【証拠にもなく】と【性懲りもなく】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「証拠にもなく」(読み方:しょうこにもなく)と「性懲りもなく」(読み方:しょうこりもなく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「証拠にもなく」と「性懲りもなく」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「証拠にもなく」と「性懲りもなく」の違い

「証拠にもなく」と「性懲りもなく」の違いを分かりやすく言うと、「証拠にもなく」とは「性懲りもなく」の間違った使い方、「性懲りもなく」とは同じ過ちを繰り返しても一向に改めないことです。

一般的には「証拠にもなく」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「性懲りもなく」のことを間違えて「証拠にもなく」を使っている人がほとんどです。

正しい言葉である「性懲りもなく」を使った分かりやすい例としては、「彼は失敗したにもかかわらず性懲りもなく同じ手法に挑戦しました」「何度注意されても性懲りもなく遅刻を繰り返しています」「反省した様子もなく性懲りもなく無謀な行動を取っていました」などがあります。

「性懲りもなく」という言葉はあっても、「証拠にもなく」という言葉は存在しません。同時に「性懲りもなく」という単語の意味について「同じ過ちを繰り返しても一向に改めないこと」と覚えておきましょう。

「性懲りもなく」は日本語特有の慣用表現であるため、直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「without learning one’s lesson」「again and again despite past failures」などがあります。

「証拠にもなく」の意味

「証拠にもなく」とは、「性懲りもなく」の間違った使われ方です。

「証拠にもなく」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「性懲りもなく」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「証拠にもなく」と「性懲りもなく」を間違ってしまう理由としては、「しょうこに」と「しょうこり」という音の並びが似ているため、耳で覚えた表現を誤って認識してしまっていることが原因です。正しい日本語は「性懲りもなく」なので、間違えないように注意しましょう。

ではなぜ「証拠にもなく」が間違った言葉かというと、「証拠」と「性懲り」の意味の違いにあります。

「証拠」と「性懲り」は、どちらも漢字表記が可能で一見意味がありそうに見えますが、語としての成り立ちや用法がまったく異なっています。

「証拠」は、事実や真実を証明する材料や根拠を意味する言葉で、「証拠を示す」「証拠が残っている」などのように使われます。そのため、「証拠にもなく」という形で「反省せず同じことを繰り返す」という意味を表すことはできません。

一方、「性懲り」は「性」がその人の性分や本性を、「懲り」が失敗や痛い経験から学ぶことを意味しており、「性懲りもなく」で「性分として懲りない様子」、つまり失敗しても反省せず同じことを繰り返すことを表します。

したがって、注意や失敗を経験しているにもかかわらず、同じ行動を繰り返す様子を表したい場合には、「証拠にもなく」ではなく、「性懲りもなく」を使用するのが正しい日本語であると覚えておきましょう。

「性懲りもなく」の意味

「性懲りもなく」とは、同じ過ちを繰り返しても一向に改めないことを意味しています。

「性懲りもなく」を使った分かりやすい例としては、「彼は失敗したにもかかわらず、性懲りもなく同じ方法を試しました」「何度注意されても性懲りもなく遅刻を繰り返しています」「性懲りもなく無謀な挑戦を続けてしまいました」などがあります。

「性懲りもなく」は、生まれつきの性分として失敗から学ばず、同じ過ちや行動を繰り返してしまう様子を表す言葉です。「性懲り」に、否定を強める「もなく」が付くことで、反省や自制が見られない状態を強調しています。

そのため、「性懲りもなく」は、基本的にマイナスのイメージで使われる言葉です。

「性懲りもなく」は、注意や失敗、痛い経験があったにもかかわらず、同じ行動を繰り返す人物や行為を表現したい場面で使われます。日常会話から文章表現まで幅広く用いられますが、相手を非難する意味合いを含む点には注意が必要です。

「性懲りもなく」の類語・類義語としては、反省せず同じことを繰り返す様子を意味する「懲りずに」、自制心が足りないことを表す「学習しない」、失敗を教訓にしないことを意味する「反省がない」などがあります。

「証拠にもなく」の例文

1.「証拠にもなく」という言葉は存在しないので、おそらく「性懲りもなく」の言い間違いだろう。
2.「性懲りもなく」という言葉は同じ過ちを繰り返しても一向に改めないことで、「証拠にもなく」という言葉はない。
3.「証拠にもなく」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.彼は証拠にもなくまた株に手を出しているという言葉を使う人はいるが、正しくは彼は性懲りもなくまた株に手を出しているです。
5.二股かけられた男に呼び出され性懲りもなくまた会ってしまうという言葉はあるが、二股かけられた男に呼び出され証拠にもなくまた会ってしまうという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「性懲りもなく」という言葉を間違えて「証拠にもなく」と表現している時などが挙げられます。

「証拠にもなく」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「性懲りもなく」を間違えて使っている可能性が高いです。

「証拠にもなく」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「証拠にもなく」ではなく、「性懲りもなく」と表現するのが正しい使い方になります。

「性懲りもなく」の例文

1.何度も注意されたにもかかわらず、性懲りもなく同じミスを繰り返してしまいました。
2.前回失敗したのに、彼は性懲りもなく同じ方法で再挑戦していました。
3.叱られた直後にもかかわらず、性懲りもなく軽口を叩いていて驚きました。
4.結果が伴わなかったにもかかわらず、性懲りもなく強気な発言を続けています。
5.周囲が呆れるほど、彼女は性懲りもなく同じ話題を蒸し返していました。

この言葉がよく使われる場面としては、同じ過ちを繰り返しても一向に改めないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「性懲りもなく」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「証拠にもなく」と「性懲りもなく」どちらを使うか迷った場合は、「証拠にもなく」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「性懲りもなく」を使うようにしましょう。

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