似た意味を持つ「旋回」(読み方:せんかい)と「回転」(読み方:かいてん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「旋回」と「回転」という言葉は、どちらも「まわること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
旋回と回転の違い
旋回と回転の違いを分かりやすく言うと、旋回とは大きくまわる移動、回転とはその場でまわる運動という違いです。
一つ目の旋回を使った分かりやすい例としては、「東京の上空を旋回して羽田に着陸しました」「旋回軌跡図の書き方を教えてもらいました」「円柱パイプの入口に旋回流を発生させる」「水平旋回で8の字を描く」などがあります。
二つ目の回転を使った分かりやすい例としては、「おすすめのケーキ回転台を教えてください」「ブザーと回転灯を同時に動作させる」「回転性めまいの原因は何ですか」「回転モップでフローリングを掃除する」などがあります。
旋回と回転という言葉は、どちらも中心のまわりをまわることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
旋回とは、円を描くように回ることを意味し、主に飛行機や船舶が方向転換することを表す言葉です。その半径は比較的大きく、円を描く中心軸は対象物の外にあります。「水平旋回」とは、航空機が高度を変えずに、水平面内で方向を変えて旋回する飛行動作のことです。
回転とは、ある軸を中心としてまわることを意味します。コマやタイヤなど、その場でまわる運動を指し、円を描く中心軸は対象物内にあります。「回転灯」とは、反射鏡が回転することで発光の向きが変わる電灯のことです。
つまり、旋回とは飛行機や船などが大きくまわる移動を表し、回転とはタイヤやモーターなどがその場でまわる運動を表現します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
旋回を英語にすると「turning」「slewing」「circling」となり、例えば上記の「上空を旋回する」を英語にすると「circle around above」となります。
一方、回転を英語にすると「spin」「gyration」「revolve」となり、例えば上記の「回転ドア」を英語にすると「a revolving door」となります。
旋回の意味
旋回とは、円を描くように回ること、機械などの可動部が回転運動をすることを意味しています。
その他にも、「航空機や艦船が回りこむようにして進路を変えること」の意味も持っています。
「天橋立の旋回橋を見たことはありますか」「旋回窓の仕組みを教えてもらいました」などの文中で使われている旋回は、「円を描くように回ること、機械などの可動部が回転運動をすること」の意味で使われています。
一方、「車の最小旋回半径を確認する」「旋回輪の構造を知りたいです」「旋回ベアリングの形式がわかりません」などの文中で使われている旋回は、「航空機や艦船が回りこむようにして進路を変えること」の意味で使われています。
旋回の読み方は「せんかい」です。同じ読み方をする熟語に「浅海」や「千回」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
旋回とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。旋回の「旋」は訓読みで「めぐる」と読み、ぐるぐるまわることを表す漢字です。
旋回を用いた日本語には「旋回半径」があります。旋回半径とは、自動車や船舶あるいは飛行機などが旋回する際に描く円の半径を指します。特に自動車において、ハンドルを限界まで切って最徐行した際に外側前輪が描く円の半径を「最小回転半径」と呼び、小回り性能を示す指標となっています。
旋回を用いた誤った表現には「旋回異常」があります。正しくは「回旋異常」であり、分娩の進行中に胎児が頭部の向きをうまく変えられない状態を表します。
旋回の対義語・反対語としては、まっすぐに進むことを意味する「直進」などがあります。
旋回の類語・類義語としては、そのまわりをまわることを意味する「周回」、ある目的のために各地を順次に移動することを意味する「巡回」、各地を巡り歩くことを意味する「巡行」、ぐるりと回ることを意味する「転回」などがあります。
回転の意味
回転とは、物が、ある軸を中心としてまわることを意味しています。
その他にも、「からだを転がしたり、宙がえりしたりすること」「機能を十分生かした働きをすること、存分に活動すること」「物事が、動きをくり返すこと」「サービス業などで、客が新しい客と入れ替わること」「回転競技の略」の意味も持っています。
「回転式の本棚を買いました」の文中で使われている回転は「軸を中心にまわること」の意味で、「4回転半のジャンプを成功させる」の文中で使われている回転は「からだを転がすこと」の意味で、「頭の回転が速い」の文中で使われている回転は「存分に活動すること」の意味で使われています。
一方、「売掛金の回転期間を確認する」の文中で使われている回転は「動きをくり返すこと」の意味で、「客席回転率を計算する」の文中で使われている回転は「客が入れ替わること」の意味で、「回転で金メダルを獲得した」の文中で使われている回転は「回転競技の略」の意味で使われています。
回転とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。回転の「回」はぐるりとまわること、「転」はくるくると転がることを表します。
回転を用いた日本語には「回転率」があります。回転率とは、一定期間内に、資金を投じて生産した製品が売れ金となり戻ってくる割合を意味します。また、特に飲食店などで、次から次へと客を入れ替えて、1日どれだけの客をさばけるかの割合も表す言葉です。
回転の対義語・反対語としては、じっとして動かないことを意味する「静止」などがあります。
回転の類語・類義語としては、自分で回転することを意味する「自転」、一回りすることを意味する「一巡」、ころがっていくさまを意味する「転転」、物事の内容や成り行きなどが何度も変わることを意味する「二転三転」などがあります。
旋回の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある点を中心に円を描くようにまわること、特に航空機がその進路方向を曲線を描くようにして変えることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「急旋回」とは、航空機や艦船などが、急激に曲線を描くようにして進路を変えることを意味します。
回転の例文
この言葉がよく使われる場面としては、くるっとまわること、まわりつづけること、次々と考えをめぐらすこと、物事が初めから終わりまでめぐる一巡、回転競技を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「回転運動」とは、物体あるいは質点系が、相互の相対的位置を変えずに一定の軸のまわりを回る運動を意味します。
旋回と回転という言葉は、どちらも「まわること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、移動しながら大きくまわることを表現したい時は「旋回」を、その場でまわることを表現したい時は「回転」を使うようにしましょう。