【すこぶる】と【しこたま】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「すこぶる」と「しこたま」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「すこぶる」と「しこたま」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「すこぶる」と「しこたま」の違い

「すこぶる」と「しこたま」の意味の違い

「すこぶる」と「しこたま」の違いを分かりやすく言うと、「すこぶる」とは物事の程度が度合いをはるかに超えていること、「しこたま」とは数量が多いことという違いです。

「すこぶる」と「しこたま」の使い方の違い

一つ目の「すこぶる」を使った分かりやすい例としては、「最近業績が良いので社長はすこぶる上機嫌だ」「大型連休でゆっくり休んだのですこぶる元気です」「今日はすこぶる調子が良いので試合には勝てそうだ」「彼女はすこぶる喜んでいる」などがあります。

二つ目の「しこたま」を使った分かりやすい例としては、「業務上のミスをしてしまったのでしこたま怒られる」「新しい商売を始めたらしこたま儲かった」「バイキングなので料理をしこたま食べる」などがあります。

「すこぶる」と「しこたま」の使い分け方

「すこぶる」と「しこたま」は似ていますが意味は異なっているので注意しましょう。

「すこぶる」は、物事の程度が度合いをはるかに超えていることで、「非常に」や「たいそう」という意味です。例えば上記の「すこぶる元気です」は、非常に元気ですやたいそう元気ですという意味を持つ言葉になります。

もう一方の「しこたま」は、数量が多いこととを表す俗的な言い方で、「たくさん」や「どっさり」という意味です。例えば上記の「しこたま怒られる」は、たくさん怒られるという意味を持つ言葉になります。

上記のように意味が異なっているのでお互いに置き換えることができません。例えば「最近業績が良いので社長はすこぶる上機嫌だ」を「最近業績が良いので社長はしこたま上機嫌だ」とすることはできません。

反対に、「業務上のミスをしてしまったのでしこたま怒られる」を「業務上のミスをしてしまったのですこぶる怒られる」とすることもできません。

「すこぶる」と「しこたま」の英語表記の違い

「すこぶる」を英語にすると「very」「very much」「extremely」「highly」となり、例えば上記の「彼女はすこぶる喜んでいる」を英語にすると「She is very pleased」となります。

一方、「しこたま」を英語にすると「many」「a lot of」「great deal」となり、例えば上記の「ビールをしこたま飲む」を英語にすると「Consume a great deal of beer」となります。

「すこぶる」の意味

「すこぶる」とは

「すこぶる」とは、物事の程度が度合いをはるかに超えていることを意味しています。

「すこぶる」の使い方

「すこぶる」を使った分かりやすい例としては、「私を疑うなんてすこぶる迷惑な話だ」「宝くじがあたったのですこぶる愉快です」「すこぶる元気な息子さんですね」「当店はすべてアウトレット品ですが状態はすこぶる良好です」などがあります。

その他にも、「あなたのことがすこぶる好きです」「今日はすこぶる熱いので熱中症に気をつけよう」「新しくパソコンを購入したがファンの音がすこぶる静かで使い心地が良い」「彼女はすこぶる付きの美人です」などがあります。

「すこぶる」は、物事の程度が度合いをはるかに超えていることで、「非常に」や「たいそう」という意味で使います。例えば上記の「私を疑うなんてすこぶる迷惑な話だ」は私を疑うなんて非常に迷惑な話だという意味になります。

「すこぶる」は物事の程度が度合いをはるかに超えている場合に使うので、少しだけやちょっとだけだった場合には使いません。また、物事を強調したい時に使うため、プラスな言葉とマイナスな言葉両方で使うことができます。

「すこぶる」の漢字表記

「すこぶる」を漢字で表すと「頗る」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。

表現方法は「すこぶる可愛い」「すこぶる悪い」「すこぶる好き」

「すこぶる悪い」「すこぶる良好」「すこぶる良い」「すこぶる元気」「すこぶる迷惑」「すこぶる可愛い」「すこぶる好き」などが、「すこぶる」を使った一般的な表現方法になります。

「すこぶる」の類語

「すこぶる」の類語・類義語としては、物事が重大であることを意味する「大変」、程度が甚だしいことを意味する「とても」、並みの程度ではないことを意味する「非常」、程度がこの上ないことを意味する「極めて」、一番上等であることを意味する「極」などがあります。

「しこたま」の意味

「しこたま」とは

「しこたま」とは、数量が多いことを意味しています。

「しこたま」の使い方

「しこたま」を使った分かりやすい例としては、「お酒をしこたま飲んだので何を食べたか記憶にない」「宿題を連続で忘れてしまったので先生からしこたま怒られる」「お腹が空いていたのでしこたま料理を注文した」などがあります。

その他にも、「酒をしこたま飲んでから食べるラーメンは美味しい」「バーゲンだったので衣類をしこたま買い込んだ」「彼の話が面白くてしこたま笑ってしまった」「久々にしこたま酔っ払うほど飲みました」「新しい事業が成功してしこたま儲けました」などがあります。

しこたまは数量が多いことを表す俗的な言い方で、「たくさん」や「どっさり」という意味で使います。例えば上記の「お酒をしこたま飲んだので何を食べたか記憶にない」はお酒をたくさん飲んだので何を食べたか記憶にないという意味になります。

また、「しこたま」は上品さに欠ける表現方法なので、かしこまった場面で使うのは控えるようにしましょう。

「しこたま」の語源

「しこたま」の語源は九州の方言の「しこ」と「たま」が合わさった言葉になります。「しこ」とは「これしかない」の「しか」のことで、相撲の「四股」が当て字で使われていたので重さを表す意味の言葉です。

もう一方の「たま」はたくさんあることを意味する「たんまり」の略になっています。これらが転じて、「しこたま」は非常に数量が多いことの意味で使われるようになりました。

表現方法は「しこたま飲む」「しこたま飲んでから」「しこたま食べる」

「しこたま飲む」「しこたま飲んでから」「しこたま食べる」「しこたま怒られる」「しこたま笑う」などが、しこたまを使った一般的な表現方法になります。

「しこたま」の類語

「しこたま」の類語・類義語としては、たくさんあることを意味する「山程」、非常に多いことを意味する「たんまり」、数量の多いことを意味する「たくさん」、言動や物事が大げさなことを意味する「仰山」(読み方:ぎょうさん)などがあります。

「すこぶる」の例文

1.今年は例年よりもすこぶる寒いので、防寒をしっかりして風邪を引かないようにしよう。
2.体調がすこぶる悪いので、会社を休んで一日ゆっくりと休むことにしました。
3.彼女はここ数ヶ月試合に勝ち続けており、コンデションはすこぶる良好です。
4.課長の機嫌がすこぶる悪い日に仕事で重大なミスをしてしまうなんて、私もついてないな。
5.祖母はもうすぐ90歳になるが、すごぶる元気なのでまだまだ長生きするだろう。
6.アメリカ西海岸で見る夕暮れはすこぶる美しく、私の心を惹き付けて離さない。
7.朝から物事が全てすこぶる順調に進むので嬉しい反面、何か良くないことが待っていそうでドキドキする。
8.小学校の頃、放課後帰宅せずに暗くなるまで一人で夢中で虫取りして帰ったら、心配していた母親にすこぶる怒られたことがある。
9.友人は同年代の男性よりも上の世代にすこぶる評判がいいのでいつもおねだりして何か買ってもらっているらしい。
10.京都観光するも日差しが強くすこぶる暑かったので、どこか甘味処にでも立ち寄りかき氷を食べようということになった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の程度が度合いをはるかに超えていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、体調を表現する場合によく使われています。

「しこたま」の例文

1.明日は会社の忘年会なので、しこたま食べてしこたま飲む予定です。
2.高速道路を自転車に乗って走っていたので、警察官からしこたま怒られました。
3.若い頃にしこたま稼いだので、港区のマンションを購入することができました。
4.明日から正月休みなので、近所のスーパーでしこたまお酒とおつまみを買いました。
5.この地域は避難勧告が出ているので、バックに必要な物をしこたま詰め込む家を出る。
6.夏休みに蝉の抜け殻をしこたま拾って帰ったら、蝉が苦手な母は悲鳴をあげて驚きすぐに捨ててくるよう言われた。
7.せっかく高級中華の食べ放題に来たのだからしこたま食べないと損だといって友人は料理を山盛りにして持ってきた。
8.有名ユーチューバーのなかには億単位でしこたま儲けている人もいるというというのだから何がうまく行くかわからないものだ。
9.叔母はドがつくほどのケチでめったにお金を使わず、お金というお金はしこたま貯め込んでいたようだ。
10.美味しかったのもあるが、勧められるがままに酒をしこたま飲んだ。

この言葉がよく使われる場面としては、数量が多いことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「たくさん」や「どっさり」ということを俗的な言い方でよく使われています。

「すこぶる」と「しこたま」はどちらを使うか迷った場合は、物事の程度が度合いをはるかに超えていることを表現したい時は「すこぶる」を、数量が多いことを表現したい時は「しこたま」を使うと覚えておきましょう。

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