似た意味を持つ「そっぽを向く」(読み方:そっぽをむく)と「視線を逸らす」(読み方:しせんをそらす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」という言葉は、どちらも相手を見ないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の違い
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の意味の違い
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の違いを分かりやすく言うと、「そっぽを向く」は強い感情的な拒否や反抗の態度を表すこと、「視線を逸らす」は心理的な動揺や気まずさから視線を外すことという違いです。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の使い方の違い
一つ目の「そっぽを向く」を使った分かりやすい例としては、「彼は注意されると不機嫌そうにそっぽを向いた」「謝っても彼女はそっぽを向いたままだった」「意見が合わず、相手がそっぽを向いてしまった」などがあります。
二つ目の「視線を逸らす」を使った分かりやすい例としては、「彼は質問されると慌てて視線を逸らした」「気まずくなり、思わず視線を逸らしてしまった」「本音を隠すように彼女は視線を逸らした」などがあります。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の使い分け方
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」はどちらも相手を見ないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「そっぽを向く」は「彼女は怒って私にそっぽを向いた」のように、相手に対する不満や反発、拒絶などの感情がはっきりと態度に表れている場合に使う言葉になります。
一方、「視線を逸らす」は「緊張して面接官から視線を逸らしてしまった」のように、恥ずかしさや戸惑い、動揺、気まずさなどの心理的な理由から、一時的に目をそらす場合に使う言葉です。
つまり、強い感情的な拒否や反抗の態度を表すのが「そっぽを向く」、心理的な動揺や気まずさから視線を外すのが「視線を逸らす」と覚えておきましょう。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」の英語表記の違い
「そっぽを向く」を英語にすると「turn one’s back on」「turn away」「snub」となり、例えば「彼は私にそっぽを向いた」を英語にすると「He turned his back on me」となります。
一方、「視線を逸らす」を英語にすると「avert one’s eyes」「look away」「avoid eye contact」となり、例えば「彼女は気まずそうに視線を逸らした」を英語にすると「She averted her eyes awkwardly」となります。
「そっぽを向く」の意味
「そっぽを向く」とは
「そっぽを向く」とは、まともにとりあわないで無視することを意味しています。
表現方法は「そっぽを向く」「そっぽを向ける」
表現方法は「そっぽを向く」「そっぽを向ける」「そっぽを向かれる」などが、「そっぽを向く」を使った一般的な言い回しになります。
「そっぽを向く」の使い方
「そっぽを向く」を使った分かりやすい例としては、「話しかけても彼はそっぽを向いたままだった」「注意されたのが不満だったのか、彼女はそっぽを向いてしまった」「怒った彼は、私のほうを見ようともせずそっぽを向いた」などがあります。
「そっぽを向く」は、相手に対して不満・反発・無視・拒絶といった感情を示すために、あえて顔や体の向きをそらす行為を意味する言葉です。
「そっぽを向く」の特徴
「そっぽを向く」を簡単に言うならば、相手の存在を意識的に避けたり、関わろうとしなかったりする態度のことを指しています。例えば、意見が合わずに口論になったあと、相手が何も言わずに別の方向を向いてしまった場合、その様子は「そっぽを向いた」と表現されます。
そのため、「そっぽを向く」は人間関係や感情のもつれ、すねる・反発する・機嫌が悪いといった心理状態を表す場面で使われることが多く、やや感情的でマイナスなイメージを含む場合が多いというのが特徴です。
「そっぽを向く」の類語
「そっぽを向く」の類語・類義語としては、相手を無視する行動を表す「無視する」、不満や拒絶の態度を示す「背を向ける」、冷たい態度を取ることを意味する「冷たく当たる」などがあります。
「視線を逸らす」の意味
「視線を逸らす」とは
「視線を逸らす」とは、見ている対象から目を背けることを意味しています。
表現方法は「視線を逸らす」「視線を逸らせる」
表現方法は「視線を逸らす」「視線を逸らせる」「視線を逸らされる」などが、「視線を逸らす」を使った一般的な言い回しになります。
「視線を逸らす」の使い方
「視線を逸らす」を使った分かりやすい例としては、「質問されると、彼は気まずそうに視線を逸らした」「彼女は私と目が合うと、すぐに視線を逸らしてしまった」「嘘をついているとき、彼は無意識に視線を逸らす癖がある」などがあります。
「視線を逸らす」は、恥ずかしさ・緊張・後ろめたさ・動揺・ためらいなどの感情から、相手と目を合わせないようにする行為を意味する言葉です。
「視線を逸らす」の特徴
「視線を逸らす」を簡単に言うならば、相手の目を見ることを避けるために、意識的または無意識的に視線の方向を変えることを指しています。例えば、都合の悪い質問をされた際に、相手の目を見ずに別のところを見るような場合、その様子は「視線を逸らした」と表現されます。
そのため、「視線を逸らす」は、心理的な動揺・罪悪感・恥じらい・気まずさなど、内面の不安や葛藤が表れる場面で使われることが多く、必ずしも強い拒絶ではなく、むしろ繊細な感情の表れとして用いられることもあるというのが特徴であると覚えておきましょう。
「視線を逸らす」の類語
「視線を逸らす」の類語・類義語としては、目を合わせないことを意味する「目をそらす」、視点を他へ向ける「目を背ける」、相手を直視しない態度を示す「視線を外す」などがあります。
「そっぽを向く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、まともにとりあわないで無視することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「そっぽを向く」は強い感情的な拒否や反抗の態度を表す時に使う言葉です。
「視線を逸らす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見ている対象から目を背けることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「視線を逸らす」は心理的な動揺や気まずさから視線を外す時に使う言葉です。
「そっぽを向く」と「視線を逸らす」はどちらも相手を見ないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、強い感情的な拒否や反抗の態度を表すのが「そっぽを向く」、心理的な動揺や気まずさから視線を外すのが「視線を逸らす」と覚えておきましょう。