【厳正】と【厳選】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「厳正」(読み方:げんせい)と「厳選」(読み方:げんせん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「厳正」と「厳選」という言葉は、どちらも容赦なく厳しいさまを表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




厳正と厳選の違い

厳正と厳選の意味の違い

厳正と厳選の違いを分かりやすく言うと、厳正とは厳しく規準を守ること、厳選とは厳しい基準で選ぶことという違いです。

厳正と厳選の使い方の違い

一つ目の厳正を使った分かりやすい例としては、「厳正中立な立場で間を取り持った」「その問題には厳正に対処します」「厳正に法を執行する」「厳正なる抽選の結果、当選者が決定しました」などがあります。

二つ目の厳選を使った分かりやすい例としては、「厳選された食材で作る料理は一味違う」「商品にあった原料を厳選する」「厳選の結果、代表者が決定した」「厳選したお気に入りの服だけを持つ」などがあります。

厳正と厳選の使い分け方

厳正と厳選という言葉は、音の響きが似ており、どちらも何かを選び出す時に用いられるため、混同して使われる言葉ですが意味は異なります。

厳正とは規準を厳格に守って公正に行うことを意味します。上記の「厳正なる抽選」とは、厳しく公正な方法を守って行われる抽選のことです。一方、厳選とは厳しい基準で選び出すことを意味します。「厳選の結果、代表者が決定した」とは、厳しい要件を満たして代表が選び出されたことを表します。

なお、厳選の誤った言い回しには「厳選なる抽選」があります。無作為な行為である抽選に対して、意図的に選び出すことを意味する厳選という言葉を用いることは適切ではありません。不正の無い厳格な抽選の意味では「厳正な抽選」と表現します。

厳正と厳選の英語表記の違い

厳正を英語にすると「strict」「impartial」「justice」となり、例えば上記の「厳正中立」を英語にすると「strict neutrality」となります。

一方、厳選を英語にすると「severe selection」「careful selection」「careful screening」となり、例えば上記の「厳選された食材」を英語にすると「carefully selected ingredients」となります。

厳正の意味

厳正とは

厳正とは、規準を厳格に守って公正に行うことを意味しています。

表現方法は「厳正な処分」「厳正に対処」「厳正に取り扱う」

「厳正な処分」「厳正に対処」「厳正に取り扱う」などが、厳正を使った一般的な言い回しです。

厳正の使い方

厳正を使った分かりやすい例としては、「センシティブな問題なので厳正に取り扱うように」「個人情報を厳正に取り扱う」「加害者の厳正な処分を求めます」「スキャンダルには厳正な態度を取る事務所だ」などがあります。

その他にも、「違反行為には厳正に対処します」「厳正なる抽選の結果をお知らせ致します」「厳正な審査の結果を発表します」「成績評価の厳正化を進める」「厳正なる選考の結果、貴殿を採用することに決定いたしました」などがあります。

厳正という言葉は、文字通り「厳しく正しいこと」であり、規準を厳格に守って公正に行うことを意味します。公正を守るうえで厳しいさまを表し、物事を判断をする時や何かに対処する時に用いられることが多い言葉です。

「厳正中立」の意味

厳正という言葉を用いた日本語には「厳正中立」があります。どちらへも偏らないで中立の立場をかたく守ることを意味する四字熟語です。似た意味の四字熟語には「局外中立」があり、どちらも対立関係にある者のどちらにもつかないで公平な態度を取ることを表します。

厳正の対義語

厳正の対義語・反対語としては、公平でないことや片寄りがあることを意味する「不公平」、特に一方に心をかたむけ公平でないことを意味する「依怙贔屓」、配慮や注意が一方にだけ片寄り判断などの不公平なことを意味する「片手落ち」などがあります。

厳正の類語

厳正の類語・類義語としては、いい加減にせず厳しい態度で物事に対処するさまを意味する「厳重」、規律や道徳に厳しく不正や怠慢を許さないことを意味する「厳格」、公平で偏っていないことを意味する「公正」、正直でまじめなことを意味する「正当」などがあります。

厳選の意味

厳選とは

厳選とは、厳重に選択すること、厳しい基準で選び出すことを意味しています。

表現方法は「厳選する」「厳選した」「厳選された」

「厳選する」「厳選した」「厳選された」などが、厳選を使った一般的な言い回しです。

厳選の使い方

厳選を使った分かりやすい例としては、「全国から厳選されたお米です」「厳選米おむすびは絶品だ」 「厳選した木材で作った家具です」「彼の厳選したいい宿は間違いない」「おいしいレストランを厳選してご紹介します」などがあります。

その他にも、「バレンタインのチョコレートを厳選する」「プレゼントの厳選に時間をかける」「彼らは厳選された少数精鋭たちだ」「役立つニュースを厳選してお届けします」「バイヤー厳選アイテムです」などがあります。

厳選という言葉は、厳重な審査によって選ぶことを意味します。「厳選されたお米」のように物に対して使うことが多い言葉ですが、「厳選された少数精鋭」のように人に対して使うこともあります。

商品のキャッチフレーズなどに「厳選」という言葉が使われていますが、これは選び抜かれたものであり、自信を持って勧める商品であることを表現しています。

厳選の類語

厳選の類語・類義語としては、多くの中から良いものをよりすぐることを意味する「精選」、多くの中から良いものや目的にかなうものなどを選ぶことを意味する「選択」、多くの中から目的や条件などに合うものを選び定めることを意味する「選定」などがあります。

厳正の例文

1.プライバシー保護重視のご時世ですから、個人情報は厳正に取り扱う必要があります。
2.我が社ではパワハラ、セクハラ、モラハラなど様々なハラスメントに厳正に対処する方針を定めている。
3.コンプライアンス違反に関与した社員は、就業規則に基づき厳正な処分を行っております。
4.学校の秩序を維持するため、厳正な態度で生徒を指導するため、校則があるのです。
5.ご当選者様の発表は厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
6.公共プロジェクトの入札過程においては、すべての企業が平等な機会を得られるよう、厳正な評価基準に基づいて審査が行われます。
7.国際スポーツ大会においては、選手達の健全な競技が行われるよう、ドーピングなどのルール違反には厳正に対処しています。
8.賞品のプレゼントキャンペーンでは、厳正な選考のもと、応募者全員に公平なチャンスを提供することを重視しています。
9.企業の環境配慮においては、厳正な環境基準の遵守をすることで、環境負荷の低減を求められている。
10.人事評価の過程においては、個人の業績や貢献度に基づいて厳正な評価が行われることが重要です。

この言葉がよく使われる場面としては、厳格で正しいこと、厳しく公正を守ることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある例文は、懸賞の応募説明に関してよく用いられる一文です。厳正なる抽選とは、公正な方法で行われる抽選のことであり、だれかを特別扱いして当選させたり、意図的に選んだりすることがないことを表します。

厳選の例文

1.友人が厳選して贈ってくれたお取り寄せグルメを、家族で堪能しました。
2.ごはんソムリエが選び抜いた厳選米を食べ比べるイベントに参加した。
3.もうすぐ韓国旅行に行くので、厳選した韓国情報が載っているサイトをチェックしています。
4.女性雑誌の特集で、厳選いい宿として当館が取り上げられました。
5.景気の見通しが不透明なことから、新卒採用活動で今年度は厳選採用とする企業が増えている。
6.当ホテルのスイートルームは、厳選された家具で装飾されており、高級感あふれる空間となっております。
7.全国から厳選されたお米であっても、炊き方を間違えれば、インスタントのご飯よりも味が悪くなってしまいます。
8.彼らは全国の支社から厳選された少数精鋭の社員なので、きっと素晴らしい成果を残してくれるに違いありません。
9.このニュースアプリは、あなたの日々の生活に役立つニュースを厳選して届けてくれます。
10.このスーパーマーケットは、厳選された商品しか取り扱っていないため、他に比べて値段がやや高めです。

この言葉がよく使われる場面としては、厳重に選択すること、厳しい基準で選び出すことを表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「厳選採用」とは、採用枠は決めながらも、自社の採用基準を満たす候補者が少ない場合は、採用枠に満たなくても採用しないというものです。

厳正と厳選という言葉は、どちらも厳格でいい加減なところが無いさまを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、厳しく公正を守ることを表現したい時は「厳正」を、厳重な審査によって選ぶことを表現したい時は「厳選」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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