似た意味を持つ「断酒」(読み方:だんしゅ)と「禁酒」(読み方:きんしゅ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「断酒」と「禁酒」という言葉は、どちらも「酒をやめること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
断酒と禁酒の違い
断酒と禁酒の違いを分かりやすく言うと、断酒とは主に治療の目的で酒をやめることを表し、禁酒とは主に健康の目的で酒をやめることを表すという違いです。
一つ目の断酒を使った分かりやすい例としては、「家族のためにも断酒することに決めました」「アルコール依存症の治療として断酒しています」「断酒を維持するための薬を飲んでいます」「トレンドは断酒から節酒へと変化しています」などがあります。
二つ目の禁酒を使った分かりやすい例としては、「禁酒したら血圧が下がりました」「禁酒して一週間で顔つきが変わったと言われました」「禁酒を始めて肝臓がきれいになるまでの期間を教えてください」などがあります。
断酒と禁酒という言葉は、どちらも飲酒の習慣がある人が酒を飲むことをやめることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
断酒とは、酒を絶って飲まないことを意味し、アルコール依存症の治療や重篤な健康被害の防止などのために、長期あるいは生涯にわたって完全に酒を断つことを表します。どちらかというと深刻な理由から酒を断つ場合に用いられる言葉です。
禁酒とは、酒を飲むことを禁止することを意味し、健康改善やダイエットなどの目的で一定の期間に酒を飲まないことを表します。深刻な理由からではなく、自主的に期間限定で飲酒をやめる場合に用いられることが多い言葉です。
つまり、断酒とは治療の目的で長期にわたり酒をやめることを表現し、禁酒とは健康の目的で一時的に酒をやめることを意味します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
断酒も禁酒も英語にすると「abstinence」「abstinence from drink」「abstinence from alcohol」となり、例えば上記の「断酒することを決めた」を英語にすると「decided to abstain from alcohol」となります。
断酒の意味
断酒とは、きっぱりと酒をやめることを意味しています。
断酒を使った分かりやすい例としては、「断酒を始めると頭痛が起きることがあります」「断酒をして一週間が経ちました」「断酒は身体的にも心理的にも効果があります」「断酒することでセロトニンの分泌が正常化します」などがあります。
その他にも、「近くの断酒会に入会するつもりです」「断酒をサポートする薬を教えてもらいました」「断酒によって離脱症状が出現する」「断酒で健康的に痩せることができました」「やけに眠いのは断酒の好転反応かもしれません」などがあります。
断酒の「断」は訓読みで「たつ」「ことわる」と読み、物事をやめること、きっぱりと決めることを表します。断酒とは、きっぱりと酒をやめることを意味し、長期あるいは生涯にわたって完全に酒を断つことを表します。
断酒を用いた日本語には「断酒会」があります。断酒会とは、アルコール依存症にかかった人たちが集まり、お互いに励まし合って断酒を継続するための自助グループです。断酒会の例会では、会員一人一人が体験談を語ったり聴いたりします。
断酒の対義語・反対語としては、酒の中に浸っているように絶えず酒を飲んでいることを意味する「酒浸り」などがあります。
断酒の類語・類義語としては、神仏への祈願のため酒を断って飲まないことを意味する「酒断」(読み方:さかだち)、毎日酒を飲む習慣の人が酒を飲まない日を意味する「休肝日」、ある行為をかたく禁止することを意味する「禁断」などがあります。
禁酒の意味
禁酒とは、習慣的に酒を飲んでいたのをやめること、また、酒を飲むことを禁止することを意味しています。
禁酒を使った分かりやすい例としては、「禁酒のメリットはたくさんあります」「禁酒しただけで痩せるなんて信じられません」「禁酒法時代に酒の密造が盛んになりました」「アメリカで禁酒法が制定された理由を知っていますか」などがあります。
その他にも、「禁酒の効果を実感しています」「夫から禁酒をお願いされています」「禁酒アプリをダウンロードする」「近所に禁酒外来があるかネットで調べてみました」「禁酒や禁煙は癌リスクを低減させます」などがあります。
禁酒の「禁」は訓読みで「いさめる」と読み、ある行為に枠をはめて差し止めること、禁じられていることを表します。禁酒とは、酒を一定期間あるいは完全にやめることを意味し、健康上の理由や自主的な目的でアルコールを控えることを表します。
禁酒を用いた日本語には「禁酒法」があります。禁酒法とは、アメリカ合衆国においてアルコール飲料の製造・販売・運搬・輸出入を禁止した法律です。1920年から施行されましたが、密造や密売などが続出したため1933年に廃止されました。
禁酒の対義語・反対語としては、酒を飲むことを意味する「飲酒」、やけになって前後の見さかいもなく飲む酒を意味する「やけ酒」などがあります。
禁酒の類語・類義語としては、飲酒する量を減らすことを意味する「減酒」、酒量を適度に減らすことを意味する「節酒」(読み方:せっしゅ)、ある行為を禁じることやその法規を意味する「禁制」、飲料にアルコール分を含まないことを意味する「ノンアルコール」などがあります。
断酒の例文
この言葉がよく使われる場面としては、酒を絶って飲まないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、断酒という言葉は、アルコール依存症の人が酒を断つ場面で用いられています。
禁酒の例文
この言葉がよく使われる場面としては、酒を飲むことを禁止すること、自ら飲酒をやめることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、禁酒という言葉は、健康改善やダイエットの目的で酒をやめる場面で用いられることが多くあります。
断酒と禁酒という言葉は、どちらも「酒をやめること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、治療の目的で長期にわたり酒をやめることを表現したい時は「断酒」を、健康の目的で一時的に酒をやめることを表現したい時は「禁酒」を使うようにしましょう。