似た意味を持つ「終日」(読み方:しゅうじつ)と「全日」(読み方:ぜんじつ)と「半日」(読み方:はんにち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「終日」と「全日」と「半日」という言葉は、日を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
終日と全日と半日の違い
終日と全日と半日の時間の長さの違い
終日と全日と半日の違いを分かりやすく言うと、終日は1日中だけを表現する時に使い、全日は1日中や毎日を表現する時に使い、半日は1日の半分を表現する時に使うという違いです。
終日と全日と半日の使い分け方
終日という言葉は、「店内は終日禁煙です」「悪天候のため終日閉店になる」などの使い方で、その日1日中を表します。ビジネスシーンで使われる場合は、業務時間や営業時間のの始まりから終わりまでの意味で使われることがほとんどです。
全日という言葉は、「定休日をなくして全日稼働することになった」「元日は全日休み」などの使い方で、毎日や1日中を表します。
半日という言葉は、「この半日の練習の成果が早くも出てきたように思う」「開店して半日で目玉商品が売り切れた」などの使い方で、1日の半分を意味する言葉です。
終日は24時間で全日は24時間以外も
終日はその日限りの24時間を表しますが、全日は24時間でなくとも昼間だけ毎日、夜間だけ毎日と、短い時間でも毎日継続される場合にも使うことが出来ます。
半日は12時間以外も
また、半日は、基本的に24時間の半分である12時間を意味する言葉ですが、日の出から日の入りまでや仕事や学校の就業時間を1日とする場合もあるため、その半分となると12時間でないこともあります。
これらのことから、終日はその1日の24時間を表し、全日は1日中だけでなく全ての日も表し、半日は1日の半分を表すという明確な違いがあります。
終日の意味
終日とは
終日とは、一日中を意味しています。
終日の読み方
終日は「しゅうじつ」という読み方をしますが、「ひすがら」「ひねもす」「ひめもす」「ひもすがら」という読み方もします。どれも朝から晩まで、一日中を意味する言葉に違いはありませんが、名詞である「しゅうじつ」と「ひすがら」以外は副詞として使います。
表現方法は「終日まで」「終日休み」「終日可能」
「終日まで」「終日休み」「終日可能」などが、終日を使った一般的な言い回しです。
終日の使い方
終日を使った分かりやすい例としては、「明日は悪天候のため終日まで運行しておりません」「諸事情により終日お休みを頂きます」「金曜日のアルバイトの出勤については終日可能ですのでシフトに空きが出たら連絡お待ちしています」などがあります。
終日を使った言葉として、「飽食終日」「群居終日」があります。
「飽食終日」の意味
一つ目の「飽食終日」(読み方:ほうしょくしゅうじつ)とは、一日中飽きるほど食べて何もせずに日を過ごすことや、食べるだけ食べて一日を無駄に終えてしまうことを意味する四字熟語です。孔子の言行をまとめた『論語』に書かれている四字熟語です。
「群居終日」の意味
二つ目の「群居終日」(読み方:ぐんきょしゅうじつ)とは、一日中大勢で一緒にいることを意味する四字熟語です。こちらも『論語』に書かれている一句、群居すること終日が四字熟語となったもので、弟子たちが大勢集まり話し合いにならない話し合いをしていたのがきっかけです。
終日の類語
終日の終の字を使った別の言葉としては、生命の終わるまでの間を意味する「終生」、一晩中を意味する「終夜」、その日の仕事を終えることを意味する「終業」、物事が終わりになることを意味する「終結」、物事の始めと終わりを意味する「始終」などがあります。
全日の意味
全日とは
全日とは、すべての日や毎日、一日中を意味しています。
全日の読み方
全日は「ぜんじつ」という読み方をしますが、「ぜんにち」と読むこともあります。
表現方法は「全日とも」「全日参加」「全日休み」
「全日とも」「全日参加」「全日休み」などが、全日を使った一般的な言い回しです。
全日の使い方
全日を使った分かりやすい例としては、「全日とも定員残りわずかですのでお急ぎください」「土日全日参加できるチケットとなっております」「卒業旅行に行くので来週のアルバイトは週5全日休みです」などがあります。
「全日制」の意味
全日を使った言葉として「全日制」と呼ばれる学校の教育課程の一種があります。基本的に修業年限は3年で、日曜や祝日、その他長期休暇以外の週5日から6日、1日6時間程度授業を行います。
同じ教育課程の一種として「定時制」がありますが、こちらは3年以上在籍して74単位以上の単位を取得する教育課程です。全日制は昼間に授業を行いますが、定時制は昼間だけでなく、昼夜部、夜間部と様々なパターンがあるなどの違いがあります。
全日の類語
全日の全の字を使った別の言葉としては、病気や傷が完全に治ることを意味する「全快」、その国全体を意味する「全国」、からだ全体を意味する「全身」、物事の全体を意味する「全般」、残らず滅びることを意味する「全滅」などがあります。
半日の意味
半日とは
半日とは、一日の半分を意味しています。
半日の読み方
半日は「はんにち」とも「はんじつ」とも読みますが、一般的な読み方は前者の「はんにち」です。また、「はんび」という読み方もありますが、この場合奇数日を意味する言葉になります。
表現方法は「半日がかり」「半日作業」「半日漬ける」
「半日がかり」「半日作業」「半日漬ける」などが、半日を使った一般的な言い回しです。
半日の使い方
半日を使った分かりやすい例としては、「1時間で終わる仕事だと思ったが半日がかりとなってしまった」「この求人では半日作業で1万円支給します」「半日漬けるだけで簡単にできる料理です」などがあります。
半日を使った言葉として、「小半日」「半日断食」があります。
「小半日」の意味
一つ目の「小半日」とは、半日近くやかれこれ半日を意味する言葉です。小半日の小という字は、その数に近いがわずかに及ばないという意味がある漢字です。そのため、「小半日」は半日に近いが、半日は経っていないことを意味します。
「半日断食」の意味
二つ目の「半日断食」とは、食べない時間を12時間以上作ることで、身体の脂肪がエネルギー源として使われるため、太りにくい身体になるとされるダイエット方法です。
朝昼晩のどれかを抜く日を週に一度作り、他の日はカロリー制限をせずとも、しっかり水分補給を行うことで胃に負担をかけることなく痩せることが出来ると話題になりました。
半日の類語
半日の半の字を使った別の言葉としては、ある金額の半分を意味する「半額」、半分に減ることを意味する「半減」、半分ずつに分けることを意味する「折半」、前後二つに分けた前の方の半分を意味する「前半」などがあります。
終日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一日中を意味する時などが挙げられます。
例文1のようなビジネスシーンで使われる「終日」は24時間を表す終日ではなく、該当者の勤務時間の始まりから終わりまでを表す言葉となります。
また、例文3も24時間営業の店舗でなければ、その店舗の営業時間の始まりから終わりまでを指す言葉となります。
全日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一日中だけでなく毎日や全ての日を意味する時などが挙げられます。
どの例文もイベントなどが行わる複数の日程全てを指すために「全日」という言葉使っている例文です。一日中を意味する場合は「終日」が多く使われ、「全日」は複数の日をまとめる場合に使われることが多いです。
半日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、1日の半分を意味する時などが挙げられます。
例文1のような料理における「半日」は4時間から6時間が目安とされています。また、一晩は8時間から10時間が目安とされています。また、「寝かせる」とは具材に味を染み込ませる、熟成させるといった意味があります。
終日と全日と半日どれを使うか迷った場合は、一日中を表す場合は「終日」を、一日中や全ての日を表す場合は「全日」を、一日の半分を表す場合は「半日」を使うと覚えておけば間違いありません。