似た意味を持つ「しつこい」と「ひつこい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「しつこい」と「ひつこい」という言葉は、どちらも執念深いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「しつこい」と「ひつこい」の違い
「しつこい」は標準語で「ひつこい」は関西の方言
「しつこい」と「ひつこい」の違いを分かりやすく言うと、「しつこい」とは標準語、「ひつこい」とは関西地方で使われている方言という違いです。
「しつこい」と「ひつこい」の使い方の違い
一つ目の「しつこい」を使った分かりやすい例としては、「彼女が作るハンバーグはとてもしつこい味です」「この洗剤はしつこい汚れを落としてくれるので重宝している」「しつこいナンパに困っている」「彼女が勧誘がしつこいので困っています」「しつこくて申し訳ありません」などがあります。
二つ目の「ひつこい」を使った分かりやすい例としては、「このお店の料理はひつこくない味なので何個も食べられそう」「あなたほんまひつこいねん」「ひつこい男性は嫌われます」「ひつこい広告をブロックしたい」などがあります。
「しつこい」と「ひつこい」の使い分け方
「しつこい」と「ひつこい」は全く同じ意味を持つ言葉ですが、「しつこい」は標準語で一般的に使われており、「ひつこい」は関西地方で使われている方言で関西弁になります。意味は同じなので、基本的にどちらを使っても問題はありません。
「しつこい」と「ひつこい」の英語表記の違い
「しつこい」も「ひつこい」も英語にすると「persistent」「insistent」となり、例えば上記の「彼女の勧誘がしつこいので困っています」を英語にすると「I didn’t know what to do because her solicitation was persistent」となります。
「しつこい」の意味
「しつこい」とは
「しつこい」とは、執念深いことを意味しています。その他にも、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことや、付き纏って煩わしいことの意味も持っています。
「しつこい」の使い方
「しつこい」を使った分かりやすい例としては、「しつこい男は嫌われやすい」「しつこい咳を止めるために薬を飲んだ」「このお肉は脂が多くてしつこい味です」「猫がネズミをしつこく追い回す」「興味のない人からしつこくアプローチされて困っている」などがあります。
「しつこい」は複数の意味を持つ言葉ですが、執念深いことや付き纏って煩わしいことの意味は人に対して使うことが多く、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことの意味は物に使われることが多いです。
「しつこい」の語源
「しつこい」の語源は諸説あります。
一つ目は、「躾」(読み方:しつけ)と「濃い」が結びついた説です。「躾」はやることや作ることを意味しており、「濃い」は度合いが強いことを意味しています。それが転じて、「人のやることがくどい」という意味で使われました。
二つ目は、「執」と「濃い」が結びついた説です。「執」は、諦めないことや、とりついて離れないことを意味しており、濃いが合わさることによって、諦めないという要素が更に強くなりました。
三つ目は、「尻腰」(読み方:しっこし)が「しつこし」に変わり、「しつこい」と派生した説です。「尻腰」とは度胸や根性のことを意味しています。
四つ目は、「執拗」を「しつくどい」と読み、それが「しつこい」と派生した説です。
有力なのは一つ目と二つ目の説と言われていますが、未だに正解が分かっていません。
表現方法は「しつこい人」「しつこい性格」「しつこい男」
「しつこい人」「しつこい性格」「しつこい男」「しつこい女」「しつこくする」「しつこくて」などが、「しつこい」を使った一般的な表現方法になります。
「しつこい」の類語
「しつこい」の類語・類義語としては、同じようなことを繰り返し言ってうんざりさせることを意味する「くどい」、困難にあってもへこたれず粘り強いことを意味する「しぶとい」、しつこいことを意味する「執拗」(読み方:しつよう)などがあります。
「ひつこい」の意味
「ひつこい」とは
「ひつこい」とは、執念深いことを意味しています。その他にも、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことや、付き纏って煩わしいことの意味も持っています。
「ひつこい」の使い方
「ひつこい」を使った分かりやすい例としては、「料理はひつこい味付けが好みです」「何度も同じことを聞いてきてひつこいねん」「ひつこい女性に付き纏われて困っている」「ひつこいセールスの電話は鬱陶しい」「背中のひつこいかゆみが治らないで病院に行った」などがあります。
「ひつこい」は関西弁
「ひつこい」は、「しつこい」が音変化した言葉で、関西地方で使われている関西弁になります。標準語ではないので、広く一般的に使われている言葉ではありません。
表現方法は「ひつこいねん」「ひつこい人」「ひつこい性格」
「ひつこいねん」「ひつこい人」「ひつこい性格」「ひつこい男」「ひつこい女」「ひつこくする」「ひつこくて」などが、「ひつこい」を使った一般的な表現方法になります。
「ひつこい」の類語
「ひつこい」の類語・類義語としては、諦めが悪いことを意味する「往生際が悪い」、執念の度が強いことを意味する「執念深い」、邪魔になってうるさいことを意味する「鬱陶しい」、しつこいことを意味する「ねちっこい」などがあります。
「しつこい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、執念深いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことや、付き纏って煩わしいことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4は執念深いことや付き纏って煩わしいことの意味で使っており、例文5は、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことの意味で使っています。
「ひつこい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、執念深いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことや、付き纏って煩わしいことを表現したい時にも使います。
例文1から例文4は執念深いことや付き纏って煩わしいことの意味で使っており、例文5は、味やにおいなどが濃すぎて後に残る感じのことの意味で使っています。
「しつこい」と「ひつこい」はどちらも同じ意味を持つ言葉なので、好きな方を使っても問題ありません。ただし、「しつこい」は標準語で、「ひつこい」は関西地方で使われている方言と覚えておきましょう。