【つまるところ】と【とどのつまり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「つまるところ」と「とどのつまり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「つまるところ」と「とどのつまり」という言葉は、どちらも結局のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「つまるところ」と「とどのつまり」の違い

「つまるところ」と「とどのつまり」の意味の違い

「つまるところ」と「とどのつまり」の違いを分かりやすく言うと、「つまるところ」とは良い結果にも悪い結果にも使える、「とどのつまり」とは悪い結果にしか使えないという違いです。

「つまるところ」と「とどのつまり」の使い方の違い

一つ目の「つまるところ」を使った分かりやすい例としては、「敗退の原因はつまるところ練習不足です」「試験に落ちたのはつまるところ勉強不足だろう」「国家試験に合格するにはとどのつまり猛勉強するしかないです」などがあります。

二つ目の「とどのつまり」を使った分かりやすい例としては、「とどのつまり企画は中止になりました」「合格できなかったのはとどのつまりあなたの勉強不足です」「とどのつまり彼女は破産を免れなかった」などがあります。

「つまるところ」と「とどのつまり」の使い分け方

「つまるところ」と「とどのつまり」はどちらも最終的に辿り着くこと、つまり結局のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「つまるところ」は良い結果に対しても悪い結果に対しても使えるのに対して、「とどのつまり」は悪い結果でしか使わないというのが一番の違いです。

その他の違いとしては、「つまるところ」は一般的に使われているのに対して、「とどのつまり」はあまり使われていない言葉だということです。

「つまるところ」と「とどのつまり」の英語表記の違い

「つまるところ」も「とどのつまり」も英語にすると「after all」「In the end」となり、例えば上記の「とどのつまり彼女は破産を免れなかった」を英語にすると「After all she could not escape bankruptcy」となります。

「つまるところ」の意味

「つまるところ」とは

「つまるところ」とは、色々と考えたあげくに辿り着くことを意味しています。

「つまるところ」の使い方

「つまるところ」を使った分かりやすい例としては、「試合に負けたのはつまるところ練習不足だろう」「このプロジェクトの失敗の原因はつまるところ資金不足です」「次のコンペで契約を勝ち取るにはつまるところ今まで以上の努力が必要だ」などがあります。

「つまるところ」はプラスのイメージとマイナスのイメージの両方で使うことができます。

「つまるところ」自体は敬語ではないのですが、堅い表現なためビジネスシーンにおいても使うことが可能です。ビジネスシーンでは「つまるところ〇〇になります」などの言い回しで表現するのが一般的になります。

「つまるところ」の語源

「つまるところ」の語源は「詰まる」が変化した言葉です。「詰まる」は途中が塞がって通路や管などが通じなくなることや最後の所まで行くことを意味しています。これが転じて色々と考えたあげくに辿り着くこと、つまり結局のことの意味で使われるようになりました。

「つまるところ」の漢字表記

「つまるところ」を漢字にすると「詰まる所」となります。しかし、平仮名で表記するのが一般的なので、あまり使われていません。

「つまるところ」の類語

「つまるところ」の類語・類義語としては、いろいろの経過を経て落ち着いた最後のことを意味する「結局」、長い時間の後に最終的にある結果に到達することを意味する「遂に」、一番終わりのことを意味する「最終」などがあります。

「とどのつまり」の意味

「とどのつまり」とは

「とどのつまり」とは、色々経過を経て最後に辿り着くことを意味しています。

「とどのつまり」の使い方

「とどのつまり」を使った分かりやすい例としては、「とどのつまり人類はみな悪だと思っています」「とどのつまりこのプロジェクトは失敗しました」「とどのつまりあなたはとぼけるのね」「色々工夫したもののとどのつまり売れませんでした」などがあります。

「とどのつまり」の語源

「とどのつまり」の語源で一番有力な説は魚のボラです。ボラは成長するにつれてハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トドと名前が変化していく出世魚です。最終段階のトドになるとそれ以上大きくなることはなくなります。

このこれ以上成長しないことが転じて、色々経過を経て最後に辿り着くことや結局のことを表わす言葉として使われるようになったのが、語源と言われています。

余談として、このトドはアシカやオットセイの仲間のトドとは違うので注意しましょう。

また、「止め」や「止まり」の「とど」に「詰まる」という言葉がついた生まれたという説もあるため、上記の由来が正解とは一概には言えません。

「とどのつまり」の類語

「とどのつまり」の類語・類義語としては、最後の最後のことを意味する「挙句の果て」、最後に行き着くところのことを意味する「結句」、様々な経過を経て最終的な結論のことを意味する「畢竟」(読み方:ひっきょう)などがあります。

「つまるところ」の例文

1.つまるところ今回の炎上騒ぎは、彼自身の不注意から起きたことです。
2.これだけ優秀な戦力が揃っているのに試合に勝てないのは、つまるところ監督の力不足だろう。
3.この会社で出世するためには、つまるところ人脈を広げることが大切です。
4.次の大会で優勝するためには、つまるところ練習を増やすしかありません。
5.自店舗でデリバリーを行っていなくても出前サービスを提供できるこのシステムは、つまるところ飲食店と顧客の双方を幸せにします。

この言葉がよく使われる場面としては、色々と考えたあげくに辿り着くことを表現したい時などが挙げられます。

例文1と例文2の「つまるところ」はマイナスなイメージで使っており、例文3と例文4の「つまるところ」はプラスのイメージで使っています。

「とどのつまり」の例文

1.不況が続き資金繰りに行き詰ってしまいました。とどのつまり閉店する予定です。
2.色々言っているけど、とどのつまり僕と別れたいってことでいいのかな。
3.昔はあんなにチヤホヤされていたのに最近は誰も寄ってこない、とどのつまり私もおばさんになったということだ。
4.これだけ言ったのにも関わらず、とどのつまり書類を提出しなかったってことだよね。
5.彼は適当なことばかり言ってるので、とどのつまり誰かも相手にされなくなりました。

この言葉がよく使われる場面としては、色々経過を経て最後に辿り着くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように思わしくない結果の場合に用いることが多いです。

「つまるところ」と「とどのつまり」という言葉は、どちらも結局のことを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、「つまるところ」は良い結果にも悪い結果にも使える、「とどのつまり」は悪い結果にしか使えないと覚えておきましょう。

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