なシーンだけでなく私的な場面でも用いられる言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

宣誓と宣言の英語表記の違い

宣誓を英語にすると「oath」「pledge」「abjuration」となり、例えば上記の「宣誓式」を英語にすると「administering an oath」となります。

一方、宣言を英語にすると「proclamation」「declaration」となり、例えば上記の「独立宣言」を英語にすると「the declaration of independence」となります。

宣誓の意味

宣誓とは

宣誓とは、多くの人の前で誓いの言葉を述べること、その言葉を意味しています。

その他にも、「公務員が服務にあたって、憲法や法令を遵守し、職務を忠実公正に執行することを誓うこと」「訴訟法上、証人・鑑定人・通訳などが良心に従って真実を述べ、また誠実に鑑定や通訳することを誓うこと」の意味も持っています。

宣誓の使い方

「看護学校の宣誓式に出席する」「選手宣誓に感謝の気持ちを込める」「帰化を申請する際に宣誓書を提出する」などの文中で使われている宣誓は、「多くの人の前で誓いの言葉を述べること」の意味で使われています。

一方、「服務の宣誓は公務員の義務の一つです」の文中で使われている宣誓は「公務員が服務にあたって職務を忠実公正に執行することを誓うこと」の意味で、「裁判官に促されて宣誓書を朗読した」の文中で使われている宣誓は「証人などが良心に従って真実を述べること」の意味で使われています。

宣誓とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。宣誓の「宣」は勅旨を述べ伝えること、「誓」は神仏にかけて約束することを表す漢字です。

表現方法は「宣誓供述書」

宣誓を用いた日本語には「宣誓供述書」があります。宣誓供述書とは、外国籍の人が日本で相続や登記などの手続きをする際に、自己の身分や事実を証明する書類です。宣誓供述書の内容には、個人情報や証明したい事実のほか、「記載内容は真実である」という宣誓の文言が盛り込まれます。

宣誓の対義語

宣誓の対義語・反対語としては、言い出した事柄を後になって引っ込めることを意味する「撤回」などがあります。

宣誓の類語

宣誓の類語・類義語としては、固く誓うことやその誓いを意味する「誓約」、当事者の間で取り決めることを意味する「約束」、公衆に対して約束することを意味する「公約」、約束を取り交わすことを意味する「契約」などがあります。

宣言の意味

宣言とは

宣言とは、個人・団体・国家などが、意見や方針などを外部に表明すること、その内容を意味しています。

宣言の使い方

宣言を使った分かりやすい例としては、「宣言書を公証人が認証する」「住民票英訳宣言書について公証役場に問い合わせる」「監督は優勝報告会で三連覇を宣言しました」「英語の学習では宣言的知識と手続き的知識を意識してください」などがあります。

その他にも、「宣言的プログラミングについて簡単に説明します」「宣言的uiと命令的uiのレポートを書く」「宣言型エージェントを構築する」「宣言的記憶と非宣言的記憶の違いを心理学の先生に質問する」などがあります。

宣言の「宣」は訓読みで「のべる」「のたまう」と読み、広く意向を述べ伝えることを表す漢字です。口に出して言うことを表す「言」と結び付き、宣言とは、表立って言うこと、個人や団体などが、その意思や方針などを広く外部に表明することを意味します。

表現方法は「FA宣言残留」

宣言を用いた日本語には「FA宣言残留」があります。FA宣言残留とは、プロ野球でFA権を行使して他の球団との契約交渉の権利を得たものの、最終的に元の球団に留まることを意味します。残留する際は、元の球団との間で新たな契約を結ぶことになります。

宣言の対義語

宣言の対義語・反対語としては、隠して言わないことを意味する「黙秘」などがあります。

宣言の類語

宣言の類語・類義語としては、はっきり言いきることを意味する「明言」、人前で隠しだてすることなく堂々と言うことを意味する「公言」、言葉に出してはっきりと言いきることを意味する「言明」、政治や外交などに関する公式の声明を意味する「ステートメント」などがあります。

宣誓の例文

1.宣誓、私達はスポーツマンシップにのっとり正々堂々と運動会を行うことを誓います。
2.本校はインターナショナルスクールなので、スポーツ大会の選手宣誓はもちろん英語で行っています。
3.同性同士のカップルを認めるパートナーシップ宣誓制度は、全国的に広がりを見せています。
4.公務員となった者は、宣誓書を任命権者に提出してからでなければ職務を行うことはできません。
5.宣誓をした証人が虚偽の陳述を行うと、偽証罪に問われてしまいます。

この言葉がよく使われる場面としては、多くの人の前で誓いを立てること、公務員が職務を忠実公正に遂行することを誓うこと、法廷で陳述をする際に良心に従って真実を述べることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「宣誓書」とは、宣誓する旨を記した文書のことであり、「誓書」(読み方:せいしょ)とも言います。

宣言の例文

1.新しい社長は就任式で、風力発電のビジネスに進出することを社員の前で宣言しました。
2.クマの目撃件数の急増などを受け、独自に非常事態宣言を発出した市町村があります。
3.日本のプロ野球界で、フリーエージェント宣言が活発にならない理由は何だと思いますか。
4.世界人権宣言の歴史的意義は、人権の普遍的な基準を国際的に確立したことにあります。
5.延命措置はして欲しくないので、尊厳死宣言書の書き方を教えてもらうつもりです。

この言葉がよく使われる場面としては、広く一般に向かって言うことを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「世界人権宣言」とは、1948年に第3回国連総会で採択された人権に関する世界宣言です。法的拘束力はありませんが、すべての人民が国家が達成すべき基準を示しています。

宣誓と宣言という言葉は、どちらも「人前で述べること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公的に人前で述べることを表現したい時は「宣誓」を、公的だけでなく私的にも人前で述べることを表現したい時は「宣言」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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