【レトルト食品】と【インスタント食品】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「レトルト食品」と「インスタント食品」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「レトルト食品」と「インスタント食品」という言葉は、どちらも保存のできる食品を連想させるという共通点があり、本来の意味は違いますが混同して使われる傾向があります。




レトルト食品とインスタント食品の違い

レトルト食品とインスタント食品の意味の違い

レトルト食品とインスタント食品の違いを分かりやすく言うと、加熱調理をして食べるものか、お湯を注いで調理をして食べるものかの違いです。

レトルト食品とインスタント食品の使い分け方

レトルト食品という言葉は、日本発祥の言葉で、日本でしか通じないものです。レトルトとは、本来はガラス製または金属製の実験器具のことを指す言葉でした。

しかし、加圧加熱、殺菌を施した袋詰めの食品が発売された際に「レトルト食品」と名付けられたことで、食品の名称として一般に広まりました。

レトルト食品とは、袋詰めにした食品に加圧加熱、そして殺菌をしたもので、主にアルミや合成樹脂の容器に入った状態で販売されています。1年から2年ほどの長期間保存をすることが可能であり、温めるだけで調理を完了することが出来るのが特徴です。

一般的に、レトルト食品は液体状のものが多いとされていますが、広義では缶詰などもレトルト食品に含まれます。加圧加熱殺菌の処理がされていて、温めるだけですぐに食べられるものがレトルト食品であると覚えておくようにしましょう。

一方、インスタント食品というのは、日本語では即席食品と呼ばれます。インスタントという言葉は英語で「手間がかからない」「すぐ出来る」という意味があります。

そこから調理法が簡単で短時間で完成する食品を「インスタント食品」と呼ぶようになりました。

インスタント食品は、お湯を注ぐことで調理が完了する食品のことを指します。一般的には、乾燥または冷凍された状態で販売されており、お湯を注いでかき混ぜる等の簡単な調理をすれば食べられるようになる食品です。

レトルト食品と同じように、長期間保存の出来る商品が多く、乾燥させたものなどは重量も軽いことから、災害時などに非常食として利用されることも多くあります。

しかし、保存期間としては半年ほどのものが多く、レトルト食品より保存出来る期間は短いです。

レトルト食品とインスタント食品の英語表記の違い

レトルト食品を英語表記にすると「retort food」「packed and sterilized food」となり、一方のインスタント食品を英語表記にすると「instant food」となります。

レトルト食品の意味

レトルト食品とは、加熱調理をすればすぐに食べられる長期保存が可能な食品のことを意味しています。レトルトとは本来は実験器具を指す言葉でした。

レトルト食品という言葉は、日本でしか通じない言葉です。海外で「レトルト」と使った場合、それは実験器具を指す言葉になります。「レトルトパウチ」「レトルトカレー」などという単語で使った場合には、海外でも通じる場合があります。

レトルト食品は、加工済みの食品を高圧高温で殺菌して密封したものを指します。普通の食品と違い、1年から2年ほど、常温による長期保存が可能です。

レトルト食品の代表例としては、カレーやシチューなどが挙げられます。パスタのソースや麻婆豆腐などもよく売られている商品です。一般的に液状のもので、加熱調理をするだけで食べられる状態になるものをレトルト食品と呼びます。

インスタント食品の意味

インスタント食品とは、お湯を注いで調理することで即座に食べられる長期保存が可能な食品のことを意味しています。

インスタントとは、英語で「手間のかからない」「手軽である」「即席」などの意味を持つ言葉です。インスタントカメラという言葉もあり、これは、撮影直後すぐに自動現像を行うことが出来るカメラのことを指しています。

上記のような語源により、インスタント食品とは、簡単かつ短時間で調理が完了するように加工されたものであり、なおかつ長期保存が出来るように工夫されているものであると言えます。

インスタント食品の代表例としては、ラーメンやコーヒーなどが挙げられます。乾燥させているタイプとしては、麺類やスープ類、飲み物などが多く売られています。どれも湯を注いでかき混ぜるなどするだけで調理が完了する食品です。

レトルトの例文

1.レトルトとは本来、蒸留や乾留などの実験に用いる器具の名前を示す言葉だった。
2.昔はレトルト食品といえば、アルミ製のパッケージだったけれど、最近は透明なパッケージのものもある。
3.仕事が忙しい時など、レトルト食品があると本当に助かるのだ。
4.レトルトのシチューにチーズを入れて食べると美味しいよ。
5.風邪をひいた時には、レトルトのお粥がとても便利である。
6.レトルト食品は非常食としても役立つが、消費しながら備蓄していくローリングストックと、食べ慣れている味を揃えておくのがポイントらしい。
7.最近の防災グッズはレトルト食品が充実しており、美味しくないものを探すのが難しいくらいだ。
8.一人暮らしでレトルト食品ばかり食べていたら身体に毒なので、たまには手料理を食べさせてやろうと思ってね。
9.今日は地元の子ども食堂で、ひとり親家庭へのお弁当とレトルト食品の配布の準備をしました。
10.そのビーフシチューはレトルト食品とは思えない味で、シェフたちもとてもびっくりしていました。

この言葉がよく使われる場面としては、加熱するだけで調理が完了する食品について話す時などが挙げられます。または、レトルトの本来の意味である蒸留などの実験に用いる器具について話す時なども挙げられます。

レトルトという言葉は、日常から理科実験などに携わる人でない限りは、レトルト食品のことを指します。または「レトルトパウチ」という呼び方をすると、日本だけでなく海外の人にも通じる言葉となります。

レトルト食品は熱加工のみで調理が完了する食品であり、防災用品としても利用できるものです。レトルト食品加熱用の簡易湯沸かしセットなども販売されています。

インスタント食品と違い、液状のため多少の重みはありますが、インスタント食品より保存期間が長いという利点もあります。

インスタントの例文

1.インスタントカメラがとても流行った時代もあったそうだ。
2.セミナーで知り合った彼女とは、インスタントな関係で終わってしまった。
3.冬休みに友達とキャンプに行った時、みんなで外で食べたインスタントラーメンの美味しさが忘れられない。
4.一人暮らしを始めた直後は、よくインスタント食品のお世話になったものだ。
5.インスタント食品は日持ちがするので、防災リュックの中に入れておくようにしている。
6.毎日家族の食事を作っているので、たまに一人での昼ご飯にインスタント食品の焼きそばなどを食べるととてもおいしく感じる。
7.就職してからはインスタント食品ばかり食べていたので、会社の健康診断に引っかかってしまいました。
8.私はインスタント食品が普及した背景には、核家族化の影響もあるのではないかと考えた。
9.防災訓練に参加した住民には、長期保存水、アルファー米、乾パン、インスタント食品などを配布する予定です。
10.私は妻に逃げられてからというもの、マンションのローン返済のため食費を切り詰め、インスタント食品で食いつなぐ毎日であった。

この言葉がよく使われる場面としては、お湯を注ぐだけで調理が完了する食品について話す時などが挙げられます。または、簡単に現像が出来るカメラなどについて話す時なども挙げられます。

インスタントという言葉を使うと、ほとんどの場合が「インスタントラーメン」や「インスタントコーヒー」などを連想させます。これらはお湯を注いでかき混ぜるなどするだけで調理が完了する食品です。

乾燥させた食品がほとんどで、全体的に軽いものが多いのが特徴です。長期保存も可能で、防災用品としても広く活用されているものです。ただし、レトルト食品よりは保存期間が短いものが多いので、注意が必要です。

また、例文2のように、インスタントとは人間関係などについても使える言葉です。「その場限りの」という意味で「インスタントな関係」という風に使います。例文2で言えば、彼女とはその場限りの関係で終わってしまった、という意味です。

インスタントという言葉が「手軽な」「簡単な」「即席の」という意味を持つものであることを覚えておくようにしましょう。

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