【名残惜しい】と【後ろ髪を引かれる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「名残惜しい」(読み方:なごりおしい)と「後ろ髪を引かれる」(読み方:うしろがみをひかれる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」という言葉は、どちらも心残りすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の違い

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の意味の違い

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の違いを分かりやすく言うと、「名残惜しい」は別れるというニュアンスでのみ使う、「後ろ髪を引かれる」は別れる以外のニュアンスでも使えるという違いです。

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の使い方の違い

一つ目の「名残惜しい」を使った分かりやすい例としては、「親友との別れは殊更名残惜しいです」「子供の頃から住んでいたこの土地を離れるのは名残惜しいです」「このワンピースを捨ててしまうのは名残惜しい」などがあります。

二つ目の「後ろ髪を引かれる」を使った分かりやすい例としては、「後ろ髪を引かれる思いで家を出ました」「後ろ髪を引かれるがその場を去りました」「家の建て替えが決まり後ろ髪を引かれる思いをして解体を見守りました」などがあります。

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の使い分け方

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」はどちらも心残りすることの意味で使われている言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「名残惜しい」は別れがつらく心残りすることを意味する言葉なので、基本的に別れるというニュアンスがある場合にのみ使います。

一方、「後ろ髪を引かれる」は心残りがしてなかなか思い切れないことを意味している言葉なので、別れる以外のニュアンスでも使えるというのが違いです。

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」の英語表記の違い

「名残惜しい」も「後ろ髪を引かれる」も日本語特有の言葉なので直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「reluctant to leave」「loath to depart」などがあります。

「名残惜しい」の意味

「名残惜しい」とは

「名残惜しい」とは、別れがつらく心残りすることを意味しています。

表現方法は「名残惜しい気持ち」「名残惜しいと言われた」

「名残惜しい気持ち」「名残惜しいと言われた」などが、「名残惜しい」を使った一般的な言い回しになります。

「名残惜しい」の使い方

「名残惜しい」を使った分かりやすい例としては、「しばらく会えないと思うと名残惜しいです」「大好きなバンドメンバーのライブが終わりに近づき名残惜しい」「名残惜しいですが今日はお開きといたします」「退職されてしまうなんて名残惜しいです」などがあります。

「名残惜しい」は別れがつらく心残りすることを意味することを意味する形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。

「名残惜しい」の特徴

「名残惜しい」は人、物、土地などとの別れが辛い時や、まだ一緒に居たいという気持ちがある場合に使うのが一般的です。

例えば、人の場合は転職や退職など、ビジネスシーンにおいてよく使われています。また、物に対しては、基本的に長年使ってある愛着のあるものに対して使うのが一般的です。

「名残惜しい」の類語

「名残惜しい」の類語・類義語としては、あとに思いが残ってすっきり思い切れないことを意味する「心残り」、物事がすんだあとまでも名残が続くことを意味する「尾を引く」、諦めきれないことを意味する「残念がある」などがあります。

「後ろ髪を引かれる」の意味

「後ろ髪を引かれる」とは

「後ろ髪を引かれる」とは、心残りがしてなかなか思い切れないことを意味しています。

「後ろ髪を引かれる」の使い方

「後ろ髪を引かれる」を使った分かりやすい例としては、「単身赴任で家族と離れて暮らすことになったので後ろ髪を引かれる思いです」「後ろ髪を引かれる思いでその場を立ち去りました」「彼女と別れることにしたがまだ後ろ髪引かれる」などがあります。

「後ろ髪を引かれる」は心残りがしてなかなか思い切れないことことわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。

「後ろ髪を引かれる」は人や物との別れだけではなく、大型連休が終わって仕事が始まるのに未練を感じる場合などのように、別れる以外のニュアンスでも使うことができる言葉です。そのため、とても幅広い範囲で使うことができます。

「後ろ髪を引かれる」の特徴

「後ろ髪を引かれる」は未練があったり踏ん切りがつかない場合に使うのが一般的なので、基本的にマイナスのイメージを伴っていることが多いと覚えておきましょう。

「後ろ髪を引かれる」の類語

「後ろ髪を引かれる」の類語・類義語としては、思い切りが悪いことを意味する「未練がましい」、ある原則に立って物事を単純明快に解釈し結論を出すことができないことを意味する「割り切れない」、自分のしてしまったことをあとになって失敗であったとくやむことを意味する「後悔」などがあります。

「名残惜しい」の例文

1.そろそろお時間となりましたので、名残惜しいですが終了とさせていただきます。
2.このぬいぐるみを捨てるは名残惜しいですが、引っ越し先の家は狭いので持って行くことはできないだろう。
3.中学の友人が遠くへ引っ越すらしく名残惜しいが、新天地でも頑張るよう応援したいです。
4.お世話になった部長が定年退職されると聞いて名残惜しいです。
5.生まれ育った土地を離れるのは名残惜しいですが、新天地でも頑張ろうと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、別れがつらく心残りすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「名残惜しい」は切ない気持ちを表す際に使う言葉です。

「後ろ髪を引かれる」の例文

1.昨日二十歳になったばかりの彼は、後ろ髪を引かれる思いで故郷を後にしました。
2.ペットショップで見かけた仔猫が欲しくなり、後ろ髪を引かれる思いで帰宅しました。
3.海外出張で愛犬と離れなければならず、後ろ髪を引かれる思いです。
4.もうすぐ大学の新学期が始まるので、後ろ髪を引かれる思いで実家を後にしました。
5.地区予選の決勝で敗退が決まり、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。

この言葉がよく使われる場面としては、心残りがしてなかなか思い切れないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にるように、「後ろ髪を引かれる」は切ない気持ちを表す際に使う言葉です。

「名残惜しい」と「後ろ髪を引かれる」はどちらも心残りすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、別れるというニュアンスでのみ使うのが「名残惜しい」、別れる以外のニュアンスでも使えるのが「後ろ髪を引かれる」と覚えておきましょう。

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