似た日本語の「略儀ながら」(読み方:りゃくぎながら)と「末筆ながら」(読み方:まっぴつながら)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「略儀ながら」と「末筆ながら」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「略儀ながら」と「末筆ながら」の違い
「略儀ながら」と「末筆ながら」の意味の違い
「略儀ながら」と「末筆ながら」の違いを分かりやすく言うと、「略儀ながら」とは正式な手続きを一部省略して簡単にすること、「末筆ながら」とは手紙やメールなどで末尾につける締めの言葉という違いです。
「略儀ながら」と「末筆ながら」の使い方の違い
一つ目の「略儀ながら」を使った分かりやすい例としては、「略儀ながら書面をもちましてご挨拶申し上げます」「略儀ながら寸書にてご挨拶を申し上げます」「略儀ながらまずは書面にてお詫び申し上げます」などがあります。
二つ目の「末筆ながら」を使った分かりやすい例としては、「末筆ながら、寒さ厳しき折くれぐれもお身体ご自愛下さい」「末筆ながら奥様によろしお願いします」「末筆ではございますが今後ともご指導ほどよろしくお願い申し上げます」などがあります。
「略儀ながら」と「末筆ながら」の使い分け方
「略儀ながら」と「末筆ながら」はどちらも手紙やメールの結びとして使われる言葉ですが、意味は異なっているので間違って使わないように注意しましょう。
「略儀ながら」は、正式な手続きを一部省略して申し訳ないという詫びてる気持ちがあるのに対して、「末筆ながら」は、最後になりますがという締めの言葉として使い詫びる気持ちが含まれていないことが違いです。
「略儀ながら」と「末筆ながら」の英語表記
「略儀ながら」は日本語では使われている言葉ですが、英語表現はありません。
一方、「末筆ながら」も英語表現はないのですが、近い表現として「at last」「Finally」などがあります。
「略儀ながら」の意味
「略儀ながら」とは
「略儀ながら」とは、正式な手続きを一部省略して簡単にすることを意味しています。
「略儀ながら」の使い方
「略儀ながら」を使った分かりやすい例としては、「略儀ながら書面にてご挨拶申し上げます」「略儀ながら書面にてお礼かたがた退任のご挨拶とさせていただきます」「略儀ながらメールにてお礼申し上げます」などがあります。
「略儀ながら」は、正式な手続きを一部省略して簡単にしたやり方のことを意味する「略儀」と、~ではあることを意味する「ながら」が合わさり、正式な手続きを一部省略して簡単になりますがという意味を持つ書き言葉です。
「略儀ながら」は手紙やメールで使われる
「略儀ながら」を使う場面としては、手紙やメールなどになります。直接会えない場合に、本来なら直接お会いするべきところを書面になって申し訳ないですという気持ちを込めて使用します。
「略儀ながら」をより丁寧にすると「略儀ではございますが」
「略儀ながら」は敬語ではないものの丁寧な表現であるため、ビジネスシーンなどで目上の人に対しても使うことが可能です。また、「略儀ながら」をさらに丁寧にした表現として「略儀ではございますが」があります。
「略儀ながら」は文末で結びとして使う
「略儀ながら」を使う上で注意しなければならない点があります。それは、必ず文末で結びとして使うことです。間違っても文頭や文中で使わないように注意しましょう。
表現方法は「略儀ながら書中にてご報告」「略儀ながら書面にてご報告」
「略儀ながら書中にてご報告」「略儀ながら書面にてご報告」「略儀ながらメールてにて」「略儀ではございますがまずはお礼かたがたご挨拶申し上げます」などが、「略儀ながら」を使った一般的な言い回しになります。
「略儀ながら」の類語
「略儀ながら」の類語・類義語としては、正式の手続きを一部省略して簡単にしたやり方のことを意味する「略式」、手紙などで急を要することを表わすことを意味する「取り急ぎ」などがあります。
「末筆ながら」の意味
「末筆ながら」とは
「末筆ながら」とは、手紙やメールなどで末尾につける締めの言葉を意味しています。
「末筆ながら」の使い方
「末筆ながら」を使った分かりやすい例としては、「末筆ながら皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます」「末筆ながら一日も早いご回復をお祈りいたしております」「末筆ながらどうぞお元気で心地良い春をお楽しみください」などがあります。
「末筆ながら」は手紙やメールなどで末尾に記す言葉を意味する「末筆」と~ではあることを意味する「ながら」が合わさり、最後になりますがという意味で使う書き言葉で、文章の最後に「末筆ながら」を加え挨拶、お礼、お詫びなどと一緒に使うのが一般的です。
ただし、「末筆ながら」を使う上で注意しなければならない点があります。それは、必ず文末で結びとして使うことです。間違っても文頭や文中で使わないように注意しましょう。
「末筆ながら」は敬語ではないものの丁寧な表現であるため、ビジネスシーンなどで目上の人に対しても使うことが可能です。
「末筆ではございますが」はあまり使われない
「末筆ながら」をさらに丁寧にした表現として「末筆ではございますが」があります。しかし、「末筆ながら」の方を使うのが一般的であるため、あまり使われていない言葉です。
「末筆ながら」の類語
「末筆ながら」の類語・類義語としては、それで終わることを意味する「最後に」、手紙などで本文の後にさらに書き加える文のことを意味する「追伸」などがあります。
「略儀ながら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、正式な手続きを一部省略して簡単にすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように目上の人に対しても使うことが可能です。
「末筆ながら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手紙やメールなどで末尾につける締めの言葉を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように目上の人に対しても使うことが可能です。
「略儀ながら」と「末筆ながら」という言葉は、どちらも手紙やメールの結びとして使われる言葉ですが意味が異なっています。
どちらの言葉を使うか迷った場合、正式な手続きを一部省略して簡単にすることを表現したい時は「略儀ながら」を、手紙やメールなどで末尾につける締めの言葉を表現したい時は「末筆ながら」を使うようにしましょう。