【一所懸命】と【一生懸命】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「一所懸命」(読み方:いっしょけんめい)と「一生懸命」(読み方:いっしょうけんめい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一所懸命」と「一生懸命」という言葉は、どちらも命懸けで物事に当たることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「一所懸命」と「一生懸命」の違い

「一所懸命」と「一生懸命」の使い分け方

「一所懸命」と「一生懸命」の違いを分かりやすく言うと、「一所懸命」とは一般的に使われていない、「一生懸命」とは一般的に使われているという違いです。

「一所懸命」と「一生懸命」の使い方の違い

一つ目の「一所懸命」を使った分かりやすい例としては、「一所懸命に仕事に取り組む姿勢はかっこいい」「一所懸命努力し日々精進して参ります」「落とし物を一所懸命に探したらやっと見つけることができた」などがあります。

二つ目の「一生懸命」を使った分かりやすい例としては、「私が学生時代一生懸命打ち込んだことは部活動です」「一生懸命勉強を教えてくれる女性に惚れてしまった」「子供を大学に行かせるために一生懸命働いてる「一生懸命頑張ります」などがあります。

公的な場や履歴書では「一所懸命」よりも「一生懸命」

「一所懸命」と「一生懸命」は同じ意味を持っているので、どちらの言葉を使っても問題ないのですが、「一生懸命」の方を使うのが一般的になっています。特に、新聞やテレビのニュースなどの公的な場では「一生懸命」の方で統一されています。

履歴書や採用面談などのビジネスシーンにおいても「一生懸命」の方を使うようにしましょう。

元々、「一生懸命」という言葉はなく、一か所の領地を命懸けで守り生活の頼みとする「一所懸命」という言葉の誤用として扱われていました。

しかし、時代が進むにつれて、「一生」という漢字の方が「一所」よりも、命懸けで取り組むというニュアンスが伝わりやすかったため、「一生懸命」の方が主流になりました。

「一所懸命」と「一生懸命」の英語表記の違い

「一所懸命」も「一生懸命」も英語にすると「very hard」「try one’s best」となり、例えば上記の「一生懸命頑張ります」を英語にすると「I will try my best」となります。

「一所懸命」の意味

「一所懸命」とは

「一所懸命」とは、命懸けで物事に当たることを意味しています。その他にも、一か所の領地を命懸けで守り生活の頼みとすることの意味も持っています。

「一所懸命」の使い方

「一所懸命」を使った分かりやすい例としては、「一所懸命な人はモテる」「試合で負けて涙を流すのは一所懸命に取り組んできた証拠です」「一所懸命さは人の心を打つことができる」「彼はいつ見ても一所懸命に働いてるように見えない」などがあります。

「一所懸命」の由来

「一所懸命」は、中世の武士が先祖から受け継いだ土地を命懸けで守ることが由来になっています。近世以降は、命懸けで守ることが転じて、命懸けで物事に当たることの意味で使われることが多くなり、現代ではこちらの意味で使うのが一般的なりました。

「一所懸命」という言葉は、あまり使われなくなったものの、歌舞伎の挨拶などでは頻繁に使われています。

表現方法は「一所懸命頑張る」「一所懸命に取り組む」「一所懸命な人」

「一所懸命頑張る」「一所懸命に取り組む」「一所懸命な人」などが、「一所懸命」を使った一般的な言い回しになります。

「一所懸命」の類語

「一所懸命」の類語・類義語としては、一つのことに集中して、他のことに心を奪われないことを意味する「一心不乱」、何かに心を奪われて我を忘れることを意味する「無我夢中」、嘘偽りなく真心を持って当たることを意味する「誠心誠意」などがあります。

「一所懸命」の所の字を使った別の言葉としては、ある範囲を管轄することを意味する「所轄」、志していることを意味する「所志」、心の中で思っていることを意味する「所思」、人の生まれた所を意味する「所出」、信じていることを意味する「所信」などがあります。

「一生懸命」の意味

「一生懸命」とは

「一生懸命」とは、命懸けで物事に当たることを意味しています。

「一生懸命」の使い方

「一生懸命」を使った分かりやすい例としては、「一生懸命な姿は人の心を動かす」「一生懸命落とし物を探している」「一生懸命挨拶する男性はとても好印象です」「一生懸命相談に乗ってくれた男性を好きになってしまった」などがあります。

「一生懸命」の由来

「一生懸命」という言葉は、元々「一所懸命」の誤用だったのですが、命懸けで物事に当たることを表現するには、「一所」よりも「一生」の方がニュアンスが伝わりやすかったため、「一生懸命」の方を使うのが一般的になりました。

「一生懸命頑張る」「一生懸命に取り組む」「一生懸命な人」

「一生懸命頑張る」「一生懸命に取り組む」「一生懸命な人」「一生懸命な姿勢」などが、「一生懸命」を使った一般的な言い回しになります。

「一生懸命」の類語

「一生懸命」の類語・類義語としては、他に心を動かされず一つのことに心を集中することを意味する「一意専心」(読み方:いちいせんしん)、一つのことを心集中することを意味する「専念」、一つの物事だけに心を向けていることを意味する「直向き」(読み方:ひたむき)などがあります。

「一生懸命」の命の字を使った別の言葉としては、死ぬ覚悟で物事をすることを意味する「命懸け」、命を捨てる覚悟で物事に向かうことを意味する「命を懸ける」、寿命を縮めるほど苦労することを意味する「命を削る」などがあります。

「一所懸命」の例文

1.仕事を一所懸命頑張ってる男性は、女性からの人気がとても高いです。
2.高校三年間一所懸命野球に取り組んできたので、甲子園中止の知らせを聞いた時は、膝から崩れ落ちた。
3.これからは、仕事と家庭が両立できるように一所懸命務めて参ります。
4.一所懸命に取り組んでも失敗することがあるが、恥ずかしいことではありません。
5.何としても志望校に合格したいので、試験勉強を一所懸命に頑張ります。
6.彼女は将来の夢に向かって一所懸命に努力しているので、きっと実現することでしょう。
7.私はまだ入社して日が浅く未熟者ですが、一所懸命努力し日々精進して参る所存でございます。
8.彼は落とし物を一所懸命に探してやっと見つけることができたが、すでに日が暮れてしまいました。
9.友人は家族の借金を返済するために一所懸命働いていて、その苦労を見ていて涙が出そうです。
10.日本が経済大国になったのは、世のサラリーマンたちが一所懸命に頑張って成果を出したおかげなのです。

この言葉がよく使われる場面としては、命懸けで物事に当たることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、一か所の領地を命懸けで守り生活の頼みとすることを表現したい時にも使います。

上記の例文のように、前向きな意味で使われることが多い言葉になります。また、一か所の領地を命懸けで守り生活の頼みとすることの意味で使われることはほどんど無くなりました。

「一生懸命」の例文

1.仕事に一生懸命な女性は、男性から好意を抱かれやすいという記事を見ました。
2.今はレギュラーになれていないのですが、一生懸命練習してレギュラーを勝ち取りたい。
3.一日でも早くこのチームの戦力になれるように、一生懸命精進致します。
4.彼からは一生懸命さが伝わってくるので、全力で応援するし、支援してあげよう。
5.人間は目の前にあることを一生懸命にやることが大事ですという言葉に感動した。
6.例え結果は伴わなくとも、一生懸命頑張る姿はそれだけで賞賛する価値がある。
7.私達は勉強に一生懸命な若者を応援するために、独自に奨学金制度を設けました。
8.この会社で一生懸命に働いている社員たちは、経営者からの信頼も厚く、若手でも昇進のチャンスも多いと言われています。
9.ボランティア活動に一生懸命取り組む学生たちは、社会貢献の意識が高く、将来的には社会的なリーダーになることが期待されています。
10.私は一生懸命サックスを練習したが、一週間でマスターできるほど容易ではありませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、命懸けで物事に当たることを表現したい時などが挙げられます。

「一生懸命」という言葉は、日常生活でもビジネスシーンでも見かけることがある人は多いでしょう。

「一所懸命」と「一生懸命」は同じ意味を持つ言葉なので、どちらを使っても問題はないのですが、「一生懸命」の方が一般的に使われていると覚えておきましょう。また、新聞やテレビのニュースなのど公共の場では「一生懸命」の方に統一されています。

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