似た意味を持つ「運否天賦」(読み方:うんぷてんぷ)と「勝負は時の運」(読み方:しょうぶはときのうん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「運否天賦」と「勝負は時の運」という言葉は、どちらも運に任せることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「運否天賦」と「勝負は時の運」の違い
「運否天賦」と「勝負は時の運」の意味の違い
「運否天賦」と「勝負は時の運」の違いを分かりやすく言うと、「運否天賦」は勝負事以外でも使える、「勝負は時の運」とは勝負事でしか使えないという違いです。
「運否天賦」と「勝負は時の運」の使い方の違い
一つ目の「運否天賦」を使った分かりやすい例としては、「今日の勝敗は運否天賦で突き進むしかありません」「運否天賦で婚活パーティーに参加することにしました」「最大限の努力はしたのであとは運否天賦に任せよう」などがあります。
二つ目の「勝負は時の運」を使った分かりやすい例としては、「彼は勝負は時の運だと言いました」「勝負は時の運というが、エースが怪我で不在になってしまい試合に負けてしまいました」などがあります。
「運否天賦」と「勝負は時の運」の使い方の違い
「運否天賦」と「勝負は時の運」はどちらも運に任せることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「運否天賦」は勝負事以外でも使えるのに対して、「勝負は時の運」は勝負ごとにしか使えないという点です。
「運否天賦」と「勝負は時の運」の英語表記の違い
「運否天賦」を直訳した英語表現はないのですが、近い表現として「leave luck to heaven」があります。
一方、「勝負は時の運」を直訳した英語表現はないのですが、近い表現として「Victory is sometimes just a matter of luck」があります。
「運否天賦」の意味
「運否天賦」とは
「運否天賦」とは、運の良し悪しは天が決めることを意味しています。
「運否天賦」の読み方
「運否天賦」の読み方は「うんぷてんぷ」です。誤って「うんひてんぶ」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「運否天賦じゃない」「運否天賦だ」
「運否天賦じゃない」「運否天賦だ」などが、「運否天賦」を使った一般的な言い回しになります。
「運否天賦」の使い方
「運否天賦」を使った分かりやすい例としては、「この勝負は運否天賦なんかじゃありません」「運否天賦で結果を待つことにしました」「運否天賦でギャンブルをするくらいなら貯金した方がいいと思う」「人生は運否天賦だと思っています」などがあります。
例えばスポーツの試合や企業の面接の結果などで、全てやることはやり切ったので、あとは天に任せて全力で行くという場合に、「運否天賦」を使います。つまり、自分の運命を自分の力ではなく、天に任せる場合使う言葉と覚えておきましょう。
「運否天賦」の由来
「運否天賦」は具体的な出典があるわけでなく、正確な由来は現在の所不明となっていますが、運のあるなしのことを意味する「運否」と、天から与えたものことを意味する「天賦」が合わさり、運の良し悪しは天が決めることの意味で使われている四字熟語です。
「運否天賦」の類語
「運否天賦」の類語・類義語としては、力のあらん限りを尽くしてあとは静かに天命に任せることを意味する「人事を尽くして天命を待つ」、人には運不運というものがありこの世での境遇なども因果応報によるものではないことを意味する「墜茵落溷」などあります。
「勝負は時の運」の意味
「勝負は時の運」とは
「勝負は時の運」とは、勝ち負けはその時の運によるもので力の強い者が必ず勝つとは限らないことを意味しています。
表現方法は「勝負は時の運だろ」「勝負は時の運だから」
「勝負は時の運だろ」「勝負は時の運だから」などが、「勝負は時の運」を使った一般的な言い回しになります。
「勝負は時の運」の使い方
「勝負は時の運」を使った分かりやすい例としては、「勝負は時の運という言葉があるように、前年度優勝チームが1回戦で敗退することもあります」「勝負は時の運なので今日の負けを受け入れるしかありません」などがあります。
「勝負は時の運」は勝ち負けはその時の運によるもので力の強い者が必ず勝つとは限らないことを意味する言葉ですが、言い換えると、勝ちにも負けにも絶対はないのだから、勝ったからといって驕るべきでもないし、負けたからといって落胆する必要もないとなります。
つまり、勝者は自分を戒めるために使い、敗者に対しては慰めとして使うと覚えておきましょう。
「勝負は時の運」の由来
「勝負は時の運」の由来は古典文学の『太平記』です。『太平記』とは南北朝時代を舞台に、後醍醐天皇が即位して鎌倉幕府の滅亡させてから、建武の新政とその崩壊後の南北朝分裂、足利尊氏が室町幕府を開くまでに描かれた軍事物語になります。
この『太平記』に「軍の勝負は時の運に依る事なれば」という一文があり、これが転じて、勝ち負けはその時の運によるもので力の強い者が必ず勝つとは限らないことを「勝負は時の運」というようになりました。
「勝負は時の運」の類語
「勝負は時の運」の類語・類義語としては、成否は運命に任せて行うことを意味する「運任せ」、人生の幸福や不幸は予測できないことを意味する「人間万事塞翁が馬」(読み方:にんげんばんじさいおうがうま)などがあります。
「運否天賦」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、運の良し悪しは天が決めることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「運否天賦」は結果を天に任せる場合に使う言葉です。
「勝負は時の運」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、勝ち負けはその時の運によるもので力の強い者が必ず勝つとは限らないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「勝負は時の運」は勝負事はその時の運が少なからず影響することを表しています。
「運否天賦」と「勝負は時の運」はどちらも運に任せることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、勝負事以外でも使えるのが「運否天賦」、勝負事でしか使えないのが「勝負は時の運」と覚えておきましょう。