似た意味を持つ「重ねて」(読み方:かさねて)と「重ね重ね」(読み方:かさねがさね)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「重ねて」と「重ね重ね」という言葉は、どちらも同じようなことが繰り返されることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「重ねて」と「重ね重ね」の違い
「重ねて」と「重ね重ね」の意味の違い
「重ねて」と「重ね重ね」の違いを分かりやすく言うと、「重ねて」よりも「重ね重ね」の方が繰り返す回数が多いという違いです。
「重ねて」と「重ね重ね」の使い方の違い
一つ目の「重ねて」を使った分かりやすい例としては、「この度は、様々なお気遣いをいただきまして重ねて御礼申し上げます」「ご迷惑をお掛けしたことを重ねてお詫び申し上げます」「重ねて言うがそれについては私は何も知りません」などがあります。
二つ目の「重ね重ね」を使った分かりやすい例としては、「重ね重ね申し訳ありませんが、ご検討のほどよろしくお願いいたします」「社長就任、重ね重ねお祝い申し上げます」などがあります。
「重ねて」と「重ね重ね」の使い分け方
「重ねて」と「重ね重ね」はどちらも同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。結論から申し上げますと、「重ねて」よりも、「重ね重ね」の方が繰り返す回数が多いというのが違いになります。
分かりやすい例を挙げると、2回目のお詫びであれば「重ねてお詫び申し上げます」が適していますが、3回目以降のお詫びであれば「重ね重ねお詫び申し上げます」が適していると覚えておきましょう。
また、後ろの文章を強調したい場合に、「重ね重ね」を使うというのも違いの一つです。
「重ねて」と「重ね重ね」の英語表記の違い
「重ねて」も「重ね重ね」も英語にすると「repeat」「again」となり、例えば上記の「重ねて言うがそれについては私は何も知りません」を英語にすると「I must repeat that I know nothing about it」となります。
「重ねて」の意味
「重ねて」とは
「重ねて」とは、同じことを繰り返すことを意味しています。
表現方法は「重ねてお礼申し上げます」「重ねてありがとうございます」
「重ねてお礼申し上げます」「重ねてありがとうございます」「重ねてになりますがよろしくお願いします」などが、「重ねて」を使った一般的な言い回しになります。
「重ねて」の使い方
「重ねて」を使った分かりやすい例としては、「彼は何度も遅刻しているので重ねて注意する」「終了時間厳守ついても重ねてお願い申し上げます」「この度はノーベル賞受賞について重ねてお祝い申し上げます」などがあります。
「重ねて」は再びやもう一度というニュアンスで使う言葉で、つまり同じことを繰り返すことを意味している言葉です。また、狂言の世界ではこの次や今後という意味で使われていますが、あまり一般的ではないので頭の片隅に入れておけばいいでしょう。
「重ねてお礼申し上げます」や「重ねてお詫び申し上げます」は締めの言葉
「重ねて」は「重ねてお礼申し上げます」や「重ねてお詫び申し上げます」のような言い回しで、ビジネスメールや手紙の文末や締めとしてよく使われています。
「重ねてお詫び申し上げます」は深い謝罪の言葉
また、深い謝罪を表現したい場合には「重ねてお詫び申し上げます」という言い回しを使います。ただ謝罪するのではなく、「重ねて」という言い回しを付け加えることによって、相手に対して真摯な謝罪をすることができます。
「重ねて」の類語
「重ねて」の類語・類義語としては、度も繰り返すことを意味する「幾重にも」、ある動作が二度も三度も行われることを意味する「再三」、繰り返すことを意味する「繰り返し」などがあります。
「重ね重ね」の意味
「重ね重ね」とは
「重ね重ね」とは、同じようなことが繰り返されることを意味しています。その他にも、念入りに相手に頼み込むことの意味も持っています。
表現方法は「重ね重ねのご連絡」「重ね重ねお手数」「重ね重ねありがとう」
「重ね重ねのご連絡」「重ね重ねお手数」「重ね重ねありがとう」「重ね重ねおめでとう」などが、「重ね重ね」を使った一般的な言い回しになります。
「重ね重ね」の使い方
「重ね重ねご迷惑をおかけしました」「重ね重ね申し訳ございません」などの文中で使われている「重ね重ね」は、「同じようなことが繰り返されること」の意味で使われています。
一方、「多大なるご迷惑をおかけしたことを重ね重ねお詫び申し上げます」「重ね重ね申し訳ありませんが、どうぞご査収ください」などの文中で使われている「重ね重ね」は、「念入りに相手に頼み込むこと」の意味で使われています。
「重ね重ね」は「重ねて」をさらに強めた表現なので、同じことをさらに繰り返す場合や、強く念入りに頼みこむという意味で使う言葉です。
「重ね重ね」はあとに続く言葉によって、お礼や祝福、お願いや対応、お詫びや謝罪など使い分けることができます。
「重ね重ねお礼申し上げます」「重ね重ねお祝い申し上げます」は祝福の言葉
例えば「重ね重ねお礼申し上げます」「重ね重ねお祝い申し上げます」とすると、お礼や祝福になり、「重ね重ね申し訳ありませんがご検討のほどよろしくお願いします」とするとお願いや対応の意志表示を表すことができます。
「重ね重ねお詫び申し上げます」はお詫びの言葉
また、「重ね重ねお詫び申し上げます」とすると、お詫びや謝罪のニュアンスになります。
「重ね重ね」の類語
「重ね重ね」の類語・類義語としては、ある動作を繰り返すことを意味する「返す返す」、何度も繰り返し行われることを意味する「度々」(読み方:たびたび)、物事が度重なることを意味する「繁々」(読み方:しげしげ)などがあります。
「重ねて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては同じことを繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2のような「重ねてお詫び申し上げます」は深く謝罪する場合に使います。また、例文4や例文5の「重ねてお礼申し上げます」は繰り返しお礼を伝える場合に使う表現です。
「重ね重ね」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じようなことが繰り返されることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、念入りに相手に頼み込むことを表現したい時にも使います。
例文1や例文2のような「重ね重ねお詫び申し上げます」は深く謝罪する場合に使います。
「重ねて」と「重ね重ね」はどちらも同じようなことが繰り返されることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「重ねて」よりも「重ね重ね」の方が繰り返す回数が多いと覚えておきましょう。