似た意味を持つ「ギャフンと言わせる」(読み方:ぎゃふんといわせる)と「鼻を明かす」(読み方:はなをあかす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ギャフンと言わせる」と「鼻を明かす」という言葉は、どちらも相手に悔しい思いをさせることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ギャフンと言わせる」と「鼻を明かす」の違い
「ギャフンと言わせる」と「鼻を明かす」の違いを分かりやすく言うと、「ギャフンと言わせる」は圧倒して黙らせること、「鼻を明かす」は巧妙に出し抜いて面目を損なわせることという違いです。
一つ目の「ギャフンと言わせる」を使った分かりやすい例としては、「議論で相手を打ち負かし、思わずギャフンと言わせた」「努力の成果を見せつけて、周囲をギャフンと言わせた」「完璧な企画を提出して上司をギャフンと言わせた」などがあります。
二つ目の「鼻を明かす」を使った分かりやすい例としては、「相手の裏をかいて見事に鼻を明かした」「周到な準備でライバルの鼻を明かした」「最後の場面で逆転し、相手の鼻を明かした」などがあります。
「ギャフンと言わせる」と「鼻を明かす」はどちらも相手に悔しい思いをさせることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ギャフンと言わせる」は、相手を言葉や行動で圧倒して黙らせるや屈服させるというニュアンスで使います。
たとえば「論理的な反論で相手を黙らせた」のように、明確に勝利や決定的な反駁を示す場面で用いられ、直接的な打ち負かした場合に用いる言葉です。語感としてはやや砕けた口語で、相手をあっと言わせる・言い負かすことに重点があります。
一方、「鼻を明かす」は、相手の予想や策略を巧みに外して出し抜いて優位に立つというニュアンスで使います。
たとえば「相手の裏をかいて先に手を打った」のように、知恵や策略、先回りの巧妙さがポイントになり、直接的な論破よりも機転や計略で相手を出し抜く場面で用いる言葉です。
つまり、圧倒して黙らせるのが「ギャフンと言わせる」、巧妙に出し抜いて面目を損なわせるのが「鼻を明かす」と覚えておきましょう。
「ギャフンと言わせる」を英語にすると「shut someone up」 「leave someone speechless」 「make someone eat their words」となり、例えば「議論で相手を打ち負かし、思わずギャフンと言わせた」を英語にすると「I shut him up in the argument」となります。
一方、「鼻を明かす」を英語にすると「outsmart someone」 「get the better of someone」 「catch someone off guard」となり、例えば「相手の裏をかいて見事に鼻を明かした」を英語にすると「I outsmarted him and caught him off guard」となります。
「ギャフンと言わせる」の意味
「ギャフンと言わせる」とは、一言も言い返せないように言うことを意味しています。
「ギャフンと言わせる」を使った分かりやすい例としては、「軽く見ていた相手に実力でギャフンと言わせた」「何度も否定されていた企画を成功させ、結果的にギャフンと言わせることができた」「いつも上から目線の同僚に、今回の発表でギャフンと言わせた」などがあります。
「ギャフンと言わせる」は、相手を言い負かしたり、予想を裏切る結果を出したりして、相手が悔しがったり驚いたりするような状況を作ることを意味する慣用的な表現です。
「ギャフンと言わせる」は、相手に対する反発心や対抗心がある場面で用いられることが多く、主に口語的でくだけた印象を与える表現です。
そのため、友人同士の会話や娯楽的な文脈、スポーツや勝負事などで使われやすい一方、フォーマルな場面ではやや直接的で強い印象を与える場合があると覚えておきましょう。
また、「ギャフンと言わせる」は、単に勝つことよりも「相手の慢心や誤解を打ち砕く」という意味合いが強く含まれており、達成感や痛快さを伴う場面で使われるのが特徴です。
「ギャフンと言わせる」の類語・類義語としては、相手を打ち負かしたり、意表を突いて見返したりする意味を持つ「鼻を明かす」「一泡吹かせる」などがあります。
「鼻を明かす」の意味
「鼻を明かす」とは、だしぬいたり思いがけないことをしたりして優位に立っていた相手を驚かせることを意味しています。
「鼻を明かす」を使った分かりやすい例としては、「周囲に無理だと言われていた企画を成功させ、結果的に鼻を明かした」「いつも見下してくる相手に、今回の試合で見事に鼻を明かした」「陰で批判していた同僚に、実績で鼻を明かすことができた」などがあります。
「鼻を明かす」は、相手の予想や慢心、油断などを裏切り、意表を突いて恥をかかせる、あるいは見返すという意味を持つ慣用句です。多くの場合、相手が自分を低く見ていたり、成功しないと決めつけていた場面で、その期待や考えを覆すような結果を示した際に用いられます。
慣用句とは、二語以上の単語が結びついて、全体として特定の意味を持つ言い回しを指します。
「鼻を明かす」は、単に勝つ、成功するという意味だけでなく、「相手の思惑を外す」「相手の自尊心をへし折るような結果を示す」といったニュアンスを含んでいるのが特徴です。
そのため、多少の痛快さや優越感を伴う場面で使われることが多く、競争的な状況や対立関係にある場面で用いられやすい表現です。
また、「鼻を明かす」は日常会話だけでなくビジネスやスポーツの場面でも使われ、「軽く見ていた相手に鼻を明かされた」「データで反論され、結果として鼻を明かす形になった」などのように、優劣がはっきりした状況を表す際に用いられます。
「鼻を明かす」の他にも、「鼻が高い」「鼻で笑う」「鼻につく」「鼻にかける」など、「鼻」を使った慣用句は数多く存在します。
「鼻を明かす」の類語・類義語としては、相手を出し抜いて驚かせたり見返したりする意味を持つ「意表を突く」などがあります。
「ギャフンと言わせる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一言も言い返せないように言うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ギャフンと言わせる」は圧倒して黙らせる時に使う言葉です。
「鼻を明かす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、だしぬいたり思いがけないことをしたりして優位に立っていた相手を驚かせることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「鼻を明かす」は巧妙に出し抜いて面目を損なわせる時に使う言葉です。
「ギャフンと言わせる」と「鼻を明かす」はどちらも相手に悔しい思いをさせることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、圧倒して黙らせるのが「ギャフンと言わせる」、巧妙に出し抜いて面目を損なわせるのが「鼻を明かす」と覚えておきましょう。