同じ「そうい」という読み方の「相違」と「相異」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「相違」と「相異」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
相違と相異の違い
相違と相異の意味の違い
相違と相異の違いを分かりやすく言うと、相異よりも相違の方が一般的に使われているという違いです。
相違と相異の使い方の違い
一つ目の相違を使った分かりやすい例としては、「仲が良くても意見の相違が生じるものだ」「この方法なら成功するに相違ない」「申請のとおり相違ないことを証明します」「類似点と相違点をはっきりさせる」などがあります。
二つ目の相異を使った分かりやすい例としては、「実態と相異がある描写であった」「労資の主張の相異点を整理しよう」「相異なる2つの実数解をもつ条件を求めなさい」「相異なるきらめきを放つ美しい宝石」などがあります。
相違と相異の使い分け方
相違と相違という言葉は、どちらも「そうい」と読み、二つの間に違いがあり同じでないことを意味する同音同義語です。二つの言葉は同じ意味を持つ言葉なので、互いに置き換えることができます。ただし、相違と表記されることが一般的であり、相異はあまり使われていません。
「そうい」を国語辞書で調べると、相異の記載はなく、相違という言葉のみが記載されていることがあります。辞書によっては「相違は相異とも書く」と記されているので、相異と書いても間違いではなのですが、相違という表記が主流であることを覚えておきましょう。
また、「相異」は「相異なる」と書いて「あいことなる」と読みます。互いに違っているという意味であり、相違とほぼ同じ意味を持ちますが、「そういなる」ではなく「あいことなる」と読むことに注意しましょう。
相違と相異の英語表記の違い
相違も相異も英語にすると「difference」「discrepancy」「variance」となり、例えば上記の「意見の相違」を英語にすると「differences of opinion」となります。
相違の意味
相違とは
相違とは、二つのものの間にちがいがあることを意味しています。
相違の使い方
相違を使った分かりやすい例としては、「記録内容は事実と相違がある」「あなたと私の認識に相違があるようだ」「原本と相違ありません」「案に相違する結果となった」「お代は相違なく受け取りました」などがあります。
その他にも、「記載内容に相違ございません」「これは貴方のものに相違がないかご確認ください」「私が落としたものに相違ないです」「サービス料は含めない認識で相違ございませんでしょうか」などがあります。
相違という言葉は、互いにや共にという意味を持つ「相」と、食いちがうことや正しいものと一致しないことを意味する「違」が組み合わさった言葉です。相違とは、二つのものの間にちがいがあることや、一定の基準をもとにして事物をくらべたときの基準との差を表します。
表現方法は「案に相違する」「相違がない」「相違がある」
相違を用いた言い回しには「案に相違する」「相違がない」「相違がある」があります。
「案に相違する」とは、考えていたことと違うことや、予想が外れることを意味します。「相違がない」とは、まちがいがないことや確実であることを意味します。どちらも「案に相異する」「相異ない」とすることはありません。
相違の対義語
相違の対義語・反対語としては、二つ以上のものがぴったり一つになることを意味する「一致」、二つ以上のもののどれにもあることやどれにも当てはまることを意味する「共通」、二つ以上の事柄がぴったりと照合や対応することを意味する「符号」などがあります。
相違の類語
相違の類語・類義語としては、他のものと異なる点や物と物の違いを意味する「差異」、一致しないことやぴったり合わないことを意味する「不一致」、二つの物事がかけ離れていることや非常に差があることを意味する「懸隔」などがあります。
相異の意味
相異とは
相異とは、互いに異なることを意味しています。
相異の使い方
相異を使った分かりやすい例としては、「両者の相異の根源には宗教がある」「文化の相異を認め合う」「予想と結果に大きな相異がみられた」「地域条件の相異を踏まえて戦略を立てる」「夫婦間の価値観に相異が生じる」などがあります。
その他にも、「相異なる2点で交わる範囲を求めよ」「相異なる6個の自然数があります」「相異なるデザイン案を3つ出して」「相異なる複数の成分を同時に検出できる装置だ」「星は時間も空間も相異なるところに存在する」などがあります。
相異という言葉は、互いにや共にという意味を持つ「相」と、他と違っていることや別のことの意味を持つ「異」が組み合わさった言葉です。相異とは、互いに異っていることを表し、相違と同じ意味で使われています。
相異の読み方
相異は「そうい」と読みますが、「なる」という助動詞が伴う場合は「あいことなる」と訓読みをします。「相異なる」という表現は数学で用いられることが多く、上記の「相異なる2点」とは、座標上に重ならなずに存在する別個の2点を表します。
相異の対義語
相異の対義語・反対語としては、ぴったり合うことや一致することを意味する「合致」、互いに共通点があることや似かようことを意味する「類似」、形や性質が互いによく似ていることを意味する「相似」などがあります。
相異の類語
相異の類語・類義語としては、物事と物事の間の性質・状態・程度などの違いや隔たりを意味する「差」、二つ以上の物事の間の差を意味する「開き」、二つのものの間にある隔たりを意味する「径庭」などがあります。
相違の例文
この言葉がよく使われる場面としては、二つの間に差があり同じでないことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「相違点」とは、複数の事柄について互いに異なっている性質や値を意味し、「共通点」とは、二つ以上のものに共通して存在する物事や性質を意味します。
相異の例文
この言葉がよく使われる場面としては、互いに異なることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「見解の相異」とは、考え方や解釈が互いに食い違うことや、意見が一致しないことを意味します。例文4や例文5にある「相異なる」は「あいことなる」と読み、相異を相違に置き換えることはできません。
相違と相異という言葉は、どちらも「そうい」と読み、互いに同じでないことを意味する同音同義語の言葉です。どちらを使うか迷った場合、一般的に使われている「相違」を使っておけば間違いないでしょう。